根のごとく生きる
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Date:2016.01.11
Date:2016.01.11
新春を迎え、気持ちも新たに勉強されていることと存じます。
新年にあたって、勉学・学修について一言申し上げたいと思います。
それは「根のごとき学修を実践しよう」ということです。根は、美しい花を咲かせるために、暗い地中にあって、ただひたすら栄養分を探し求めています。眼前に石や岩があっても、挫けることはありません。また、一方向だけではなく、多方向に伸長していきます。さらには、無数の分岐を行い、いろいろな方面から栄養を摂取します。様々なところを放浪し、成長に必要不可欠な栄養を探します。それもこれも、自らの花を咲かせるための地道な努力です。美しい花を誉めそやすのは外界の話ですが、その美しい花は、根の地道な努力によるものです。花は根に通じています。根のない花はありません。
法科大学院の学修も、憲法の研究も同じです。単純なパターン学修のみで美しい花を咲かせることはできません。主張や理論は、事実と密接に結びついており、事実を欠いた主張や理論は空理空論となり単なる言葉遊びになります。ひどい時には、事実を隠ぺいする虚飾になってしまいます。だからこそ、根のように、多くの事実を集めること、可能な限りの分析や思索をすること、理論構築に必要なものを選び出すことが重要です。
早く、美しい花を咲かせたいなら、まず大地に根を張り栄養を吸収することが必要です。栄養吸収は、継続的に行う必要があり、バランスの取れたものである必要があります。私も、初心に帰って、根のごとく生きることを今年の目標としたいと思います。そういえば、中学校の卒業に当たって友人のくれた私の評価は、「根性、根性、それが君の取り柄だ。」というものでした。(H)