平成24年度 第1回モデル授業検討会が開催されました
Date:2012.06.28
現在、駒澤大学法科大学院では、教員同士の授業参観が行われています。教育方法や技能を向上させ、教育内容についての改善等を教員スタッフ全員で相互に確認する、いわゆるFD活動の一環です。
この期間に、本年は、自由参加ではありますが、「モデル授業」を設定し、その後に教員間で議論をすることにいたしました。研究者教員と実務家教員との連携、学生中心の個別教育や指導の在り方、今年度より導入した新入生のクラス編成方針等についての検討も同時に行うという目的で、6月27日(水)第2講時「民法Ⅰ」(青野教授担当:1年生対象)、第3講時「金融商品取引法」(春田教授担当 :3年生対象)の二つの授業を、モデル授業として開催されました。
「民法Ⅰ」の青野博之教授の授業は、柴谷、比佐、若林3教授が参観し、新入生だけによるクラス組みの効果、学生個人に合わせた指導等について、具体的に検討が行われました。取得時効に関する授業ではありましたが、その際に、条文の専門家としての読み方にも十分配慮するという講義目標は、他の教員により、十分に達せられていると評価されました。
また、「金融商品取引法」の春田博教授の授業は、小松、若林、日笠3教授が見学しました。授業は、業と営業の区別、投資家の概念としての適格機関投資家、特定投資家、一般投資家の区別、また、金融商品取引法40条の適合性の原則との関連を、実務家の立場から具体的事案を豊富に提供しつつ、民法や刑法との関連にも幅広く話を展開し、実務家ならではの視点が十分にちりばめられた授業内容であったと評価されました。
授業担当・参観教員7人による検討会におけるまとめとしては、両授業ともに、司法試験に現役合格できる力を養成することを前提として、それぞれの学年に相応した良い講義であった。ただ、予習ないし授業準備においては、まだ不足している学生がみられるとの指摘もあった、ということになりました。予習の仕方をどのように改善指導するかという点については、今後の課題となります。
さらに、検討会には、趙教授、臼木教授が加わりました。2年生の行政法特別演習を担当している趙教授からは、学生の希望を十分に汲み上げた授業構成に尽力していることが述べられました。また、それぞれの意見に臼木教授から鋭い質問が提示され、議論を深めることができました。今回のこの企画は、予定どおりの高い成果を上げたと思われます。
来週7月3日(火)には、提携している第一東京弁護士会の弁護士の先生方が、本学の授業見学にお見えになり、授業見学後に意見交換を行うことも予定されています。法曹界の実務家からの忌憚のないアドバイスを戴き、理論と実務の架橋を更に深めることにも努力する予定です。
法科大学院のFD活動の一コマをお伝えいたします。(H)