東日本大震災の発生から一年に思う
Date:2012.03.11
東日本大震災という未曽有の歴史的自然災害が起こってから今日で一年となります。お亡くなりになられた方、行方不明のままの方が、1万9千人に上り、避難をされている方が34万5千人近くいらっしゃいます。
まず、お亡くなりになられた方に、法科大学院教職員一同、心から追悼の意を表させて頂きたいと思います。自然の脅威を目の当たりし、予想をはるかに超える地震や津波の猛威に曝されてのご不幸です。想像するに悔しく心が痛む出来事です。安らかにと祈らずにいられません。
次に、現在避難生活を強いられている方々に、激励の気持ちをお伝えしたいと思います。安心してお暮しであった日常生活を破壊され、やむを得ず激変させられご不自由な生活を強いられている避難生活は、さぞお苦しいお寂しいと思います。お元気にと祈ると同時に、私たちは、皆さまと心で繋がっていると感じます。再生・復活・復興という希望を共にし、遠くからではありますが、皆さまを熱く息長く応援させていただきます。
思えば、人間社会は自然に支えられています。科学技術が進歩し高度情報化社会になったとはいえ、人間の力は自然を支配するものではありません。自然と共に存在していることに配意しなければなりません。その上で、科学技術が人間社会にいかに役立つか、しかも、自然との共存を前提にして、考える必要があります。高度情報化社会の形成や発展も、人間社会と自然との適切な共存を深く考察するものでなければならないでしょう。
自然災害に強い人間社会を作るという考え方は、強引な人間中心主義から自然との共生中心主義へと謙虚に移行することによって、今後の自然災害に適切に対応できるのではないでしょうか。原子力発電所の問題も同様だと思います。
私たちは、被災をされた皆様と繋がっています。個人的には当然として、政治的ないし行政的に、経済的ないし社会的に、文化的ないし国家的に、それだけにとどまらず人間として世界中の人々と一緒に繋がっています。過剰な自己防衛的風評に負けることなく、日々の生活に明るさと充実を見出して、共に元気を奮い起こしましょう。(H)