リーガル・ライティングと司法試験
Date:2015.07.14
駒澤大学では、本法科大学院修了生の学習支援のために、司法研究所が設置されています。
司法研究所では、修了後の学習環境(場所)を提供するだけでなく、本学教員および他大学教員・実務家による「リーガル・ライティング」(起案演習)や「特別授業」を提供し、司法試験合格に向けた支援をしております。リーガル・ライティング等は、本法科大学院の在校生も受講することができます。
平成25年6月に私が担当したリーガル・ライティング(商法)で出題したテーマは、「違法な新株予約権の行使による株式の発行」でした。この問題は、最判平成24年4月24日民集66巻6号2908頁について判例評釈(金融・商事判例1398号8頁)を執筆していたことから、当該事案をモデルとしたものでした。このテーマは、本年・平成27年5月実施の司法試験論文式[民事系科目第2問]の[設問3]でほぼそのまま出題されました。
また、平成27年3月に私が担当したリーガル・ライティングで出題したテーマは、「取締役の競業避止義務」でした。このテーマは、本年の[民事系科目第2問]の[設問1]で出題されました。
受験予備校風にいえば、予想テーマは大当たりです!!!
上記テーマについては、当然、法科大学院の正規授業でも扱っています。
会社法は、基本的には、判例を題材として、多少事案を修正するなどして、作問されています。今後も、受験生の期待に応えるべく、出題テーマを予想していきたいと思います。
なお、中村信男氏(早稲田大学教授)と筆者の共編著『ロースクール演習会社法[第4版]』(法学書院)が刊行されました。お蔭様で、[初版]から[第3版]までに相当数を売り上げ、この分野ではベストセラーとなったそうです。[第4版]は、平成26年の会社法改正もフォローした内容となっておりますので、こちらも参照して頂けると幸いと存じます。(U)