アイデアの源泉

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Date:2015.11.21

10年前に中古のオープンカーを買ってから、すっかりオープンドライブにはまってしまった。現在のは3台目。webサイトの誰かのブログに「どんなに暑くてもどんなに寒くても、雨が降っていない限り屋根を開いて走る。それがオープンカー魂だ!」とあったのに感激し、しばらくはその通り実践していたが、カンカン照りの真夏に、こんな走りを何度も続けていたらそのうち走行中に意識を失って死んでしまうのではないかと心配になり、今はなるべく無理しないようにしている。でも、真冬は、今でも常にオープン。エアコンとシートヒーターでガンガン暖め、手袋とマフラーとニット帽の完全防備で走るが、それでも少し辛い。

春と秋の晴れた日のドライブは爽快。どこかで適当に高速道を下りて、山道を走る。山腹の景色のいい公園か峠で車を止めて、ボーッと下界を眺めながら思索を巡らせる。期末試験の問題や紀要の論文は、この時浮かんだアイデアが基になっている。

ある夏の日、多数与党のゴリ押しで安保法案が衆院を通過した件をドライブ中にあれこれ考えていたところ、ついに、少数意見が完璧に尊重される画期的な民主主義の意思決定システムを思いついたのだが(※)、あまりにもばかばかしいので誰も相手にしてくれなかった。真夏のオープンドライブ中に浮かんだアイデアは、後から冷静に考えてみると、確かに、ちょっとおかしい。(S)

 

※ 民主主義(広義)の下では、全ての個人の意思は同価値であり、多数意見だからといって少数意見よりもその価値が高い訳ではない。しかし、国民の意思は単一ではないから、民主主義(狭義)に基づいて国家意思を決定する際には多数決民主主義が採用される。多数決民主主義の下でも少数意見の尊重が言われるが、多数意見の内容と少数意見の内容とが真っ向から対立するときには、結局は多数者の意思だけが酌み取られるのであり、少数意見は無視される。多数決民主主義の下での少数意見の尊重とは、せいぜい、採決に入る前に十分に議論の機会を持ち、当初の少数意見が多数者の支持を集めて多数意見に変わるチャンスを与えるという程度の方法でしか達成できない。多数決民主主義の下では、「少数意見の尊重」なんて言っても言葉だけの綺麗事でしかない。私は、ドライブ中に、少数意見が多数意見と完全に同等に尊重される画期的な民主主義(狭義)の実現方法を思い付いたのだが、それをここで紹介するには、残念ながら紙幅が足りない。

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