悪質商法
種類と手口
悪質商法とは、契約する気持ちもないのに、一時的に相手をその気にさせた瞬間に契約まで取り交わし、商品などを売りつけようとするものです。本人に契約する意思はないのに、言葉巧みに勧誘し、断りにくい状況の中で契約を迫るなど悪質な勧誘手口です。契約解除など事後策も大事ですが、そういう誘いに乗らないようにすることが最も大切です。
種類としてはマルチ商法・キャッチセールス・カルト商法・自己啓発商法・資格商法・アポイントメントセールス等があります。手口は悪質かつ巧妙で「あの手、この手」で勧誘してきます。相手を一時油断させたり、エアポケットのような状況において「もう契約してもいいや」と思わせたら一丁上がりとなります。人の弱みに付け込むのが上手く、契約のためには何でもしそうな人達のグループであることを忘れてはいけません。
マルチ商法 -健康食品・自動車関連商品-
ほとんど友人や知人を介して勧誘され、その学生の友人関係や人間関係などを利用して商品を販売しようとするものです。「すごい儲け話があるんだけど・・・」などと誘われる。優れているというセールストークの商品に価値はなく、断りきれないまたは断るのが悪いと思う心に便乗しての商法です。友人を介してその友人が契約すると、あなたにその分の利益が出ますなどといわれ商品を大量に買い込んでしまい、二次被害に遭うこともあります。これらは、友人関係を損なう原因になります。このような商法で誘われたり、誘ったりするようなことはやめましょう。
キャッチセールス -化粧品・美顔器・エステ・健康食品-
繁華街で見知らぬ人から「アンケート調査」や「モニター募集」などと声をかけられ、断らない人と判断されれば、事務所や喫茶店でしつこく契約を勧める商法。因みに断った場合のコーヒー代は自分で支払うということです。
カルト商法 -宗教団体勧誘-
「大学生活では味わえないことをやってみたくないか」「大学を超えたサークルである」「いろんな大学が加盟しているサークルだ」「自分の性格を見つめて新しい自分を発見しないか」「自己開発、能力開発をしよう」などといって近づき、団体の事務所やセミナー会場等へ誘い、自分の性格や生き方などについて話し合った末に、名簿に氏名や連絡先の記入をせまります。その後は何回も数人で一方的な解釈と押し付けを繰り返され、合宿やセミナーの費用を請求されたり、宗教的な活動をするよう迫られます。新聞やテレビでも報道されている団体が、名称を変えて勧誘していることが多く、接触は優しく親切に見えても、本来の姿は恐ろしいものがあります。
自己啓発セミナー -能力開発セミナー・精神修養講座-
友達に誘われてセミナー会場に出向いたら、グループへの入会をしつこく勧められ、自己分析や自己啓発を説明された。次々に高額な契約を迫られ、いずれはあなたも友達を勧誘するよう指示されてしまいます。
資格商法
「近いうちに国家資格になるから今のうちに取得したほうがいい」「就職試験を受ける上でこういう資格を持っている人は特別に採用されている。」などと、就職や進路に対して不安や心配のある学生を対象に勧誘する。何十万円もする高額なものとは思えないテープや教材が送られてくる。
アポイントメントセールス(電話勧誘) -英会話教室・レジャー会員権・ネックレス・絵画-
「私△△と言いますが、○○さんですよね」などと突然知らない人物から電話がかかってきて、友達感覚で話しかけられ親しみを持たせた上で、事務所に呼び出し、セールストークで一気に契約まで持ち込む商法。誘い文句は「旅行に安く行ける方法があるの。事務所まで来ない?」「就職にも有利だし1回説明だけでも聞いてみたら・・」「駒大生対象に学生生活の話があるの・・」等と誘われ、浮かれて出向くと不必要で高額な契約を強いられます。
内職商法 -宛名書き・チラシ配り・データ入力・テープおこし-
「在宅サイドビジネス(アルバイト)で高収入を」「資格・技術を身につけて家出できる高収入のアルバイト」などの広告で勧誘(電話勧誘もある)し、教材や高い機械を売りつけたり、講習会と称して多額の受講料を取ったりします。実際は、講習が受けられなかったり、ほとんど収入は得られません。
モニター商法 -エステ・美顔器・和服・ふとん・浄水器-
モニターになって、そのモニター料を代金の支払いに当てることを条件に、商品・サービスを無料や格安で提供すると思わせて商品購入の契約をさせます。
ネガティブ・オプション -雑誌・ビデオソフト・新聞・単行本-
商品を一方的に送りつけ、消費者が受け取った以上、支払わなければならないと勘違いして支払うことを狙った商法です。代金引換郵便を悪用したものもあります。福祉目的をうたい、寄付と勘違いさせて商品を買わせることもあります。
対策
「結構です」「いいです」等のあいまいな返事は、誤解のもとです。はっきりと「いりません」「契約しません」と断ってください。No!とはっきり言う勇気が必要です。
初めて会った人や、知らない人からのアンケート記入などで、簡単に自分の氏名や住所や連絡先などを記入しないこと。どのように利用されるか分かりません。業者からの電話も、業者間で流通している卒業生名簿などを見て電話をしてくるのです。
ほとんど異性から勧誘される事が多く、男子学生の場合は、きれいな女性から勧誘されるので、デートのような雰囲気の中で、日常生活のことから話し始めるので、デート商法などとも言われます。先方からかかってきた電話で親しく話されたり、親切を装われても「もしかして・・」なんてことはありません。学生の名簿や電話番号が業者の間で流通しています。それらを元に勧誘業者は電話をしてきます。「特別にあなたが選ばれました」「今ならサービス中」と言われても、それは単にセールストークでしかありません。
被害に遭っている人の中には自分は断れるから大丈夫だと事務所に行き、数人のグループで深夜まで何時間も執拗に勧誘され、契約しなければ帰ることが出来ないだろうと観念して仕方なく契約をしてしまった人もいます。学生は悪質商法のターゲットだということを忘れずに!いくら自信があっても1人で事務所に行ってはいけません。
「話だけでも聞いてください」といって、話だけで済むはずがないと思いませんか。相手もその道のプロです。いくら自信があっても話術にはまってしまう人がたくさんいます。契約をしないことが分かると態度が急変し、ケースによってはコワイ人達が出てくるところもあります。
一度こういう勧誘で契約をしてしまうと、そのリストが業者の間で流通します。そのため、一度被害にあった人が、二度目三度目の被害に遭うことがあります。おかしい、失敗したと気付いた時には、契約解除の手続きを必ず取り、二次被害をなくすようにしましょう。
1日にしたら@500円程度の支払いと言われても、1年では182,500円になります。年間20万円や30万円の金額なら、他にしたいことがたくさんあるのではありませんか。1日にコーヒー1杯程度の金額と思っても、学生にとって高額な金額に変わりありません。クレジット会社でローンを組んでまで契約をすることはありません。
その場で決めたりせず、1日ゆっくり考えるなり友達や親と相談してからでも、決定は遅くありません。すぐに契約しろという方法自体が怪しいと思いませんか。
どうして契約してしまうのか?
- はっきり断ることができない
- すぐに相手を信用してしまう
- 意思が弱い
- 断りづらい雰囲気になってしまった
- 相手の話術にはまってしまった
- 断る理由が見つからなくなってしまった