大学概要About us

学長あいさつ

20210401gakucho

駒澤大学は、仏教を礎として開学以来、釈尊の教えに基づいた「智慧と慈悲」の探求と実践に努めてまいりました。仏教の智慧とは、真実を見通す眼をもって本当に大切なことを見分ける力、慈悲とは多角的に人間を捉え、他者を尊重できる慈しみの心です。駒澤大学の教育の礎は、「自分を磨き、他者とともに分かち合う」と言い換えることもできるでしょう。さらに私は2025年度より、「誰からも愛される大学」を目標に定め、「智慧と慈悲」に「縁起」を加えて、教育の礎を強固な三本の柱にして歩んでいきたいと考えています。「縁起」とは、私たちが孤立した存在ではなく、すべてが関わり合って生きているという仏教の教えです。皆さんも、多くの人との縁によって今日を生きています。駒澤大学はその縁を大切にし、共に学び、支え合う場でありたいと考えています。

仏教に根ざした駒澤大学の特色として、「信じる心」が学生生活の中で自然に育まれることを目指した教育活動が行われています。4月8日は釈尊の誕生日である「花まつり」を祝い、入学式にふるまわれる「甘茶」は、仏教に対する限定的な信仰のみならず、文化や地域に根ざした伝統を重んじ、他者の大切にしている事象に目を向ける視野の広がりに通じると信じています。

400年以上前、江戸時代に創立された本学の前身は、曹洞宗の僧侶養成機関として、有意な若者を仏教界に多数輩出していました。新制大学に改組された現在では、7学部17学科を擁する総合大学に発展し、緑あふれる駒沢オリンピック公園に隣接する環境のもと、毎年14000人余の学生が一つのキャンパスに集い、あらゆる分野で活躍する卒業生を社会に送り出しています。

今、私たちは大きな変化の時代を生きています。世界情勢の不安定さ、急速に進化するAIやテクノロジー、環境問題、そして予測困難な社会の課題が次々と現れています。まさに、「無常」の世の中です。しかし、曹洞宗の開祖である道元禅師は『正法眼蔵』の中で、「無常を覚るを仏法とす」と説かれました。つまり、世の中が常に変化することを受け入れ、その中でいかに他者とともに自分の人生をよりよく生きるかを問い続けることこそ、学びの本質であるといえるでしょう。

道元禅師はまた、「学道には、発心、修行、菩提、涅槃、みな同時なり」とも説かれました。つまり、学びとは単に知識を蓄えることではなく、志を立て(発心)、努力を重ね(修行)、智慧を深め(菩提)、自己を超えていく(涅槃)ことなのです。これは、まさに学生が大学生活で経験していくことと重なります。

大学の役割は、学生一人ひとりが自分の価値に気づくように働きかけること、そして学生生活の中で自分の価値を磨きあげ、卒業を以て社会に貢献できる人材を送り出すことです。駒澤大学の教育体制の特長は、学生が社会を照らす光となる教養と専門性を得ていくことはもちろん、信じる心と分かち合う心を育む人間教育に力を注いでいることです。

その大学生活には、多くの挑戦が待っています。時には困難に直面することもあるでしょう。しかし、それもまた学びの一部です。道元禅師の「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり」という言葉のように、どんな状況にあっても、その瞬間を大切にし、今できることに精一杯心を尽くし、仲間とともによりよい人生を目指していくことが肝要です。
学生一人ひとりの成長が、駒澤大学の未来をつくります。ともに学び、互いに高め合いながら、この学び舎をより輝かしい場としていきましょう。

令和7(2025)年4月1日
駒澤大学長 村松 哲文

大学概要