令和7年度「駒大生社会連携アイデアコンテスト」審査員コメント
令和7年度「駒大生社会連携アイデアコンテスト」の審査員より、応募者を含む駒大生に対して、コメントが寄せられましたので、ご案内いたします。
審査員からのコメント
【東急電鉄株式会社:審査員 根本 高寿様コメント】
「
東急線および駒沢大学駅周辺を良く知る学生のみなさまだからこそ
自らが感じた課題をデータにより裏付けをされたり、聞く人を惹きつけるタイトルで、
様々な社会課題を自分事として捉え、課題を分析し、
みなさまのひらめきと実行力は、まちの未来を動かす力です。
駒澤大学の学生のみなさまが今後益々ご活躍されることを祈念して
そして当社は、
【駒澤大学:審査員長 兼村 栄哲副学長コメント】
まずは、「令和7年度 駒大生社会連携アイデアコンテスト」にご応募・ご参加いただいた学生の皆さん一人ひとりに、心より感謝申し上げます。
はじめに:
今回のテーマは、「地域のポテンシャルを最大限に引き出す新たな移動創出のアイデア」でした。これは、現在、地域社会が直面している、非常に重要でかつ実現が待たれるテーマです。応募された学生の皆さんが、この難題に真摯に向き合い、独創的で具体的なアイデアを提示してくれたことに、審査員一同、深く敬意を表します。
総評:
第2次審査に残ったファイナリスト5組の提案は、いずれも極めて高いレベルにありました。具体的には、地域が持つ潜在的なポテンシャルを発掘し、そのポテンシャルと新たな移動をいかに結びつけ、どのように価値を創造していくかについて、鋭い洞察が見受けられました。
特に、次の3点が高く評価されました。
- 学生ならではの自由な発想と、デジタル技術を柔軟に活用する若者らしい視点が盛り込まれ、たんなる交通手段の提案に留まらない、移動を通じた交流や新たな体験の創出を意図している点。
- 大学で学んだ知見と、共催企業である東急電鉄株式会社様が有する専門性やネットワークを連携させる、実現性の高いビジネスモデルを具体的に示した点。
- 駒沢地区、世田谷区をはじめとする地域の特性を深く分析し考察したうえで、持続可能な仕組みを構築しようとしている点。
他方で、今回の審査を通じて、学生の皆さんにさらなる成長を期待する点も明確になりました。それは、着眼点の良いアイデアを実現可能な事業へと昇華させるための論理的な裏付けです。
アイデアを実現するには、熱意だけでは不十分です。大学で専門的に学んでいる、課題を論理的に整理するためのフレームワークや分析手法を、実践の場で積極的に活用・駆使することが必要不可欠です。また、提案の根拠となるデータの収集が必ずしも十分でない点や、そのデータの分析自体が不十分であった点も、今後克服すべき課題として挙げられます。
これらは、市場全体や標的市場(ターゲット)の趨勢(動向)を的確にとらえ、そこでの社会課題を解決するためのマネジメント的な視点を、より身につけることへの期待に他なりません。こうした期待に応えることができれば、卒業後、皆さんは、荒波の社会にもまれても乗り切れることと確信しています。
第2次審査のプレゼンテーションでは、学生の皆さんの、課題解決に対する情熱と質疑応答における論理的で柔軟な思考力が遺憾なく発揮されました。
最優秀賞を受賞されたアイデアは、駒沢地域・世田谷区の特性について深く分析されていた点、地域の課題を重層的にとらえて独創的な解決策を提案した点、他の地域でも十分に応用することが可能である点などが、群を抜いていました。心よりお祝い申し上げます。
また、優秀賞および特別賞を受賞された皆さんのアイデアも、地域社会にとって非常に価値のあるものでした。このコンテストで得たフィードバックと、東急電鉄株式会社様からのアドバイスを糧に、この貴重な経験を今後のさらなる飛躍へと繋げていただくことを祈願しております。
謝辞:
最後に、本コンテストの開催と成功に多大なるご支援を賜りました共催企業であられます東急電鉄株式会社様に、心より感謝申し上げます。
今回のテーマである「地域のポテンシャルを最大限に引き出す新たな移動創出のアイデア」は、貴社のGUG(Green UNDER GROUND)プロジェクト、すなわち、都市の価値を創造し、持続可能な地域社会の実現を目指すという精神と深く共鳴するものであり、その第一弾として駒沢大学駅がサステナブルな駅としてリニューアルされたことは、まさに貴社と本学、そして地域社会との連携を象徴するものです。また、副賞として駒沢大学駅に新たに設置された「駒沢大学駅サイネージ(GUG PLATFORM)」の利用など、本学と密接な関係にある駅を利用する機会を提供いただけますことは、学生にとって何物にも代えがたい経験となります。
駒澤大学は、貴社とともに、駒沢地域の活性化と発展に貢献したいと強く願っております。学生への積極的なフィードバックは、彼ら彼女らのアイデアを未来へと導く大きな力となりました。ありがとうございました。
結びに:
本コンテストは、学生の皆さんが、日々の学びを社会に還元し、自ら未来を切り開くための重要な挑戦の場として設けられました。今回の応募者は経済学部と経営学部に限られましたが、社会が抱える課題を解決し、地域に新たな価値を創出するマネジメント的な視点は、専門分野を問わず、すべての学部学科の学びの根幹に存在するものです。
本学の学生の皆さんには、学生生活のうちからこうしたマネジメント的な思考を意識的に養い、学んだ知識を実践に結びつけ、大きく飛躍されますことを切に望みます。
ご参加いただいた学生の皆さん一人ひとりに、改めて感謝申し上げます。
以上
