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~襷~ 「ありたい姿」を見据えた挑戦の日々

【襷(たすき)】は、駒澤大学に通う皆さんが「どのような社会人生活を送りたいか」をイメージできる、キャリアセンター発の連載企画です。在学生が現在活躍する駒大OB・OGを訪問し、先輩たちのリアルな声をお届けします。

金沢昌佳先輩に、経営学部3年 川邊が取材しました!(2025年1月取材)

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目標への原点

一流企業を目指そうと思ったきっかけを教えてください。

大学1年生の時、高校時代に父がリーマンショックによる苦境にさらされていたことを知りました。当時を振り返ると好きな野球をしたり、塾に通わせてもらったり、何不自由ない生活を送っていました。

しかしその裏では想像を絶する苦難に直面していたことを知り、それまで漠然と学生生活を送っていた自分に嫌気がさすと同時に、将来必ず一流企業に就職して親孝行をするのだという強い気持ちを抱きました。

その強い気持ちが、その後の行動の原動力となっていきました。

学生時代について

大学時代はどのような活動に力を入れましたか?

学生生活を通じて、3つの柱となる活動に力を入れました。

1つ目が瀬戸岡ゼミでの活動です。
当時、瀬戸岡ゼミは多方面で熱心に活動しているゼミとして知られており、意欲的な学生から関心を集めていました。ここで学べば自分を大きく成長させられると考え、入ゼミを決意しました。瀬戸岡ゼミでは、グループで研究テーマを設定し、日本学生経済ゼミナールのプレゼン大会に出場することが恒例となっていました。

私が所属した4人のグループは移民問題をテーマに掲げました。約8か月間、仲間4人で研究し、先生のご指導も頂きながら連日連夜議論し、他のグループの仲間とも切磋琢磨しながらプレゼン練習を重ね大会に挑みました。結果としては、労働部門で優勝することができました。ここで仲間と切磋琢磨し共に成長したことは、人生の糧となっています。

2つ目は、某ファストフード店でのアルバイトです。
将来の目標達成に向けて、対人能力とマネジメントスキルを磨きたいという思いから、店長代理を目指して働きました。100人規模の店舗で中国、韓国、台湾をはじめ、多くの留学生と一緒に働く国際色豊かな環境の中、人材育成や店舗運営など、今につながる多くのことを学ぶことができました。

3つ目が、語学力向上への挑戦です。
一流企業で活躍するためには英語力が不可欠だと考え、大学の制度を活用しクイーンズランド大学での5週間の語学研修に参加しました。そこで多くの刺激を受け、5週間では物足りないと感じ、更なる海外経験を求めて1年間の休学を決意。
ワーキングホリデーでオーストラリアへ渡り、現地のリゾートホテルでインターンシップを経験するなど、英語漬けの日々を過ごしました。

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就職活動と初めての企業経験

就職活動はどのように進められましたか?

元々は商社を志望していましたが、説明会に参加する中で、日本の最先端技術を使用した自社の製品を世の中に送り出していきたいという思いが強くなり、メーカー志望へと変更しました。

最初の就職先であるジャパンディスプレイは、ソニー、東芝、日立の液晶部門が統合された会社でした。日本の最先端技術を世界に発信していこうという理念と、世界の第一線で戦える環境に魅力を感じ入社を決めました。

卒業後はどのような経験をされましたか?

入社後は海外営業部に配属され、中国の大手スマートフォンメーカーへの中小型ディスプレイの営業を担当しました。毎月1-2週間のペースで中国に出張し、自社製品の提案や価格交渉、納期管理等、幅広い業務を担い、年間数百億円規模のビジネスに携わりました。

しかし、コロナ禍で海外出張が制限される中、キャリアを見つめ直す機会を得ます。これまでの経験を活かして更に大きなステージに挑戦したいと考えるようになりました。そして元々憧れていたソニーへの転職を決意し、2021年5月、ソニーに入社しました。

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学生時代の経験は、仕事にどのように活きていますか?

高い目標を掲げ、そこに向かって一歩一歩進んでいく姿勢は、大学時代に培ったものです。ゼミでの研究活動やアルバイトでのマネジメント経験、海外での挑戦は、今の仕事の土台になっています。

特に、会社での仕事は多くの人との協力が不可欠です。他部署の方々や上司、同僚、パートナー企業など、様々な立場の人々との連携が必要になります。ゼミで仲間と一緒に研究を進めた経験は、チームで成果を出すための大きな財産になっています。

チームで仕事を進める中で大切にしているのが、周りの人を巻き込む力です。1人では解決できない課題がたくさんありますが、そこで必要なのは自分自身の熱意です。課題に対する強い思いがあれば、周りの方にも伝わり、協力を得やすくなります。その熱意があってこそ、大きな仕事も動かせるのだと実感しています。

現在の仕事について

具体的にどのような業務を担当されていますか?

ソニーのテレビ"BRAVIA"に搭載される大型ディスプレイの調達を担当しています。ディスプレイの選定から、パネルメーカーとの価格交渉、納期管理まで、幅広い業務に携わっています。テレビの部材費の大部分を占めるディスプレイは、テレビの性能や価格に直結する重要な部品でとてもやりがいを感じています。

これから挑戦したいことはありますか?

次の目標として海外駐在にチャレンジしたいと考えています。出張ベースでは海外に行く機会も多いのですが、現地に実際に住み込んで、ローカルの方々と一緒にビジネスをすることは、また違った経験になるはずです。日本とは異なるルールや環境の中でビジネスを行うことで、さらなる成長につながると考えています。

また、個人的な話になりますが、2027年に長年の目標であったワーキングホリデーで訪れた思い入れの強いオーストラリアに両親を連れて行くことを計画しています。目標があることで、日々の仕事にもより一層力が入ります。

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後輩へのメッセージ

まずは自分の「ありたい姿」を思い描いてください。漠然としていても構いません。その姿に向かってどんな経験を積めば近づけるのか、考えながら行動を積み重ねていくことが大切です。

行動する際のポイントは、広く浅くではなく、1つか2つ、とことん追求できるものを見つけること。深く取り組むことで、必ず自分の力になります。その過程で出会う仲間との切磋琢磨も、かけがえのない経験になるはずです。

駒澤大学には、高い志を持ち、共に成長していける仲間がたくさんいます。熱意を持った仲間と出会い、お互いを高め合いながら、「スーパー駒大生」として、自分の可能性を広げていってください。

おわりに ~インタビュアーの感想~

今回の取材を通して、「目標」と「実現に向けた行動」の重要性を強く実感しました。金沢さんは大学1年生という早い段階で将来像を明確に定め、そこから逆算して必要な経験を積み重ねてこられました。

特に印象的だったのは、どの活動にも明確な理由があったことです。ゼミ活動では瀬戸岡先生の指導の下、高い目標に向かって切磋琢磨できる場として、アルバイトではマネジメント力を養う機会として、そして海外経験はグローバルに活躍するための挑戦として。一つ一つの経験が将来の目標に紐づいており、その結果、確かに今の仕事に活きているのだと感じました。

現在も、具体的な目標を掲げ、そのために必要な実績を着実に積み重ねている姿勢に深い感銘を受けました。置かれた状況や目の前の結果に一喜一憂するのではなく、常に前を向いて最善を尽くし続ける。そんな金沢さんの生き方に、深い共感と尊敬の念を抱くとともに、このような先輩がいることを誇りに思います。

[著]・[聞] 経営学部 市場戦略学科3年_川邊隆平
[写] キャリアセンター_山口魁紀

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駒澤大学経済学部経済学科 
襷~先輩の足跡~