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~襷~ 「現場」から学び、独自の視点で伝え続ける

【襷(たすき)】は、駒澤大学に通う皆さんが「どのような社会人生活を送りたいか」をイメージできる、キャリアセンター発の連載企画です。在学生が現在活躍する駒大OB・OGを訪問し、先輩たちのリアルな声をお届けします。

大浜平太郎先輩に、経済学部3年 若山/文学部2年 指村/GMS学部2年 若田が取材しました!(2025年1月取材)

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大学時代の経験について

駒澤大学への進学を決めた理由を教えてください。

テレビで拝見した駒澤大学の先生の姿に強く惹かれたことが、進学を決めた大きなきっかけでした。テレビの中で政治について熱心に語る姿を見て、この先生から直接学べたら面白いだろうなと。実際にその先生は政治学の専門で、私も法学部で学ぶことができました。

学生時代はどのような活動に力を入れていましたか?

政治学のゼミで、フィールドワークを中心とした活動に打ち込みました。入学後すぐに授業を受けて、この先生の下で学びたいという思いが強くなり、1年生からゼミに参加させていただきました。先生は「勉強も大事だが、現場に行って、自分で話を聞いて感じることが大切」という考えの方でした。

ゼミでは文献研究だけでなく、現場での取材や、他大学とのディベート大会など、アウトプットを重視した活動が多くありましたね。早稲田大学、慶應大学、明治大学といった大学との合同ディベート大会では、2ヶ月かけて準備を重ね、真剣勝負で議論を戦わせました。朝から終電まで大学にいて、仲間と議論を重ねる充実した日々を過ごしました。

テレビ局への入社と記者への転身

放送業界を志望したきっかけを教えてください。

ゼミの活動を通じて、テレビ局の世論調査の手伝いをする機会があり、自然とテレビ局が身近な存在になっていきました。就職活動が始まる頃、先生から「パネルディスカッションやディベートを見ていても口が達者だから、アナウンサーを受けてみてはどうか」とアドバイスをもらいました。

入社後はアナウンサーとして配属されましたが、もっと取材の現場に出たいという思いが強く、約10年でアナウンス室を離れ、報道部門へ異動を希望しました。それは単なる部署の移動ではなく、自分の志向に正直に向き合った選択でした。

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独自性を強みに ーテレビ東京という場所

テレビ東京の特徴について教えてください。

テレビ東京はキー局の中でもコンパクトな規模を活かして、若いうちから様々な仕事に挑戦できる特徴があります。入社2年目で朝の番組のレギュラーを担当し、3、4年目には「ワールドビジネスサテライト」のサブキャスターも経験させてもらいました。その結果、入社して間もないうちに自分のやりたいと思っていたことを実現できたと感じています。

また、経済報道に強みを持つ局として、他局と同じことを追いかける必要がないという独自のポジションがあります。視聴率は高くなくても、企業の方々から信頼を得られているのは、そうした独自路線を貫いてきたからこそだと感じています。予算が限られているからこそ工夫が生まれ、それが「テレビ東京らしさ」につながっているんだと思います。

現在の仕事の進め方について教えてください。

現在は週2回、朝5時45分からの経済ニュース番組を担当しています。深夜1時に起き、2時30分には出社して、証券会社やアナリストなどゲストとの打ち合わせや、放送内容の確認を行います。7時の放送終了後は、企業への取材や配信番組の収録など、様々な仕事をこなしています。とくにその後に何もなければ午前10時30分頃に帰宅します。

フルフレックス制を活用し、月の所定労働時間の中で柔軟に仕事を組み立てています。朝の番組の後に地方取材で出張することもあれば、配信番組の収録に1日使うこともあり、1本の撮影に2時間ほどかかり、それを3本撮ることが通常です。また、特に予定のない日は、溜まった仕事を整理する時間に充てることもあります。現場に出ることを大切にしながら、メリハリをつけた働き方を心がけています。

現場で培った経験と価値観

印象に残っている取材経験について教えてください。

災害報道の現場で学んだことが数多くあります。特に東日本大震災の取材では、「かわいそうな人を探して伝える」という従来の報道の在り方に疑問を感じました。その代わりに「今、何が必要か」を徹底的に聞き続けました。

被災者の方々が家族や友人に向けて画用紙に「無事」と、安否を書くメッセージを放送するなど、新しい形の報道に取り組みました。東日本大震災での取材で経験したことを、熊本地震や伊豆大島の災害に活かすことができ「役に立てるかもしれない」という思いがこの頃から芽生え始めました。

現在は経済分野の取材が中心ですが、ここでも独自の視点を大切にしています。大企業の注目されていない事業や、スタートアップ企業の挑戦を取り上げることで、新しい可能性を応援する報道を心がけています。

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後輩へのメッセージ

今の若い人たちは優秀で、問題意識もはっきりしています。だからこそ、企業に合わせようとするのではなく、自分の強みを大切にしてほしいと思います。ただし、その強みを、自分にしか語れない言葉で言語化できるようにしておくことが重要です。

そのためには、「なぜ自分はこの仕事がしたいのか」「なぜこのことが好きなのか」など、「なぜ」を追求し続け、自分と向き合う時間を持つことをお勧めします。その過程で思い出す様々なエピソードが、自分らしさを語る重要な素材になります。面接では一般論ではなく、自分の具体的な経験を語ることが大切です。それこそが、相手の興味を引き、対話を生む原動力になるのだと思います。

おわりに ~インタビュアーの感想~

「現場」を重視し、強い責任感と明確な目的意識を持って突き進む大浜先輩の姿勢に、私たちは深く感銘を受けました!
特に東日本大震災の際には、従来の報道の形にとらわれず、被災者のニーズに応える新しい報道の在り方を模索されました。取材対象者や視聴者を第一に考え、現場での取材を重視する姿勢は、私たち3人に深い感銘を与えました。また、努力を楽しむ姿勢と、自分の信念に基づいて行動する強さを持ち合わせた方であることが印象的でした。

(3年 若山)

就職活動の真っただ中で悩むこともありますが、「企業に合わせようとするのではなく、自分の強みを大切にしてほしい」「強みを自分にしか語れない言葉で言語化してほしい」という大浜先輩の言葉を胸に、しっかりと自分と向き合っていこうと思います。

(2年 指村)

私は時に思い立ったらすぐ行動してしまう傾向がありますが、大浜先輩の姿から、伝えることへの行動には責任感と強い信念が必要だと気づきました。今後、伝えることを仕事にしていく中で、自分の力を信じながらも、よく考えた上で発信できる人になりたいと思います。

(2年 若田)

1年生での入ゼミや朝から晩までゼミ活動に打ち込まれた経験、アナウンサーから報道部門への異動など、大浜先輩の選択には常に揺るぎない信念が感じられました。就職活動では、自分の強みや個性を大切にしながら社会に貢献できるよう努力し、他者に良い影響を与えられる存在を目指していきたいと思います。

[著]・[聞]
経済学部現代応用経済学科3年_若山穂乃佳
文学部社会学科2年_指村沙耶花
グローバル・メディア・スタディーズ学部グローバル・メディア学科2年_若田嘉生
[写]
キャリアセンター_山口魁紀

※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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本記事関連リンク
株式会社テレビ東京
駒澤大学法学部法律学科
配信チャンネル『テレ東BIZ』内で大浜先輩が担当されている「円卓コンフィデンシャル」。
最新コンテンツが採用担当者とのディスカッションとのことですので、卒業後を考えるきっかけに是非ご視聴ください!
円卓コンフィデンシャル 
※有料配信サイトですが1週間は無料視聴が可能です。

襷~先輩の足跡~