学長メッセージ―後期授業withコロナへの激励と支援について―

Date:2020.09.16

在校生・保証人の皆様へ

駒澤大学長 長谷部 八朗

今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大およびその防止のために取られたさまざまな自粛要請や制約により甚大な影響を被られている在校生・保証人の皆様、また、今年7月の記録的集中豪雨及び9月の台風襲来により被災された皆様方に、衷心よりお見舞いを申し上げます。

<前期の総括>
今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言並びに行動自粛要請の下、駒澤大学でも「三密」を回避するため、「前期」は学生の皆さんの大学への入構を制限し、オンラインを基本とした授業を展開せざるを得ませんでした。また、正課のみならず課外活動についても、大幅な活動制限を行ってまいりました。これらは、皆さんの安全を第一に考えた末の苦渋の選択ではありましたが、一人で学修を続ける在校生の皆さんの孤独や不安を想像し、また、ご心痛を余儀なくされた保証人の皆さんのお心を察すると、私も慚愧の念に堪えぬ日々でございました。

前期のリモート授業は、LMS(教育支援システム)を用いた、①毎回の授業内容をまとめた教材と資料を配信する形態、②オンデマンドで毎回の資料・教材を配信するとともに音声付きでいつでも受講できる形態、そのほか、③Google Meet等を利用したテレビ会議方式を用いた形態に、大別することができます。教員にとっては慣れないリモート教材作りや配信であり、学生の皆さんは受信環境整備から始まり受講が大変であったと思います。このような学修状況については、意識調査を行い、後期に向けて改善改革をする必要があります。
そこで、前期の学修実態を把握するため、駒澤大学では、全学部生を対象に、8月末を締め切りとした「オンライン授業(前期)に関するアンケート調査」を実施いたしました。アンケートの回答からは、資料・教材だけを配信する授業よりオンデマンドでの配信授業やWeb会議システム等を用いた授業の方が、学修効果が高く、自分に力がつくと感じている人が多いことが分かりました。不必要になった通学時間の活用、また繰り返し学習ができることが、良い効果の理由として挙げられると同時に、多くの科目でレポート等の提出が求められたため、スケジュール管理が大変だったと感じている人も多くいたこと等がわかります。とはいえ、同級生同士の会話など、触れ合う機会がほとんどなかったため寂寥を感じる人もかなりいました。詳細な調査結果については、現在分析を進めている最中ですが、先生方と情報共有して、今後の授業実践に活用したいと考えております。とりわけ、新入生の皆さんは、健康診断を除き大学構内への立ち入りもできていない人が大半であったと思うと、心痛の限りです。

<後期授業の開始にあたって>
さて、本日9月16日より、後期授業が開始されます。後期の授業は、7月14日にKONECOでお知らせしておりますとおり、オンラインを原則としますが、一部の少人数科目(40人以下のクラス)については、オンライン授業と同時に徹底した感染防止対策を講じた上での対面授業も併用し、学生自身が受講形式を選べるようにしております(対面授業の場合、通学の強制はいたしません)。したがって、学生の皆さんは、自らの希望により、すべての科目をオンラインで受講することも、一部の科目を大学のキャンパスにおいて対面で受講することも可能となります。出席する対面授業の前後の時間帯がオンライン授業である場合、オンライン授業を受講できるよう、自習室も用意いたします。貸し出しできるパソコンについては、新たに20台用意しましたが、限りがありますので、できるだけご自分で用意してください。なお、授業実施方法の詳細については、科目担当教員より連絡がありますので、必ずご確認いただき、後期の授業に向けて準備を進めてください。

少人数とはいえ、構内に学生の皆様が入り、授業のため学内に長時間とどまることもあります。食事については、種月館(3号館)の 「Kitchen 駒膳」を、入場人数を制限して利用できるようにします。また、証明書の発行や届け出などの事務的な手続きや教務部・学生部等への各種相談については、入場制限を行わないことにします。図書館の利用制限も少し緩和しましたが、今後も状況をみながら対処していく予定です。正課外のクラブ活動等についても、部長・監督の責任のもと、定められた条件を満たせば、一定範囲での活動規制の緩和をいたします。詳細は、大学ホームページ等からお伝えします。状況により、変更することもありますので、大学からの情報をしっかりと受けとめ、コンプライアンスを重視して活動してください。

後期に入って、徐々に大学内外での活動緩和が可能となったのは、前期の皆さんのご協力により、駒澤大学で新型コロナウイルスのクラスター感染がなかったこと、また毎日報道される新型コロナウイルスの感染状況を冷静に判断してのことです。したがって、状況が変われば、臨機応変に学生の皆さんや教職員の安全を図ることになります。
対面授業の一部開始により、キャンパス内での交流が活性化し、大学生らしい生活も少しずつ取り戻すことが可能となると思います。しかし、これを続けていくためには、「徹底した感染防止対策」について、学生の皆さんのご協力が必要不可欠です。気を緩めてしまえば、元の木阿弥です。いや、それ以上に入構制限等を再開して、保健所の指導にとどまらず、大学の活動を自粛せざるを得ない場面も想定されます。

〈激励〉
学生の皆さんには、ご自分のためにも、他の学生の大学生活確保のためにも、しっかりと「駒澤大学新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を守り、「ウィズ・コロナ」の社会であることを認識し、「節度ある新しい生活」を自ら創造構築し、大学生活を大切にされること、切に祈っています。大学としましても、できる限り対策を取り、基盤となる「授業」や「諸活動」等について、状況の変化を踏まえつつ、最大限の提供ができるように努力して参ります。

最後に重ねて、後期において、皆さんが感染防止に努めながら、健康で実りある学生生活を過ごされますよう、心より祈念いたします。

学長メッセージ―後期授業withコロナへの激励と支援について―