学長メッセージ― 新型コロナウイルス感染症対応におけるオンライン授業の現状と展望―

Date:2020.06.08

在校生・保証人の皆様へ

駒澤大学長 長谷部 八朗

この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止対策により多大な影響を被っている在校生・保証人の皆様に、まずは衷心よりお見舞いを申し上げます。世界各国で、また各界各方面で、この事態の早期解決に向けて、多くの方が英知を働かせ、力を合わせています。現段階では、我が国での感染症の拡大は落ち着きを見せており、政府の緊急事態宣言は首都圏でも一旦解除され、東京都は感染症の防止と経済・社会活動の両立を図るロードマップを示しています。

駒澤大学では、在校生の多くが居住・通学する1都3県での感染状況を見ながら、現在、学生の大学への入構を禁止し、オンライン授業を展開しております。また、感染拡大の第2波が想定されるなかで、学生の皆さんの安全を第一とし、急遽の授業計画変更により学生の皆さんに不利益が生じないよう、令和2年度前期の授業についてはオンラインでの実施を基本とし、7月31日~8月6日に予定した前期定期試験は中止としております(授業内で試験を実施する場合はあります)。

大規模なオンライン授業の実施は、本学にとって初めての取り組みとなりました。授業開始当初は、オンラインツールの操作等に関わる事情もあり、一部授業において混乱が生じておりましたが、授業の質を維持し、皆さんが安心して授業を受けることができるよう模索を続け、授業回数を重ねるなかで一月が経ち、徐々に混乱は収まりつつあります。

また、オンラインでの授業には、学習環境の整備も必要となります。本学では、学生の皆さんが受講環境・通信環境の整備費用等に充てられるように、駒澤大学独自の経済支援策として、5月1日、学生1人あたり5万円の「緊急修学支援金」の給付を決定いたしました。この特別奨学金(緊急修学支援金)は、5月12日よりオンライン申請で受付を開始しており、5月17日までの申請完了者10,312人に対しては5月20日、5月18日~31日の申請完了者2,578人に対しては6月8日に、振込給付いたしました。現在も未申請の方の申請を受け付けております。
さらに、政府も「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』を創設しました。大学を通しての申請が必要となりますので、詳しい情報はKONECOやHPでご確認ください。

このように、本学は現在、オンラインでの学習・学生生活を基本としております。しかし、大学での学生生活では、キャンパスライフを通じた授業外での経験も重要であると思います。本学でも、感染拡大防止に十分に配慮しながら、図書館や自習室、教場などの大学の施設・設備を順次安全安心に使用できるように、新たなガイドラインを制定しました。詳細は追って皆様にお伝えいたします。

皆さんも、一刻も早くあるべき学生生活を取り戻すため、日常生活において、いわゆる三密の回避、複数人での会食等の自粛など、大学生として責任ある行動を取っていただくようお願いいたします。

駒澤大学では、新型コロナウイルスとの共存やポスト・コロナの時代を見据えた新生活様式を踏まえたうえで、「高等教育のあり方」「大学のあり方」についても、学内の意見や知恵を結集し、学生の皆様の声に充分に耳を傾けながら、未来構想を描いていきます。

駒澤大学のスローガン「しなやかな、意思。」は、今こそ重要なものとなっています。日常とは全く異なる緊急事態にあっても、人間として、また学生としての本分を忘れることなく、他者と共により良い学修環境を形成し、自らを高める努力をされることを心より願っています。

学長メッセージ― 新型コロナウイルス感染症対応におけるオンライン授業の現状と展望―