銀行の社会的役割について ―現代マネジメントⅠ―
駒澤大学経営学部には、ビジネスの現場で活躍される方から業界や働き方を直接学ぶ「現代マネジメントⅠ」が開講されています。
2025年5月13日の「現代マネジメントⅠ」は、銀行業界がテーマです。今回も経営支援NPOクラブ様のご協力を得ての講義でした。千葉銀行でご活躍された関根 秀幸 氏と、前回に引き続き杉田 一志 氏が登壇されました。はじめに杉田氏は、経営理論に関する講義を行い、企業が置かれる環境によって競争の形が異なることを踏まえて、自分に合った企業への就職の重要性について語られました。
関根氏は千葉銀行で支店長を4店舗、また人事部や法人部などの主要部門を経験され、ちばぎんリースでも勤務された実績をお持ちです。今回のご登壇のきっかけについて関根氏は、「ライバルが駒澤大学出身だったから」とお話しされました。講義では、銀行の社会的役割--資金の流通、決済サービスの提供、信用の創出、リスク管理、経済政策の実行支援--について、ご自身の経験を交えながらその重要性をリアルに語られました。
銀行員は、出向や配置換えなどの異動が多いため、さまざまな取引先と仕事をすることになります。そのひとつが、ゴルフ場の袖ヶ浦カンツリー倶楽部との取引でした。千葉銀行を定年退職後、同ゴルフ場の取締役総支配人を任された経験もお話しくださいました。
「銀行での責任の重い仕事環境で鍛えられ、より広範な知識や信頼性の高い人脈、強い指導力など、問題解決力が身についてきた」と、経験を通じて学んだことの意義を語られました。
学生からは、「半沢直樹のような話は実際にありますか?」という質問が上がりました。関根氏は「もっとすごいこともあります。しかし、力を合わせて働く者同士が集まった職場なので、描かれたような派閥争いはありません」と答えました。また、「最近の学生や社会人についてどう思いますか?」という質問には、杉田氏も関根氏も「非常に真面目な印象を受けます。これを強みに変えていってほしい」と答えられました。
感想には「企業競争の型について知ることで、その企業や業界の理解が深められると感じた」「私の父も銀行員で、今回の講義は参考になった。責任感を要求される仕事だと感じた」といった感想がありました。
置かれた環境は異なりますが、非常に力強いお話を聞くことができました。どうもありがとうございました。
(H.K.)