ポイントのしくみとその業界と仕事についての入門的な知識 ― 現代マネジメントⅠ
現代社会には、さまざまなお得な「ポイント」があふれています。企業は独自の「ポイント・プログラム」を導入していますが、それはなぜ存在するのでしょうか。
7月1日の「現代マネジメントⅠ」では、NTTファイナンス株式会社の山本知己氏をお招きし、「ポイントのしくみとその業界と仕事についての入門的な知識」と題してご講演いただきました。
山本氏はまず、「なぜポイント・プログラムが普及したのか」という問いから解説を始めました。ポイントは次回の購買時まで使用できないため、顧客の囲い込みという目的がすぐに思い浮かびますが、それだけではありません。売上高を維持しながら、実質的な割引としての機能を持たせられる点も企業にとって大きなメリットであると説明されました。
さらに、ポイント制度を支えるキャッシュレス決済の普及についても触れ、これは単に顧客の利便性向上のためだけではなく、入金から使用までの流れを自社グループ内で完結させられる点や、現金を扱う場合に発生する管理コストを大幅に削減できる点にも大きな意味があると語られました。
近年、みずほ銀行と楽天グループの提携、NTTとSBIホールディングスの連携など、金融業界における大きな再編の動きが報道されています。何が起きているのかの最新動向についても、山本氏はリアルな視点から分かりやすく解説してくださいました。
講義の終盤では、学生から「山本様にとって『優秀な人材』とはどのような人ですか?」という質問が投げかけられました。これに対し山本氏は、「腰が低く、誰とでもコミュニケーションが取れる人です。多くの人が言っているように、コミュニケーションは本当に大切です。そして、無理をせず、可能な範囲で自分に責任を持つこと。それがさまざまな現場で求められています」と答えました。
講義終了後も、学生からの個別質問が相次ぎ、関心の高さがうかがえました。また、学生から寄せられた感想には、「ポイント・プログラムやキャッシュレス決済の普及が、企業戦略と深く結びついていることを理解できた」「物心ついたころにはキャッシュレス決済が当たり前だったが、今回の話を通じてその普及の背景や今後の展望について新たに知ることができた」といった声がありました。
貴重なご講義をありがとうございました。
(H.K.)