マネジメント検定試験(Ⅲ級)

2024年6月15日~7月31日に実施された第43回マネジメント検定試験(Ⅲ級)に経営学部のゼミ生たちも受験しました。マネジメント検定 (mqt.jp)(旧経営学検定試験)は、経営能力開発センターが日本マネジメント学会(旧日本経営教育学会)や経営学検定試験協議会の支援で2003年に開発したもので、現在は一般社団法人日本経営協会が主催して実施しています。Ⅲ級試験は大学生や新入社員に経営学の基本的かつ総合的な知識を問うものとして定評があります。

 Ⅱ級やⅠ級は社会人向けのより高度な試験ですが、Ⅲ級は大学生が初めて経営学を勉強する際の一つの目標となるものです。それほど難易度が高いわけではありませんが、『マネジメント検定試験公式テキスト(Ⅲ級) 経営学の基本』という300ページほどのテキストでの準備が必要です。

 このテキストは2003年に初版が出てから、何度も改訂されてきました。2023年に改訂された現在のテキストは5部からなり、第1部は企業論がテーマで、企業形態論、企業統治、日本型企業システムなどが扱われています。第2部は経営戦略論、第3部は機能別戦略論(マーケティング・研究開発と生産・財務)、第4部は人的資源管理論・組織構造論、第5部は経営管理論・経営組織論がテーマとなっています。現代のマネジメントが理論でも実務でも戦略論を中心に発達していることが本テキストの特色にもなっています。とはいえ経営学の学説史に必ず登場するテイラー、ファヨール、バーナード、サイモンの初歩的な理論やリーダーシップ論、企業文化論などが第5部で扱われ、バランスがとられています。

 経営学はジャングルと呼ばれるほど多様な見方ができますが、その広さと多様性を見通す一つの入り口として本テキストの勉強の意義があるかもしれません。本テキストの学びを通じて大学生が企業とは何か、経営とはなにかを見る枠組みが養われことが期待できます。

 Ⅲ級試験は50問あり、四肢択一の試験で60点が大よその合格ラインです。2020年度からはCBT方式(コンピュータを利用した試験)で身近な会場で受験できるようになりました

 以下、合格者から寄せられた体験記を掲載します。

<第43回 合格体験記>

経営学部経営学科2年 佐々木鈴

埼玉県立大宮光陵高等学校出身

 ゼミに入る前、この検定の内容は1年生の経営学基礎の授業より遥かに内容量が多いということだけ聞いてきました。そのときはまだ詳しい内容が分かっていませんでしたが、2年生になりマネジメント検定のテキストを読み進めていくのと同時に、自分で選択した専門科目(経営労務論、経営戦略論、経営財務論、マーケティング論など)の授業を受けると、これらの内容が、検定の内容と重なっていることに気付きました。この検定に受かれば、経営学部専門科目の土台ができ、今後様々な授業が受けやすくなるだろうと思い、それをモチベーションに勉強に取り組みました。結果、経営学を総合的に学んで知識をつけられたことは自分の自信につながり、今後社会に出て、会社に勤める際にも役立つものになると思うので、受けてよかったと思います。

 2023年7月に受験した当時の2年生の合格体験記も遅くなりましたが、以下に掲載します。

<第41回 合格体験記>

経営学部市場戦略学科2年 相田胡桃

中越高等学校出身(新潟)

 村山元理先生の村山ゼミのもと、試験対策の勉強会は4月から始まった。教科書をまとめ、全員の前で発表を行うことを中心に行った。問題を出し合って回答するなど、団体戦での勉強会であった。夏休みに入ると個人戦になった。私は、教科書の内容や人物名、単語の意味などを自分で分かるようにノートにまとめた。私は、それを2回繰り返し行った。そして、まとめノートを何度も見返し、分からないところは何度も書いて意味と一緒に理解して覚えた。一週間ほどで教科書を2周し、大体の内容を理解して本番に臨んだ。そのため、ゼミで最高得点をとることができたと思う。 マネジメント検定Ⅲ級は、経営学検定において決して疎かにしてはいけない基礎知識だと思う。きちんと勉強しないと合格できないが、難しすぎるということではない。教科書を反復して内容の理解を深め、しっかり復習することは、合格への近道になると思う。

(M.M.)