経営学部のゼミ企画紹介「日本経済史街歩きツアー:東京駅編」(後編)

(前編はこちら。)

211206nakamurazemi⑧.JPG

 京橋交差点から北上して日本橋まで来ました。
 日本橋の「麒麟像」は首都高に覆われてパッとせず,ゼミ生のみなさんの興味を惹きません。首都高が日本橋ごと川を覆って建設されているのはなぜか? 今年度の本ゼミの共同研究は,この問いを大きく包摂するようなテーマでおこなわれています。

211206nakamurazemi⑨.JPG211206nakamurazemi⑩.JPG

 日本橋を渡ると,そこには三越百貨店と三井本館。この辺りは三井の拠点です。日本経済史を勉強してきたみなさんは,ここと丸の内と,どちらが旧い街でどちらが新しい街か分かりますよね? 三井と三菱の新旧だけでなく,前編で紹介した地形が街の新旧に関係しています。

211206nakamurazemi⑪.JPG

 ところで,三越百貨店に貼り付けられているこのプレート。講義ではこのトピックについて少しだけ言及しましたが,ゼミではまだきちんと議論していません。来年度には,何か関連する文献を読みましょうか。

211206nakamurazemi⑫.JPG

 三越百貨店と三井本館に挟まれた道を西に進むと,日本銀行があります。言わずと知れた日本の中央銀行。今度は春休みか夏休みの平日に,予約をとって内部も見学しましょう。今回はこの向かい側にある「日本銀行金融研究所貨幣博物館」で,「お金の歴史」を勉強して帰ります。
 なお,博物館の充実した展示を閉館時間まで見学していたら日が暮れてしまったので写真がありませんが,日本銀行から東京駅までの帰り道の途中,現在進行中の巨大プロジェクト「常盤橋再開発」の現場を見ることができました。これもまた,いずれ東京の歴史になっていくはずです。
 今回は一部有志のみの参加でしたが,全員で街歩きツアーに行ける日が早く来るといいですね。
 次はどの街に行きましょうか。

 以下,参加したゼミ生の感想です。
* * *
 今回東京駅周辺を散策して様々な発見があった。まず過去の江戸城の地形が現代の道路の高低差に表れていたのは面白いと感じた。その途中で新宿に移転する前の旧東京都庁跡を見ることが出来たのは貴重だった。また,東京駅周辺の建物はスカイラインが意識されていて,建物の高さに制限があったことも初めて知ることが出来た。東京駅周辺にはほとんど行ったことが無かったので貴重な体験ができたと思う(経営学科3年生)。
* * *
 まず,今回は初めてゼミ見学企画を立てたが,色々考え不足のところがあり,先生のアドバイスやゼミの皆さんからの協力のおかげで無事に成功させた。次に,今回のエクスカーションを通じて様々な建物に関する歴史を学ぶと同時に,ゼミと授業で学んだ抽象的な知識が活用できた。さらに,貨幣博物館で日本の貨幣の変遷を勉強するのはとても貴重な経験ができた(経営学科2年生 ※今回の具体的な企画は留学生であるこのゼミ生が立ててくれました)。