経営学部のゼミ企画紹介「日本経済史街歩きツアー:東京駅編」(前編)

 経営学部・中村(一)ゼミでは,2021年11月23日(火・祝)に「日本経済史街歩きツアー:東京駅編」を実施しました。
 昨年度のゼミ開設以降,新型コロナの影響で一度もゼミ企画を実施できていませんでしたが,「第6波」が来る前に有志だけでも集まって実施しようということで,自由参加・現地集合・現地解散でコンパクトな企画として行いました。初めてのゼミ企画でしたが,天候にも恵まれ,参加したゼミ生にとってはとても良い経験となりました。
 今回は,東京駅周辺の街を歴史的視点で見て回ります。

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 集合場所は東京駅地上「丸の内中央口」改札前。
 「『中央口』という名称だけど,みなさんが出て来た出口は駅舎全体の中央ですか? みんなが出てきたのは向かって左にちょっとズレたところにある小さな出口だよね。なんでちょうど「中央」にみなさんの出口がないの? なんで中央口はあんなに小さいの?」というところから,もう勉強が始まっています。

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 東京駅からもう1問。
 東京駅は超高層ビルに取り囲まれています。写真で向かって右側は東京中央郵便局で,歴史的価値がある局舎の外観だけを残して,後方に超高層ビルを建てる再開発がおこなわれました。でも,東京駅の駅舎上空は広く空いていますよね。JRも日本郵便も民営化の荒波に揉まれて今日に至っていますが,なぜ双方の企業を代表する建築物はこのような対照的な姿をしているのでしょうか? その問いを解くための一つのキーワードは,「空(そら)の取り引き」です。

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 さて,丸の内のオフィス街を歩いていきます。みなさんは普段来ることはない街ですよね。就職活動の時に初めて来てまごつくことのないように,雰囲気に慣れておきましょう。
 とはいえ,この日は休日。ビジネスパーソンの姿よりも,子供連れの家族が目立ちます。実は近年の丸の内がこうした子供連れで楽しめる街になったことと,東京駅や東京中央郵便局をはじめとする丸の内一帯の再開発とは,密接に関連しています。現代日本経済史の課題がここにもあります。


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 丸の内は別名「三菱村」。三菱系大企業の拠点が集積しています。道行くバスのラッピング広告まで三菱です(たまたまです,すみません...)。それはともかく,なぜ丸の内に三菱系企業が多いのでしょうか? 講義とゼミで得た知識を駆使して考えてみましょう。


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 再建なった三菱一号館付近から東の京橋方面を望むと,ちょうどJRの線路の辺りにかけてわずかに地面が下がっていて,その先はわずかに上がっています。この地形の微妙な高低差が,丸の内という街の形成にも,その先に展開する銀座・日本橋という街の形成にも,そして東京駅がなぜ今の場所にあるのかという問いにも関係しています。
 「スト○ートビュー」を漫然と眺めているだけでは,この高低差をうまく読み取れません。現地に直接出向かないと分からないことがあります。依然として油断ならない事態が続きますが,機会を見つけてどんどん外に出ていきましょうね。

(後編に続く。)