第6回学生シンポジウムに経営学部から7チームが参加
11月20日(土)、駒澤大学駒沢キャンパスで第6回学生シンポジウムが開催されました。今回は経済学部、法学部、経営学部の3つの学部17のゼミから37チームが参加し、対面・オンライン併用で行われました。このイベントは経済学部ゼミナール連合会が主催し、駒澤大学、経済学部同窓会が後援するもので、学部の枠を超えた学際的イベントとして認知されています。昨年は新型コロナウイルス拡大の影響で行われなかったため、2年ぶりの開催となりました。実行委員会による入念な感染防止対策の下、それぞれの分科会では活発な議論が交わされました。
まず12時30分の開会式では、学生代表飯牟田雄真さん、大場やすのぶ経済学部同窓会会長、絹川真哉教務部長・GMS学部教授、森田佳宏経済学部長の挨拶の後、当日運営の諸注意を経て、参加者は各会場に向かいました。
経営学部からは菅野ゼミ・鹿嶋ゼミから計7チームが参加しました。その模様は以下の通りです。
1.消費者の傾向がサブスクの利用に与える影響について
【チーム】菅野ゼミ 河村、才本、長谷川
【研究内容】
近年、市場規模を伸ばしているサブスクリプションの利用に、消費者の特性である物質主義と探索傾向がどのように影響を与えるかどうかの研究をしています。
サブスクリプションは、既存研究で取り上げられているアパレルサブスクリプションと違う契約期間、または購買価格をもつ、車と高級バッグのサブスクを対象にしました。
【参加学生の声】
そのほかのゼミからの感想で、ポジティブな感想をいただけたので良かったです。
2.社会的恐怖の知覚が購買意向に与える影響
【チーム】菅野ゼミ(山口、澁谷、水足)
【研究内容】
新型コロナウイルスの恐怖による消費者の購買行動への影響
【参加学生の声】
今まで数回研究発表の機会がありましたが、今回は他学部のみなさんから貴重な意見を頂けて良い経験になりました。ありがとうございました!他のグループの発表もとても興味深かったです。
3.Instagram とファッション
【チーム】菅野ゼミ 佐々木・橋本・伊藤
【研究内容】
私たちは、菅野ゼミの消費者行動論に基づき、「消費者の服の購買行動がどのように行われているのか、またどのように変化してきたのか」について疑問に思い、この研究を行 うことにしました。従来では、ファッション雑誌や店頭のマネキンなどからファッションに関 する情報収集を行っていましたが、最近では SNS が普及したことにより、SNS から様々な情 報を容易に取り入れることができるようになりました。また SNS の中でも Instagram は写真 に特化しており、ファッション関連の投稿も数多くあるため、私たちの服の購買行動に何 かしらの影響を与えているのではないかと考え、この研究を行うことにしました。
いくつかの既存研究から、他者思考を軸とし、Instagramの投稿頻度・意欲との関係性、さらにこれらの関係から服の愛着の変化という観点から5つの仮説を立てました。仮説をもとに調査を進めて行きます。
【参加学生の声】
普段関わることの無い他学部のゼミと交流することができ、非常に充実した会だったと感じます。色々な視点から質問をいただくことができ、参考になる時間だったと思います。また、私たちの研究を聞いていただいた人に、もっと理解してもらえるようなパワポの作成や研究を進めていきたいなと思いました。
4.パッケージからみた男性の美意識と社会
【チーム】菅野ゼミ 篠崎・白井・寺田
【研究内容】
私たちは現在、ジェンダー意識とパッケージによる消費者行動について研究しています。近年、SNSやKPOP、コロナウイルスによる巣篭もりの影響により男性が購入する美容商品や美容に対する意識に変化が見られ、男性美容用品の需要が増えています。加えて若者を中心に性別的役割意識が薄れ、ジェンダーレスが注目を浴びつつあります。私たちは商品の顔となる商品パッケージに注目し、男性化粧品は男性的なパッケージのものが多いと感じたことから、ジェンダー意識が低くなっている世の中で男性っぽいといったジェンダー意識の高いパッケージは受けないのではないかと考え研究しました。具体的にはパッケージの色、フォント、ブランド名の三つに焦点を当て、それぞれの観点から男性的、女性的、中性的なものを自ら作成し、アンケートを用いてジェンダー意識の差によって変化するパッケージによる購買行動を調べます。加えてジェンダー意識が低くなってきている世の中でどのようなパッケージが良いのかという提案を行っていきます。
【参加学生の声】
普段関わることがない他の学部の学生との交流によって、いつもとは違う視点からの意見や考えをいただけたことはとても勉強になりました。また私たちも他の学部の発表を聞き、自分達に取り入れられる内容もあり、とても勉強になりました。また15人程度のグループでの発表だったため意見交換が積極的に行われ、とても充実した会となりました。
5.「ひとり〇〇」をする人の心理
【チーム】菅野ゼミ E班
【研究内容】
世の中に浸透してきた「ひとりカラオケ」や「ひとり焼肉」に代表される「ひとり〇〇」という行動。誰かと共に生きてきたであろう我々人間がわざわざ「ひとり」を選ぶという、不思議な行動「ひとり〇〇」。その歴史や、「ひとりになりたい」という心理を既存研究やデータをもとに考察します。
【参加学生の声】
他の学部と触れ合う機会が無かったので、他の学部のゼミの発表や、他の学部の人の意見、全てが新鮮で刺激的でした。
6.保育士の間で ICT を広めるためには
【チーム】鹿嶋ゼミA
【研究内容】
保育士の労働環境は過酷なものだと聞きます。そこで近年、保育におけるICT化が進められていますが、その実態はどうなのでしょうか。初めに、保育におけるICT化の現状を説明します。現状としては、ICTを保育園に導入しているのは全体の約半分であること、また、ICTを導入しても業務時間の短縮につながらないものも存在することなどが挙げられます。この現状を踏まえて、保育士において導入率を向上させ、保育士の作業を効率化させるために、保育においてICTが有効に働く業務と有効に働かない業務に分け、考えを進めました。そしてそこから保育士の労働環境に適したICTの有効活用を考えました。そこに潜む問題点を抽出し、その改善策を考えることで保育のICT化を促進していきたいと考えています。しかし、保育士がICTを活用するにあたって一定の抑制要因が働いてしまっています。具体的には、ICT導入コストが高いこと、保育士のPCリテラシーが低いことなどが挙げられます。それらの抑制要因に対する改善策を私たちなりにまとめてみました。
以上のことを踏まえ、ICT化の促進によって保育士の労働負担を軽減し、保育士にとってより良い労働環境を構築していきたいと思います。
【参加学生の声】
・他学部の発表を聞くのはシンプルに面白いなと思いました。難しい内容もありましたが、新しい知識、考え方に触れられるいい機会だと思います。
・論点をピンポイントに絞ることをよくアドバイスで頂いていたけれども、論点を絞るときは大きなテーマから調査に入ってその上でピンポイントに絞るという手順がよいのかもしれないと思いました。他のゼミは論点をピンポイントに絞っていて深掘りしている点が良いと思った一方で、論点以外の質問が来た際に答えられませんということが多く感じました。深堀り+広い知識力が大切になるのではと感じました。
・他ゼミの発表内容や雰囲気から、そのゼミが普段どのような活動を行っているのか、どのような空気感なのかを感じ取ることができました。自分自身としては新たな知識の獲得や理解を深める良い機会になったと思います。
・他の学部の学生の発表を聞けたり、質疑応答が出来たことが良い刺激になりました。滅多に他の学生の発表や意見を聞けないので、とても楽しめました!すごく良い経験になりました!
・色んなゼミから多様なテーマがあり、興味深い内容も多かったのでいい経験になりました!
7.地方の雇用政策の有効性について
【チーム】鹿嶋ゼミB
【研究内容】
東京一極集中により地方の労働力不足が問題視されている。その中で地方活性化の雇用政策と聞くと過疎地域を対象とした政策をイメージするが、現状は地方の都会からの人口流出が地方活性化の要因となる。そこで、以下の3つの県について分析することにした。①地方の都市であり、人口の流入が多い広島県、②他県や東京圏への人口の動きが活発であり、小規模ながら人口流入が多くなっている特徴のある群馬県。一方でそれらとは対照的な③地方であり、求人数は多いのに職に対する応募者数や他県や東京への流出が多いという特徴のある富山県。この3県の雇用政策の分析結果をもとに現在の地方の雇用政策の問題点とその解決策について調べる。これらをふまえ、情報のミスマッチを解消した政策を行っている愛媛県の「あのこの愛媛」を例に今後どのような雇用政策を行っていくべきかを考察し、地方雇用政策の有効性について検証していく。
【参加学生の声】
・経営学部として他学部の生徒と分科会を行うことで、普段と異なった思考回路や着眼点を学習することが出来たため、自分たちの成長に繋がったと感じた。
・研究について自分たちでテーマ設定を行い、情報収集を通じてどのようにプレゼンに落とし込んでいくのか、或いはどのような数値やそれに対する論拠付けがプレゼンには必要になっていくかを身をもって学習できた。
・他学部からの質疑応答は、専門分野ではないからこそ自分たちが思いつかないような忌憚のない質問を投げてもらうことで、前提の説明も網羅することがより大切になってくると学習できた。
企画に始まり入念な準備をし実行してくださった経済学部関係者の皆さまに改めて感謝の意を表したいと思います。
(H.K.)