世界を獲るノート;アスリートのインテリジェンス(島沢 優子 著)

眼横鼻直(教員おすすめ図書)
Date:2024.09.01

書名 「世界を獲るノート;アスリートのインテリジェンス」
編著者 島沢 優子著
出版社 カンゼン
出版年 2019年
請求番号 電子ブック
MeL(Maruzen eBookLibrary)
電子ブック利用方法(駒大生専用マニュアル)

皆さんは、ノートに字を書くケースはどのぐらいありますか?

昨今、インターネットの普及や日常的にPCを活用することが非常に多くなり、ノートに向かって文字を書くケースはかなり減ってきているのではないかと思われる。私もその一人である。いざとなった際に漢字が出てこないケースもある。恥ずかしい限りだ。

そこで今回皆さんに紹介したい図書は、『世界を獲るノート』。アスリートはもちろん世界で活躍する指導者の多くはノートを活用してその日の出来事や目標など、重要な事から些細な事まで多くのことを記録に残してきた。字を書く事により、考えが整理され、言語化され、可視化される。多くの成功者の共通点は、『主体性』であり、自分から考えて動くというごくシンプルなものである。これはまさに教育現場においても非常に重要なことではないかと考える。この図書の中には、現役アスリートから現役コーチまでスポーツ現場で戦う方々の脳内ノート力がまとめられており、種目は多岐に渡り、どのような考えでどのような工夫をすれば良いのかが示されている。まさに根性論で追い込む旧来の手法とは、真逆の考えや指導法で成功の道へと導いている。また多くは個人・団体競技に限らず多種目に渡り、指導者として何が必要で、個々をリスペクトする力についても語っている事から、大学においての課外サークルへの取り組みやチームをまとめていく為に参考となると思われる。字を書くことは、その人の性格や感情がそのまま字として現れるものではないだろうか。いわば心に落ち着きを取り戻すためのメンタルトレーニングの一つの手法にもなると考えられる。

私も人生をスポーツに支えられた一人であるからこそ、栄光や名誉、自己実現だけでなく、生きる為にスポーツと向き合ってきた。まさに自分で行動すべきであるし、『主体性』について見つめ直してほしい。最後にスポーツに限らず未来ある全員に読んでほしい一冊となる。

総合教育研究部 准教授 出井 章雅 

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