経営学部のゼミ企画紹介 「資源再生工場と里山を体感するコース」に参加

 経営学部・村山ゼミ(「企業と社会」の研究)では,感染対策を十分にしたうえで、2022年8月8日(月)~9日(火)にゼミとして初の夏合宿を実施した。参加者は25名であった。

 8月8日(月)には、産業廃棄物の中間処理施設を行う企業として著名な石坂産業(埼玉県入間郡三芳町上富)を訪問し、最先端の再資源化工場を見学できた。同所は二代目の社長である石坂典子さんが30歳で2002年に社長となり、ダイオキシン問題で企業存亡の危機からの再生事例として著名である。また同所は会社に隣接する里山の再生保全の事例としても有名である。そこに至った背景として、工場周辺の道路の清掃を地域に受け入れてもらうため、ボランティア清掃として行っていたが、隣接する森のゴミが不法投棄されていた森林地帯の清掃から、里山の再生へとつながった。環境問題を考えるうえで教育機関などから注目を浴びている同所には年間5.5万人が参観するという。

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 今回の参観では、「資源再生工場と里山を体感するコース」の2時間コースを選択。スタッフから地球のゴミ問題に関する映像を見せてもらい、環境問題の深刻さやゴミをゴミとしない取組みなどの概要を学ぶ。リサイクルだけでなく、リジェネレーション(再生)がキーワードとなっていた。石坂産業では、建設混合廃棄物(土砂系混合廃棄物)をメインとして、分別・仕分けし、中間処理の流れ(破砕・圧縮・減量化)での再資源化率は98%であり、2%が埋め立てたり、最終処分場に送られる。

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 2班に分かれて、資源再生工場の3つのプラントを見学した。住宅のゴミには庭石もあり、その石が会社の庭に利用されていることから学ぶ。そして、処理施設に入り、実際にはゴミの分別は目視による手選別のラインが幾度もあることが分かった。電気で動くショベルカーは業界初だという。業界の常識を超えて、可視化のための様々なプランコースが設置されている。学生たちは熱心に参観できた。

 処理施設の見学の後は、隣接する里山を見学し、質疑応答の時間もあった。真夏の暑いなかで、アイスクリームは最高だった。 スタッフは4名がアテンドされて、危ないことが無いよう守ってもらいました。女性スタッフの皆様ありがとうございました。私たちには得難い体験でした。

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 参加した学生さんからの感想文が届きました。以下紹介します。

 『私たち村山ゼミ 2、3、4 年生合同で石坂産業へ見学しにいきました』

経営学部経営学科2年 栗原駿太

 石坂産業さんはゴミの減量化・再資源化率 98%という、業界トップクラス水準の技術を誇っています。ごみの重さを量り、風力を使ってどう飛ばせば、正確に分別できるのか。そんなふうに、一つひとつ試行錯誤しなが ら、独自の装置を設計。どんなごみでも、再び価値ある資源へと変えてみせる。再資源化率 100%に向けて、飽くなき挑戦を続けています。 

 ですが建設当初は苦労が沢山あり、近くの住民から腫れ物扱いされていました。しかし近くの山のゴミの清掃など自主的に行い、更には工場の内部を公開し見学する人が現れ始め周りの住人達は石坂産業に対して偏見の目を無くしたという過去がありました。

 見学の際一番最初にビデオを見ました。石坂産業の業績、事業内容などが流れた後、フィリピンの映像が流れました。そこには大量に積まれた分別されてないゴミの山がありました。そこのゴミ山にはお金になる物を探しに子供が沢山いました。私はその映像 を見た瞬間ショックを受けました。発展途上国であるフィリピンの裏側はこんなにも酷いものだと。

 業界トップクラス水準の技術を持っている石坂産業さんであればこの現状を変えれると思いましたが帰ってきた答えは難しいとのことでした。まずゴミに対する考え方が日本とフィリピンでは違うからのことで、日本では燃えるゴミ燃えないゴミのど分別してますが、フィリピンにはゴミはゴミという認識しかないので石坂産業さんがフィリピンのゴミをリサイクルする事は難しいとのことでした。

 工場内部は手作業でゴミを人間が分別したり、人が機械を使いゴミを細かくしたり、AI の力を借りて分別していました。全て AI がやってるものだと思っていましたが、人が手作業でやってる姿に驚きました。AI と人とでは作業効率に差があり、1 秒間に分別できる量は人間の方がAI より 2.3 倍上だとの事でした。

 石坂産業さんで学べたことはゴミの知識や工場の構造だけではなく、ゴミに対する価値観が変わりました。日頃から出るゴミ経年劣化して出るゴミ、これらを日本では抱えきれないのでまずは個人でゴミの排出量を減らしたいと思いました。 (以上)

(M.M.)