新入生セミナー×現応ラボ企画 「卒業後の仕事とキャリア形成について地域の視点から考える」開催報告
7月4日(木)、経済学部現代応用経済の「新入生セミナー」講義にて、現代応用経済学科ラボラトリによる企画「卒業後の仕事とキャリア形成について地域の視点から考える」を実施しました。
一年生の早い段階から、身近な地域と関わる行政・金融機関・中小企業で働く実務家によるご講演を聴講することにより、大学卒業後の仕事の一つの選択肢として地域密着型の仕事・ビジネスのあり方を知るとともに、自分自身のキャリア形成について考えるまたとない機会となりました。
当日はゲスト講師として下記の皆様にご登壇・ご講演いただきました。
世田谷区 経済産業部 経済課 係長 | 山本 隆康 氏 |
世田谷区 保健福祉政策部 保健福祉政策課 臨時特別給付担当係員 | 山﨑 恵 氏 |
昭和信用金庫 事業支援部 部長 | 水上 浩介 氏 |
昭和信用金庫 明大前支店 渉外役席 | 新井 雄太 氏(駒澤大学卒業生) |
一般社団法人東京中小企業家同友会 事務局次長 | 大西 昌典 氏 |
株式会社コンピュータネットワーク 代表取締役社長 | 羽石 芳水 氏 |
以下は、現代応用経済学科ラボラトリ学生広報委員の高野峻矢さんによる当日イベントの報告です。
<第一報告>
世田谷区 経済産業部 経済課 係長 山本 隆康 氏
世田谷区 保健福祉政策部 保健福祉政策課 臨時特別給付担当 係員 山崎 恵 氏
世田谷区役所の仕事として福祉、介護、健康保険、環境・緑化、公園整備、まちづくり、ごみ、産業進行など、広範囲に及ぶ行政サービスを、最も身近な存在として、地域の特性に基づいて進められていることが理解できました。経済産業部については若い世代に事業者とのつながりに興味を持ってもらうために「SETAGAYAPORT(世田谷ポート)」という、20~40代を軸に多様な世代・業種が異業種の方々が継続的に交流することができるプラットフォームが創出されたことが印象に残りました。また、保健福祉政策部については近年次々に進められる各種臨時特別給付にスピーディに対応する難しさややりがいについてもお話しいただきました。
私は、世田谷区や区の職員の方々の仕事にはあまり興味がなく、そのやりがいや面白みなどについてはあまりイメージすることができませんでした。今回、第一線で活躍される世田谷区役所の方々の話を聞いて、区役所・行政の仕事の特徴は総合的な能力をフルに発揮する必要があること、多様な利害関係者との調整が必要になること、世田谷区という地域を「より良くしよう」と一生懸命に働いていらっしゃる方々の存在の重要性を理解しました。
<第二報告>
昭和信用金庫 事業支援部 部長 水上 浩介 氏
昭和信用金庫 明大前支店 渉外役席 新井 雄太 氏(駒澤大学卒業生)
昭和信用金庫は銀行とは異なり、非営利の協同組織です。銀行は営利目的の株式会社組織です。信用金庫の営業エリアには制限があります。また、貸出先についても信用金庫では会員向けの融資しか実施できません。同じだと思っていた信用金庫と銀行には様々な違いを理解することができました。また、信用金庫に特有の地域密着型の事業承継支援、経営再生支援、人材確保・育成支援、IT・DX支援などといった様々な課題解決支援事業・活動についてお話しいただきました。
私は駒澤大学の先輩である新井雄太さんが話された「仕事で大切なことは誠実な対応」という言葉が大変印象に残りました。「誠実な対応」とは、例えば約束を守る、様々な期限をしっかり守る、ごまかさないということなのですが、これは仕事だからというだけではなく、人間同士の信頼関係を作るときに一番大切なことだと感じたからです。自分自身の就職に際して、意識して行動の基準にしようと思いました。
<第三報告>
一般社団法人東京中小企業家同友会 事務局次長 大西 昌典 氏
株式会社コンピュータネットワーク 代理取締役社長 羽石 芳水 氏
中小企業家同友会は向上心ある経営者が集い・学び合いながら社員の幸せと企業の成長を共に目指す、全国規模の任意団体です。東京中小企業家同友会の会員企業は約2,300社、全国では約47,000社もあるそうです。仕事を通じた人生のあり方について、様々な仕事で社会を支える中小企業も含めた広い視野から選択してほしいというエールを受け取りました。
続いて登壇された東京中小企業家同友会会員企業の株式会社コンピュータネットワークは社会インフラシステムを開発し支える、「なくてはならない企業」です。同社の沿革や多様な業務内容に加え、経営者・社長はどんな仕事をしているのかについてもお話しいただきました。
私は情報通信系の企業であるコンピュータネットワークにおいて、「就職している割合は文系のほうが多い」という実態に驚きました。私には「IT系はパソコンをずっと使用し、難しい数式や専門的なプログラムなどを使用する」というイメージがあったので、文系学部の学生が情報通信産業やIT企業に進む経路は存在しないと思っていました。同社は社内教育制度なども充実しているそうで、自身の進路の選択の幅も広がったように思いました。また、困難な課題に立ち向かう姿勢やコミュニケーション能力という学生に望む基本的な能力や姿勢についても学ぶことができました。