駒澤大学文学部社会学科社会学専攻

教員紹介

  1. 業績紹介教授片岡 栄美(かたおか えみ)

    ●文化社会学 ■現代文化の社会学

    片岡 栄美 文化的嗜好や教育は、人生にどんな影響をもっているでしょうか。例えば私は音楽や美術、植物が好きです。好きなものを求めて都会の喧騒を離れることで、また海外生活との比較の中で、あたりまえだと思っていた日本社会が違って見えてくることがあります。みなさんも身の回りの文化現象にぜひ眼をむけて、社会学を実践してみてください。ゼミナールは、皆わきあいあいで、ふだんの学習のほかに、共同調査研究を積極的に行っています。

  2. 業績紹介教授松信 ひろみ(まつのぶ ひろみ)

    ●家族社会学/ジェンダー論 ■女性のエンパワーメントと家族関係

    松信 ひろみ 日本は先進国の中でも男女の格差(ジェンダーギャップ)が大変大きく、それは社会としてのみならず、家族関係、夫婦関係にも現れています。私は、男女の格差をどうすれば少しでも縮小できるのか、女性のエンパワーメントという観点から、特に夫婦の役割関係とパワー関係に焦点をあてて、調査・研究を行っています。
      また、世界的にみると、夫婦は男女という異性のカップルに限定されるものではなくなっており、そうした多様なカップル関係を含めた家族のありかたにも関心を持っています。
      ジェンダー平等は、SDGsの重要なゴールの一つであり、SDGsの前文にも「ジェンダー平等」や「だれひとり取り残さない」ことが指摘されているように、社会問題を考えるにあたり、「ジェンダー」や「多様性」という観点は今や必須であるといえるでしょう。

      

  3. 業績紹介教授山田 信行(やまだ のぶゆき)

    ●労使関係論 ■いまどきの若者と労働

    山田 研究のために日本内外の調査をすることが多く、その結果すっかり旅行好きになりました。飛行機に乗るのも好きなのですが、やはり鉄道旅行が好みです。新幹線も悪くありませんが、ローカル線にのんびりと乗っていると癒されます。若いころは、「青春18きっぷ」もよく利用しました。もっとも、最近では体力も衰えてそれもままなりません。若い学生のみなさんからパワーをもらって、もうひと頑張りしたいと思います。

  4. 業績紹介教授李 妍焱(り やんやん)

    ●市民社会論/ソーシャル・イノベーション論 ■地域プロジェクトと市民的コモンズ

    李 小学校5年生の時にテレビで聞いた日本語の歌が歌いたいだけの理由で外国語学校に進学し、大学も日本語学科でひたすら「日本」について学びました。来日し大学院で社会学を専攻したときに、子どもたちのキャンプ活動のボランティアをいきいきと楽しんでいた居酒屋の店主に出会い、ボランティアという生き方の面白さと輝きに惹かれ、NPO/NGOなどの市民セクターの研究を始めました。中国と日本の間の「境界人」として、激しい時代の変化を人一倍実感し、一人一人の生き方がどのように時代の波動に影響されながらも歴史を作っていくのかに、深い関心を寄せています。1つの歌や1つの出会いで人生が大きく変わる、そのような不確かさこそが、自由と可能性と輝く機会をもたらしてくれます。学生の皆さんには、現代社会の「不確かさ」を楽しみ、仲間とコミュニティを持てる大人に成長してほしいと考えています。

  5. 業績紹介教授深澤 弘樹(ふかさわ ひろき)

    ●メディア・コミュニケーション論 ■メディアによる社会的現実の構築

    深澤 私は地域メディアで19年間働いたのち、研究者の世界に入りました。特にアナウンサー生活が長く、18年間ニュースやスポーツ実況、情報番組を担当してきました。大学での私の役目は現場で培った経験を学生の皆さんに伝え、メディアへの理解を深めてもらうことだと思っています。新聞やテレビなどの伝統的メディアは批判の対象となることが多いですが、出来事を解釈し意味づけるジャーナリズムの意義が失われたわけではありません。メディア激変期の今、複雑化するメディアのありようを一緒に考えていきましょう。

  6. 業績紹介教授濱田 国佑(はまだ くにすけ)

    ●地域社会学 ■地域社会における外国人問題

    濱田 外国人などのマイノリティに対して向けられる意識や現代の日本社会のナショナリズムについて研究をしています。社会には不平等がさまざまな形で存在していますが、その中には問題化されにくいもの、私たちが十分に目を向けていないものも数多くあります。不平等を少なからず生み出してしまう、現代の社会構造の実態とその変遷を客観的なデータによって明らかにしたいと思っています。
      情報化・グローバル化の進展とともに、近年、大学に求められる役割は大きく変わってきていますが、こうした時代だからこそ、短期的に「役立つ」知識だけを追いかけるのではなく、古典的な教養や幅広い視野を持つことが重要なのではないかと考えています。広範な知識や視野を持つことによって、ダイナミックに変容する現代社会に対する認識がより深まるものと思います。是非一緒に社会学を学んでいきましょう。

  7. 業績紹介准教授土田 久美子(つちだ くみこ)

    ●多文化社会論、国際移動論 ■エスニック・マイノリティ集団のコミュニティ形成と社会運動

    土田 私は高校生の時に初めて日本国内を離れて、アメリカのニューヨークに行きました。そこには肌の色の違う人たちが大勢いて、どうやら生まれ育った国も地域も違っているようでした。「どうしてここにはこんなに色んな人たちがいるんだろう」、「いっしょにうまく暮らせているんだろうか」、と不思議に思いました。このことがきっかけで、私は大学に入ってから、日本にルーツを持ちながらもアメリカで暮らしている「日系アメリカ人」のコミュニティについて調査することになります。日系アメリカ人は、アメリカ社会の中でも人口としてはかなりの少数派で、過去にはアメリカ社会全体から差別されたこともありました。それでも、日系アメリカ人の人たちのことを調べるにつれて、私は、マイノリティ集団でも社会を変える大きな力を持てることを知りました。現在は、「異なる文化で育ってきた人たちが共に生きていくにはどうすれば良いのか」を研究のテーマにして、日本に暮らす外国出身者のコミュニティの調査もしています。
      社会は、いま目に見えているよりもずいぶんと広く、場合によっては違う見え方をすることがあります。学生の皆さんにも、自分の足で「社会」を探る経験をしてもらいたいと思います。

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