動乱の日本戦国史;桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで(呉座 勇一著)
眼横鼻直(教員おすすめ図書)
Date:2024.07.01
Date:2024.07.01
書名 「動乱の日本戦国史;桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで」
編著者 呉座 勇一著
出版社 朝日新書
出版年 2023年
請求番号 210.47/372
Kompass書誌情報
最近、読んだ本を紹介いたします。
以下は本書の「はじめに」からの抜粋です。
"一般に日本史で最も人気が高い時代は、戦国時代であろう。戦国時代を扱った小説・漫画・ドラマ・映画・ゲームなどで山場として重視されるのは合戦シーンである。桶狭間合戦や川中島合戦、関ヶ原合戦を知らない日本人はいなだろう。
ところが意外なことに、日本中世史学界で最も研究が遅れていた分野は、これら戦国時代の合戦なのである。戦国時代の合戦に関する研究は、参謀本部編「日本戦史」シリーズを基礎としている。
しかし、右のシリーズは、江戸時代の軍記類の記述を無批判に採用しており、同書が示す合戦の経過・作戦は実像からかけ離れている。
本書では、桶狭間合戦をはじめとする戦国時代の著名な合戦をとりあげ、通説を確認した上で、最新の研究成果、論争になっている箇所を紹介する。"
このように本書は歴史書で楽しく、気軽に読めます。「長篠の戦い」では「一斉射撃は可能か」など、学校で習っていたこと、思いこんでいたことと、かなり違っていたりします。
本書は「大阪の陣」も扱っています。本書の内容ではないのですが、もし豊臣家が大阪の陣で滅びず、関白家もしくは何らか形で残っていたら、明治維新がどうなっていたのかな、どのような形になっていたのかな、などと勝手に想像、空想したりします。歴史にifは無いのですが。
もし、お時間があれば、一読することをお勧めいたします。
医療健康科学部 教授 松岡 勇二郎