乳がんと牛乳:がん細胞はなぜ消えたのか(ジェイン・プラント著)
眼横鼻直(教員おすすめ図書)
Date:2023.02.01
Date:2023.02.01
書名 「乳がんと牛乳:がん細胞はなぜ消えたのか」
著者 ジェイン・プラント
訳者 佐藤 章夫
出版社 径書房
出版年 2008年10月
請求番号 495/104
Kompass書誌情報
乳がんの主要原因は、乳・乳製品である。
子供の頃から牛乳が体によい飲み物と信じていた私にとって衝撃的な内容でした。
カフェオレ、ヨーグルト、チーズ、バター、生クリーム、アイスクリーム、ミルクチョコレート、クッキー、ケーキ、パン、グラタン...など、世の中は乳・乳製品を含むおいしい食べ物であふれています。
著者のジェイン・プラント教授は、1945年生まれのイギリス人で、地球化学の研究者です。彼女は、1987年に42歳で乳がんになり、乳房を切除しました。その後4回の再発、リンパ節への転移を経験し、放射線治療・抗がん剤治療を受けました。その間、彼女は研究者としての知識・経験を総動員して乳がんと向き合い、1993年に鎖骨上リンパ節に移転したがん治療のための抗がん剤治療を受けていた頃、乳・乳製品が乳がんを誘発していることを突きとめます。そして、乳・乳製品を完全に避ける食事を実践したところ、がんが消え、その後乳がんが再発することはありませんでした。本書が2000年に出版されたき、医師・患者支援団体・栄養関係者から批判や非難の嵐がおきたといいます。しかしその後、医学界の風向きが変わり、医学の発展へ多大なる貢献をしたとして、プラント教授は医師でないにもかかわらず、英国王立医学協会の終身会員となっています。
近年、日本女性のがん罹患率のトップは乳がんであり、その罹患率は増加の一途をたどっています。本書は、乳がんの発症・再発を防ぐための知見を与えてくれています。
経済学部 講師 栗城 綾子