世界は数字でできている : 数の「超」活用法(野口 悠紀雄著)
眼横鼻直(教員おすすめ図書)
Date:2020.03.01
Date:2020.03.01
書名 「世界は数字でできている : 数の『超』活用法」
著者 野口 悠紀雄
出版者 新潮社
出版年 2017年7月
請求番号 410/297
Kompass 書誌情報
数字は好きですか。僕は嫌いです。サイン・コサイン・タンジェント。ビブン・セキブン。数学は諦めました。はい。文系です。
そんな学生さんは意外と多いのかもしれません。数字を見ただけで頭が痛くなりますよね。数学は大嫌い。なんの役に立つのだろう。まぁ、理系じゃないからいいや。分かります。
文系こそ数学だ。著者の野口悠紀雄氏は叫ぶ。工学部の大学院で実験していた時にはあまり使わなかったのに、大蔵省(現・財務省)に入ってからは毎日が数字の洪水であったとのこと。
自分の意見を他人に伝える。文系の学問において最も大切な能力の一つだ。どうしたら説得力が増すか。数字を使ってみるとよい。数字を使えば、驚くほど説得できる。
数学的な考え方。これは私が専攻する法学において威力を発揮する。まだ数学が分かった頃の二次関数。最大値と最小値を求めよ。てか、そんなの場合によるじゃん。そう。この場合分けという考え方。
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる(民法96条1項)。人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する(刑法246条1項)。詐欺については、こんなふうに一応は決まっている。
ただ、その実際の適用となると難しい。たとえば、ハニートラップにひっかかった場合はどうなるのだろう。おそらく、ケースバイケースであり、具体的な状況に応じて判断されることとなる。しかも、それは民法と刑法で異なるかもしれない。場合分けが必要だ。
数字アレルギーのみなさん。食わず嫌いを克服して、数学的な思考に触れてみませんか。
法学部 講師 髙田 実宗