DATE:2021.01.26仏教行事のおはなし
高祖降誕会
仏教学部 佐藤 秀孝 教授
曹洞宗の高祖、道元禅師(1200〜53)は正治2年正月2日に京都で公家の子に生まれた。太陽歴に換算すると1200年1月26日となる。8歳のとき母が逝去し無常を感じたことが大きな転機となり、貴族として生きることを捨て、13歳で出家の道を歩んでいる。
どこで誰に会うかによって人生は決定する。道元禅師は多くの縁を大切にし、自らの人生を果敢に切り開かれた。比叡山(ひえいざん)の公円僧正(こうえんそうじょう)に就いて出家し、園城寺公胤(おんじょうじこういん)僧正に修学し、栄西(えいさい)禅師の開いた建仁寺の明全(みょうぜん)和尚のもとで研鑽し、24歳のとき入宋した。南宋の地でも無際了派(むさいりょうは)禅師ら多くの人々の懇切な指導を受け、天童如浄(にょじょう)禅師に出会って正師と仰ぎ、曹洞宗の法を嗣ぎ28歳で帰国した。道元禅師の修行時代はまさに人との縁で培われている。
駒澤大学でも高祖降誕会には報恩供養の法要が行われている。学生の皆さんも縁を大切にし、厳しい状況下ではあるが、貴重な学生生活を有意義かつ果敢に過ごしてほしい。
※ 本コラムは『学園通信345号』(2021年1月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。