DATE:2022.11.21仏教行事のおはなし
太祖降誕会
仏教学部 講師 舘 隆志
太祖降誕会は、曹洞宗の太祖・瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)禅師の生誕(誕生)を祝う法要です。瑩山禅師の開いたお寺として、有名なお寺に鶴見(神奈川県)の総(持寺(そうじじ)があります。ただし、もとは鶴見ではなく、能登(石川県)に建てられ、明治44年に現在地に移転しました。もとの寺院は総持寺祖院として現在も残っています。また、瑩山禅師の建てたお寺で、もう一つ有名なのが能登の永光寺(ようこうじ)というお寺です。
元亨3年(1323)、臨済宗の孤峰覚明(こほうかくみょう)という僧侶が永光寺に瑩山禅師を訪ねてきました。その時の、孤峰覚明は永光寺を「霊地」といい、理由の一つに「茶樹の自然に生え」ていることだと述べています。それほどまでに、禅寺では茶は重要なものだったのです。
禅寺では、お茶はとても大切なものとして、毎日飲まれました。法要では茶を供えする献茶(けんちゃ)という儀式にも用いられました。駒澤大学の皆様、どうぞ坐ってお茶でも飲んで頂き(且坐喫茶(しゃざきっさ))、瑩山禅師の誕生日をお祝いしてみませんか。
※ 本コラムは『学園通信354号』(2022年10月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。