仏教行事のおはなし

本学教員が、身近な仏教行事をわかりやすく解説します。

DATE:2017.02.13仏教行事のおはなし

涅槃会

仏教学部 山口 弘江 講師

お釈迦様の命日とされる2月15日、本学ではお寺の行事さながらに、厳かな雰囲気の中、涅槃会の法要が営まれます。

涅槃の原語であるnirvāṇaとは、元来「吹き消すこと」を表しています。したがって、涅槃とは、今日考えられているような「死ぬ」という意味に限定されるものではなく、われわれが抱える悩みや苦しみといった煩悩をすべて滅した、清らかで静寂な境地を指したものなのです。涅槃に対する解釈には様々なものがありますが、『大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)』というお経では、大涅槃には法身・般若・解脱の3つの徳が備わっていると説明します。法身とは、法の身体、つまり真理そのものをからだとするありようです。般若とは、さとりの智慧のことです。ここでいう智慧とは、一般的な知恵とは異なり、正しくものごとを見極める心の働きを意味します。そして解脱とは、悩みや苦しみから解放されて自由となることをいいます。

涅槃会当日は、壇上に涅槃図といわれるお釈迦様が亡くなった場面が描かれた大きな絵を掲げ、法要終了後には参加者でお焼香をしています。お釈迦様の涅槃の徳に想いをはせつつ、みなさんもぜひご参列ください。

※ 本コラムは『学園通信325号』(2017年1月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。

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