物流業界のリアルと社会人に求められることとは ―つばさホールディングス猪股代表が登壇―

「2024年問題」という言葉を聞いたことがありますか? これは労働基準法の時間外労働規制強化により、人手不足が発生し、物流に支障が出る問題のことです。

2024年6月4日の「現代マネジメントⅠ」では、つばさホールディングス株式会社の代表取締役である猪股浩行氏をお招きしました。猪股氏は自身が創業した引っ越し業からスタートし、物流業へと事業を展開しました。現在では、車両販売・整備、引っ越し、運送、食品加工、保険と幅広い事業を展開する持株会社となっています。

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登壇される猪股代表

現在「2024年問題」と呼ばれているものは、法律による規制が緩やかになり多くの事業者が運送業界に新規参入してきたことに由来します。プレイヤーが増えることで価格競争が生じ、コストを抑えるための負担が発生しました。日本が安い物価で生活できる根底にはこの要因があります。2024年の法整備はこの反動によるものです。

2024年問題は単なる物流業界の話ではなく、日本の社会構造にかかわる重要な問題です。

猪股氏はその解決策として、DX、人的資本経営、自律連帯する組織を挙げています。

また、同社で活躍する松原瑞樹氏と、駒澤大学経営学部卒業生で同社執行役員の秋山賢太郎氏が登壇しました。松原氏は仕事の考え方について、秋山氏は「目標ではなく目的を持とう」というメッセージを学生に送りました。

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仕事の考え方を話す松原氏

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メッセージを送る秋山氏(駒澤大学経営学部卒業)

「社会課題やお客様の課題を解決しお役立ちすることが目的、事業はその手段でしかない」と話す猪股氏に多くの質問が寄せられました。

「人手不足改善のプロセスにはどんなものがあるとお考えでしょうか」といった質問がありました。猪股氏は「賃金が低かったら絶対に人は来ない。人手不足を改善するには労働環境を整えることが一番大切」と説明しました。終了後には「働く人の環境を第一に考えることが最終的に利益につながるというのがとても正当性のある話だと感じた」といった感想がありました。

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物流業界を中心とした今後の社会の変化から目が離せません。 どうもありがとうございました。

(H.O.)