日本農業の現状と課題、そして若者へのメッセージ
12月9日、渡辺ゼミ(経営管理論)では全国農業会議所・事務局長の稲垣照哉氏を毎年恒例の社会人講師としてお迎えしました。講演内容は「日本農業の概要、団体人という職種、組織運営の課題」でした。
日本農業については、農業従事者の減少や高齢化、食料自給率の低迷、耕作放棄地の増加といった現在の農業をとりまく課題について、さらに法人の農業参入についてわかりやすく説明いただきました。学生からは、若者が農業を知り、関心を持つことが、より一層必要であり、そうしていきたいという声が多く聞かれました。
次に、全国農業会議所が一般社団法人であることから非営利団体組織の特徴および団体人としての熱い思いを語ってくださいました。そのなかには、「団体として存在価値は何か、その目的が世の中に合っているのか」を問い続けているとのお話がありました。団体人として働くことの葛藤や苦悩についてその一端を垣間見ると同時に、「世のため人のために働く喜びを感じている(農家の喜びは自分の喜び)」という言葉に対しては、就活中の学生から強いメッセージを感じた、とても刺激を受けた、今後の進路選択の参考にしたいなどの感想が寄せられました。
最後に、トップとしての組織運営については、ご自身の経験も交えて有意義なお話をたくさん頂きました。その1つとして「何があっても"想定内"といえる備えと、"情勢は変わる"備え」では、刻々と変化する環境に柔軟に対応することの重要性を改めて教えていただきました。現代の環境の変化については授業で学んでいるとはいえ、学生にとっては「生の声」を聴くことでそれ以上の学びがあったようでした。ほんとうにありがとうございました。渡辺ゼミでは本講義から生まれた学生の問題意識をテーマにして、来年度から学年横断的な研究会を行う予定です。