アルギン酸にかけた企業の戦略と経営 ~キミカ笠原代表が講義~
SDGsで注目されている会社があります。それが株式会社キミカです。
6月25日のベンチャー企業論Aでは、アルギン酸の製造販売を行う株式会社キミカ代表の 笠原 文善 氏をお招きしてお話しいただきました。
アルギン酸とは、昆布やワカメ等に代表される海藻(褐藻類)から抽出される天然の食物繊維であり、ぬめり成分です。食品や繊維加工に使用されることで有名ですが、最近では再生医療などの領域でも使用されるものです。
アルギン酸の原料となる海藻は、海の中で二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出しますが、打ち上げられれば腐敗し、二酸化炭素(ゴミ)に戻ります。キミカはこの朽ち果て二酸化炭素へと戻りゆく運命にある漂着海藻のみを有効活用している事が認められ、「第4回ジャパンSDGsアワード SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」を受賞します。
このように、再生医療やSDGsなど、キミカを彩るのは現代的なキーワードです。しかし、単に時代に合わせてきたわけではありません。
キミカは現代表の父の文雄氏によって1941年に設立された君津化学研究所に由来します。創業以来アルギン酸一筋で成長してきました。業績低迷の中での大きなリスクを伴うチリ進出は重要なエピソードです。半信半疑、窮余の一策であり、周囲から無謀といわれたこの決断は、結果としてキミカを成長軌道に乗せました。
キミカはアルギン酸を創業以来わが子のように愛してきました。この歴史と精神があるから、キミカは世界の人々にとって無くてはならない唯一無二の会社になろうという理念を掲げられるのではないでしょうか。
授業終了後、学生からは「困難に立ち向かうときに積極的に挑戦することの大切さがわかりました」といった感想がありました。
どうもありがとうございました。
今回ご協力いただきました笠原氏が代表を務める株式会社キミカのウェブサイトはこちら
株式会社キミカ https://www.kimica.jp/
(H.O.)