第5回学生シンポジウムで経営学部学生が発表

11月11日(日)、駒澤大学駒沢キャンパスで第5回学生シンポジウムが開催されました。今回は経済学部、法学部、経営学部の3つの学部の20のゼミが参加しました。このイベントは経済学部ゼミナール連合会が主催し、駒澤大学、経済学部同窓会が後援するもので、学部の枠を超えた学際的な公認イベントとして行われています。それぞれの分科会では、活発な議論が交わされました。


中野ゼミA班「無形の拡張自己と商品評価」

【研究内容】
無形の拡張自己の確立要因を解明すること。現在日本における拡張自己の研究は有形のものが主です。また、拡張自己の研究を行っているアメリカの研究者BELKは拡張自己の確立方法として、有形の拡張自己の確立方法は3つ提唱しているのに対し、無形の拡張自己の確立方法は1つしか提唱していません。デジタル化が進む現代社会において、無形の拡張自己の存在は拡大し続けています。そこで私たちは無形の拡張自己に目をつけ、研究を進めていきました。

【参加学生の声】
日頃関わることのない他ゼミの方々と交流ができて、良い刺激になりました。


中野ゼミB班「他者の意図的真似によって生じる感情」

【研究内容】
自分の持ち物を他人に真似されて嫌だと感じた経験はありませんか?私たちは、人によってどの持ち物を真似されたら嫌だと思うかは違えど、そのような思いを抱く人が少なからずいると考えました。なぜ持ち物を真似されたら嫌だと感じるのか。私たちはそれが真似をすることの意図性や「他者とは異なる独自の存在として自分をアピールしたい」という欲求(=ユニークネス欲求)の高さ、その持ち物に対する関与(関心、思い入れ、こだわり)の高さが関係しているのではないかと考えました。そこで、「ユニークネス欲求が高い人が意図的に真似されたときに生じるネガティブ感情が、真似された製品の関与によって変化するのかを解明する」という問題意識を設定しました。

【参加学生の声】
・普段一緒に参加しない経済学部のゼミの発表を見て、とても刺激を受けました。また私たちの研究を知らない人にわかりやすく発表するにはどうしたらよいか考える、貴重な機会になりました。
・イラストに力を入れているゼミや、論文を書いているゼミなど、それぞれのゼミに違った特色がみられた。またそのような方々からいろんな意見を頂けて、参考になる時間だった。
・他ゼミとの交流はあまりないので研究内容を知る良い機会だったと思います。
・普段は関わりのない経済学部の方から発表に対しての意見が貰えたことが良かった。


中野ゼミC班「思い出が消費行動に与える影響」

【研究内容】
私達は思い出が消費行動に与える影響について発表しました。 特に「思い出の美化」に焦点を当て研究をします。 みなさんが持っている思い出を美化することによって、消費行動へどのような影響があるのかを明らかにすることで、企業のマーケティングへのインプリケーションを提示します。 内容としては、人のある記憶は事後に与えられた情報によって左右されることがあります。では思い出についても同じ現象が起こるのでしょうか。また起こるとしたらどんな情報が良いのかという内容です。 このようなことを先行研究から仮説を立て、実際に調査します。

【参加学生の声】
普段接することがない他学部の学生や先生からのコメントはとても新鮮なものでした。今後の研究活動に有意義に頂いたご意見を活かしていきたいと思います。


鹿嶋ゼミA班「高齢者雇用の課題とその対策」

【研究内容】
まず現状として、日本の労働市場では全体的に人手が不足しているという問題がある。1990年代前半までは右肩上がりに増加していたが、1990年代に横ばいになり、現状と変わらなければ2050年には労働人口が2,000万人減少するという試算もある。長寿命化や少子高齢化という背景からも人手不足には高齢者が鍵を握るのではないかと考えた。今後人手不足が加速していくであろう日本の労働市場にどう対応していけるかについて研究した。 また我々は就業形態についても着目した。日本では一般的には定年後は非正規雇用での雇用が一般的となっている。それに伴い収入が急激に落ち込む現象が起き、世界各国と比べると特殊なものとなっている。こうした現状にどう対策していけるかについても触れていきたい。 ここでは、高齢者雇用における課題点をいくつか挙げ、それぞれの課題点についての対策を研究する。例としては、定年に向けての相談機会がない(高齢者雇用前の段階)、同一労働同一賃金、高齢者雇用における評価制度、高齢者のモチベーション維持(仕事に対するやりがいや動機から高齢者を雇用する上で、いかに高齢者のモチベーションを維持して仕事の質を落とさせないか。)、高齢者のスキル(高齢者は定年までに様々なスキルを身につけており、それらを認定する仕組みが十分に整備されていないため、今後高齢者が身につけてきたスキルを存分に発揮するための策が必要なのではないか。)などが挙げられる。これらの課題について、自分たちが研究した視点から対策案を出していきたい。

【参加学生の声】
私たちの班でも高齢者の労働問題について考察をした。具体的な解決策を実現するためには、例に出た企業の企業努力も必要でそういった企業が優遇されるべき社会であって欲しい。父が定年を超えて再就職しているが、将来への不安要素が物色できない日本の経済で問題があるのかなと思った。


鹿嶋ゼミb班「日本のハラスメントの現状と対策」

【研究内容】
昨今、パワハラやセクハラなどハラスメントが横行している。そんなハラスメントの加害者、被害者にならない為にも、研究ししっかりとした知識をつける事で今後の人生にとって何か一つでもプラスになるものを得る。

【参加学生の声】
どこの班もしっかりと研究できていたと思いました。他の人からもらう意見は多角的で自分たちには思いつかなかったようなものまで質問されたりしたので、改めて勉強になったと思いました。


鹿嶋ゼミC班「介護老人施設における人手不足の解消と実現」

【研究内容】
介護施設における人材不足解消をテーマに現状把握、新規人材確保のための政府や各施設の取り組み、ストレスの面から離職について研究しました。一般的に言われる介護特有のストレスからくる離職はどのようなものがあり、どのように影響していくのかを詳しく取り上げ、解決策を示すことで人手不足解消実現の可能性を考えました。

【参加学生の声】
当日までに各メンバーが協力して取り組んできたことが発表でき、その結論も聴いていた人達に伝えることが出来てとても良い経験をすることが出来ました。質疑応答の際、返答に口籠ってしまうことがあったためそこに関してはもう少し準備しておくことができればスムーズに伝えられたと思っています。(3年)
普段、詳しく学ばない内容を知ることができ、自分たちとは違った視点や知識を持つ他のゼミ方々の意見を聞くことができたのでとても有意義な時間を過ごせました。(3年)
他学部からの視点での意見を聞けたのは有意義であった。また、投資信託や生活保護の実状や今後の展開など詳細に知れたと感じた。他の学部のプレゼンも聞きたいと思った。(3年)
他学部や他ゼミとの交流の中で良い刺激を感じることができました。特に経済学部の方々はより広い目線から社会問題を捉えており、今までにない知見を得ることができました。今回の発表や討論の内容を見つめ直し、今後のゼミに活かしていければいいと思っています。(4年)
今回初めてシンポジウムに参加しましたが、自分たちの学部だけでなく、他学部の研究成果を見ることで今まで知らなかったことを新たに知識として取り入れることができました。今後のゼミの活動にも広く学ぶことで活かせるようにしたいです。(2年)
シンポジウムで介護老人施設の人手不足や高齢者雇用について深く学べました。また、他学部のゼミの投資信託や生活保護など、普段とは違う分野の発表を聞くことで新たな視点を得ることができ、良かったと思います。(2年)


菅野ゼミ「かわいいが人に与える影響とは」

【研究内容】
私たちは"かわいい"が人に与える影響について調べました。色・形・質感が与える"かわ いい"の印象がどういうものなのか、また目的やその対象によって"かわいい"を意識する 度合いはどれくらい異なるのかを詳しく調査し、その結果から消費者行動にまつわる心 理的影響を利用した、消費者に好まれる製品とはどんなものなのかを調べました。

【参加学生の声】
普段関わりのない他のゼミの人たちと発表や質疑応答を通して交流できたことが大変新鮮でした。自分たちと考え方が違う人たちと意見を交わし合うことで、それまで自分たちにはなかった視点が生まれ、今後の研究にとって非常にためになりました。これからも同じ思考に偏らず、自分たちの研究を進めていけたらと思います。


菅野ゼミ「ブランドネームの研究」

【研究内容】
店舗名のネーミングは分かりやすさ、覚えやすさが大事とされてきました。しかし、近年「考えた人すごいわ」という食パン屋のようなその考えを崩す店舗名が人気となっています。そこで、現在の消費者はどのような店舗名をつけると1番興味を持ち購買したくなるのかという疑問を持ちブランドネームについての研究を行いました。

【参加学生の声】
他ゼミの学生や先生などの色々な視点から見た意見が飛び交う環境は非常に刺激的で貴重な体験になりました。


菅野ゼミ「Instagramにおける企業広告に対する消費者の反応」

【研究内容】
近年、インスタグラムは急速に普及され、私たち消費者以外にも、企業側も広告として利用するようになっている。そこで、私たちは、消費者の利用頻度と特性に着目し、企業の広告がどのように変化するのかについて調べました。研究結果は、消費者特性による利用頻度に差異が認められましたが、性別における差異は認められませんでした。またSNSにおける問題点や消費者が求める広告など、異なる視点からの見方もあると分かり、今後の課題を見つけることができました。

【参加学生の声】
一つのテーマに対して仮説を立て、研究し、発表する難しさを改めて実感すると同時に、先生や他のゼミ生などの違った視点からの意見・考えを知ることができ、いい機会になりました。


小野瀬ゼミ「三河湾チャリティー100km歩け歩け大会を歩いてみた」

【研究内容】
学生が負荷の高い社員教育を体験するとどうなるのでしょうか。そこで私たちは社員教育の一貫として始まった100キロウォークに参加しようと考えました。 今回参加する「三河湾チャリティー100㎞歩け歩け大会」とは、七福醸造株式会社の社員教育の一環として始まり、今年で24回目の開催になります。大会の趣旨は、「100kmを歩く中でいかに多くの感動・感激・感謝を感じることができるか」(公式ホームページ)です。 企業家研究を行う私たちは新しいことにチャレンジすることをよしとしています。この大会に参加することで、何を感じたのか、辛かったこと、今後の学生生活に生かせることはあるのかを、実際に参加した班員の体験を紹介していきます。普段のゼミ活動だけでは得ることの出来ない感謝や、感激、感動を学び共有し、これらを今後のゼミ活動に活用していきたいと考えました。また、体力や気力が限界の時に相手を気遣う気持ちや行動を学んだゼミ生だからこそ、周りの人への感謝や大切さについてお話できることがあるかもしれません

【参加学生の声】
自分達が普段行ってるゼミ活動についての説明が不足しているとの声を頂いたので、今後このような機会があった時は詳しく説明するようにしたい。


小野瀬ゼミ「カルピスと三島海雲」

【研究内容】
仏教関係の起業家は多数存在するにも関わらず、知名度が低い。そこで私たちはカルピス創業者の三島海雲を調査し、インフォグラフィックという手法でカルピスの発売までをわかりやすく表現した。また「三島海雲展」を行ない、自身が僧侶である三島海雲を広める取り組みをした。多くの人に見ていただけたが、三島海雲や仏教出身の起業家について世間に広く知れ渡ることはなかった。 今回のシンポジウムでは研究内容の発表を行い、「仏教出身の起業家の知名度を上げるにはどうしたらよいか」という点について議論を行った。

【参加学生の声】
これまでにゼミで研究してきたことをプレゼンすることができ、とても貴重な経験になった。さらに質問やご意見をいただけたことで、自分たちの至らなかった点について再認識できた。また他ゼミの発表を聞き、発表方法やスライドのまとめ方など参考にしたいところがたくさんあった。


実行委員、並びに後援下さった大学、経済学部同窓会の皆さま、関係者のすべての皆さまに改めて感謝の意を表したいと思います。

(H.O.)