GMS学部について
学部長あいさつ
グローバル・メディア・スタディーズ学部のWEBSITEへようこそ
2006年4月に開設されたグローバル・メディア・スタディーズ学部(GMS学部)は、《グローバルな環境で活躍できる人材育成》を目標に掲げ、複数の学問分野を基礎においた学際学部です。この学部の4年間のカリキュラムをしっかり身に付けていただければ、4年後の卒業式の日にはグローバルな環境で存分に活躍できる人材の入り口に立てることを目標としています。
今、民間企業だけでなく、政府も、個々の私たちの行動も、<グローバル化に対応できるかどうか>が問われています。 グローバルな環境とは、人種、民族、性別、年齢など様々な属性をもつ人々と共に暮らし、共に働く社会と思っていただければ良いでしょう。出身地や性別などの表層的な違いだけでなく、考え方、価値観、思想や宗教などの深層的な違いも、グローバル社会で共に生きる上では難しい問題になる可能性がでてきます。そこで、GMS学部では、こうした多様性の中で力強く生きる人材を輩出するプログラムを備えています。
理念を表すグローバル・メディア・スタディーズ学部という名前の由来を記しましょう。
"グローバル"とは、国境を意識するのではなく、丸い地球を念頭に置き、俯瞰した鳥の目で思考することを意味します。インターネットの出現により、世界のグローバル化は目覚ましく進んでいます。人の移動、モノの移動、お金の移動が国境を超えていることはもとより、一国家、一民族、一言語、一学問で解決できる問題はほとんどない時代になったと言えるのではないでしょうか。つまり、異なる文化で育った人たちと共に働き、ともに暮らす環境が圧倒的に増えてきたということです。
"メディア"はグローバルな環境で活躍するという目標を実現させるための手段<ツール>です。インターネットの登場以来、メディアの技術は革新的な速度で変化しています。グローバルな環境で現代を生き抜くためには、メディアの様々な動きに翻弄されずに、主体的に使える術を身に付けることが必須です。つまり、メディアの本質を知り、主体的に利活用する力こそ、現代を生きる我々の<教養>ではないでしょうか。
そして、"スタディーズ"とは、この学部が学際学部であることを表現しています。学際学部とは、複数の学問領域の専門知識を交換しながら、その相互作用を探究することによって新しい研究領域への発展を試みる学部ということです。一つの学問を超え、複数の学問分野と様々な形で連携し、更に新しい組み合わせで新しい学問分野を切り開く可能性を表現しています。
GMS学部のWEBSITEを通して、この学部のユニークなカリキュラム、様々な取り組み、パワフルな学生たちの活動をご堪能ください。公開で開催される講義や講演会、またオータムフェスティバルや、様々なイベントで、皆さまとお目にかかることを楽しみにしています。
グローバル・メディア・スタディーズ学部長
服部 哲
コンセプト
地球規模の問題解決に取り組む未来志向の学部教育
世界を見渡す広い視野と情報の本質を見極める力を養成
国際社会が抱える問題 --- 国家間紛争・テロ、地球環境、政治と経済 --- は、一つの国家だけでは解決し得ないほど複雑化しています。こうした問題を解決する人材を育成するため、グローバル・メディア・スタディーズ学部グローバル・メディア学科が誕生しました。グローバル(Global)な問題を多角的にとらえる広い視野、複雑化したメディア(Media)を経由して大量のコンテンツが流れるしくみの理解、学問領域にとらわれない自由な発想での研究(Studies)の3つを柱とする、日本のどの学部とも重複しない新領域の学術の構築を図る21世紀型の新しい学びのスタイルです。
国際社会で通用する実践的な英語力を習得
本学部では、国や地域をまたぐ国際舞台での活躍を前提に、グローバルなコミュニケーション能力を重視しています。ネイティブスピーカーによる徹底した少人数制授業を英語科目に導入。世界共通言語である英語を会話だけでなく、英語での情報収集や発信をスムーズに行えるレベルにまで高め、ビジネスでも通用する実践的な力を身につけます。英語をコミュニケーションツールの一つと考え、英語そのものを学ぶというよりは、英語で学ぶためのコミュニケーション能力を高めるのです。卒業時には、英語で仕事をするのに十分な英語力が身につくカリキュラムを提供します。
メディアとコンテンツの本質を理解し新たなものを創出する力を身につける
世界を洪水のように駆けめぐる情報・コンテンツは、ますます多様化し、そのパイプ役を果たすメディアの複雑化は、現代社会の大きな特色のひとつ。時代の動きを正確に把握し、情報を発信していくためには、メディアの使い方を熟知し、特性を十分に理解する必要があります。本学部では、メディアやコンテンツを学術的に研究する科目と、インターネットなどの最新のメディアを実践的に学習する情報リテラシー教育科目を必修として配置。「行学一如」の建学の理念のもと、メディアを駆使しコンテンツを創出する力を修得し、社会の幅広い分野で活躍できる力を養成します。
セメスター制を導入
本学部では、 1年を前・後期の2期に分けて学ぶセメスター制を専門教育科目に採用しています。短期集中型の学習はもとより、バラエティーに富んだ科目を学ぶことができます。また、秋から始まる海外の大学への留学にも対応できるメリットがあります。
実務家との共同講義を積極採用
産業界の今を知り、地域活性化に取り組むプログラムの一環として、実務家と専任教員との共同授業を開講。だれもがメディアやコンテンツと深く関わりを持つ時代において、地域活性化を通して社会に貢献し、さらには経済成長の一端を担うリーダーを育成します。
また、技術革新がめざましいメディアやコンテンツに理論と実践の両面からアプローチし、それぞれの理解を深めるため、第一線で活躍するクリエーターを講師に招き授業を展開。最新の理論と技術に触れる絶好の機会となります。
スローガン
Our Slogan: Be different, Be global
このスローガンは、2004年の6月、この学部の骨格を創案して以来、"global"と、"media"の中で格闘しながら我武者羅に過ごす中で、いつの間にかこの学部が10年目を迎え、その軌跡の意味を振り返る過程で浮かびあがってきた言葉です。良くも悪くも、グローバル社会に向かって加速度的に進化する社会に埋もれつつ、みるみるうちに人口が増え続けるPopulation Clockを目の前にして、自然に湧き上がってきた私の想いです。
"Think Globally, Act Locally"というキャッチフレーズはすでに行き渡り、"Think different"と謳った当時のAppleは世界を制覇したと言っても過言ではないでしょう。世界の人口は73億人を超えました。50年後には90億人を超えると言われます。一方で、日本の人口は 1億2千万人。そして50年後には8,800万人に減少します。
50年後の世界を100人の村にたとえると、日本人は0.9人。1人分にも満たなくなるのです。世界の中で、希少な日本人の存在を伝え続けるにはどうすれば良いでしょう。その方法の一つは、日本人にしか出来ないことで世界に貢献することではないでしょうか。グローバル化とは、世界が一つの価値観を共有し、均質な社会をつくることではありません。むしろ、個々の歴史や文化の<違い>を際立たせ、その個性を組み合わせることで、地球全体の調和を図る仕組みを追求することではないでしょうか。
つまり、グローバル社会においては、<違い>にこそ意味があるのです。
すべての人には独自性があります。生まれた場所も、過ごしてきた時間も違うのに、同じ人間なんているはずがありません。さまざまな価値観に触れてみましょう。時には日本を離れて、世界の各地からこの国を見直してみてください。たくさんの人と語り合い、認め合うことで、自分の中の<違い>を育てること。大学の4年間はそのためにあるのです。
そして今、私たちは、意図的に"think"や、"act"を演じる必要はないと思うのです。あなた自身が、自然体である"be"の状態で、すでに"different"であり、"global"なのです。肩肘を張って、"think"や、"act"をしなくても、あなた自身でいることこそが"different"である世界であって欲しいと思います。互いの<違い>を自然体で尊重しあうことが、global社会で生きるということではないでしょうか。
グローバル・メディア・スタディーズ学部
各務洋子