2010年度発掘調査報告
日本発掘:埼玉県比企郡滑川町 寺谷廃寺・平谷窯跡
今年は8月2日から8月28日まで、埼玉県比企郡滑川町寺谷廃寺及び平谷窯跡の学術発掘を滑川町と行いました。今回は飛鳥時代の寺谷廃寺跡と、そこに瓦を供給していたと考えられている平谷窯跡を調査しました。
寺谷廃寺ではトレンチ調査を行ない、寺の遺構を探すという調査を行ないました。固い土の高まりが見つかり、周辺からは瓦片が300点ほど出土しました。
平谷窯跡では、焼成部床面が階段状になっている地下式有段登窯であることが判明しました。須恵器と瓦が出土しました。
寺谷廃寺・平谷窯跡ともに埋め戻し、今年度の調査は終了しました。
中国発掘:甘粛省天水市清水県 李崖遺跡
甘粛省天水市清水県李崖遺跡において、9月7日から9月19日にかけて中国における発掘実習に参加しました。
李崖遺跡は、牛頭河と樊河の合流地点の西北側、李崖村を中心とする台地上に位置します。
甘粛省東部における西周文化および西周時代以前の先周文化を考古学的に位置づけようとするプロジェクトと、さらに早期秦文化の探索が調査の目的でした。
二次台地上に位置する城壁区と灰坑区、一次台地上に位置する灰坑区と墓区の4つの調査区を発掘しました。
先周文化・西周文化・先秦文化の遺構・遺物の確認を目的とした調査でした。西周墓の発掘をしましたが、実習期間中に主体部を確認することは出来ませんでした。