2008年度発掘調査報告
日本発掘:北海道川上郡標茶町 二股遺跡
今年は8月4日から8月31日まで、北海道川上郡標茶町二股遺跡の学術発掘を標茶町と行いました。標茶町では縄文時代、擦文時代の住居跡が地表の窪みから多数確認されたため、標茶町教育委員会の坪岡始氏とともに発掘調査を行ないましたが、二股遺跡は二年間かけて発掘作業を行う予定です。
二股遺跡第3地点では擦文時代の住居跡が2軒、縄文時代の住居跡が1軒確認されていて、明確に確認できた擦文時代の1号住居跡を発掘しました。1号住居跡は大きさ10m×10m、最も深いところで1.8mになり、住居跡内は火山灰(樽前A)が降ったのち畑として利用されていました。
発掘成果は住居の床面に付属施設として入口と考えられる硬化面、中央に炉を数基と東側の壁面にカマドを2基確認の以上です。主な出土遺物は高坏3点、甕1点で全体的に少ない出土遺物量でした。発掘の最終日には来年度の再発掘に備えるために1号住居跡を埋め戻しました。
中国発掘:陝西省岐山県 鳳凰山遺跡
9月7日から9月19日まで陝西省岐山県にある鳳凰山遺跡の発掘調査を、北京大学と合同で行いました。
発掘区は二カ所でしだが、下の地区では数条の溝跡が走り、それを埋めるように版築建物跡が並行して見つかりました。溝の中の灰層から、西周時代の空芯磚や土器、獣骨、焼けた住居の壁などが出土しましたが、周辺の畑断面にも西周時代の版築層や瓦包含層が確認できました。
雨の日は秦公一号墓、宝鶏市青銅器博物館へ見学に行きました。