2001年度発掘調査報告
日本発掘:東京都北区 田端不動坂遺跡
夏季休業中の約3週間を利用して発掘調査を行ないました。弥生時代の竪穴住居跡4軒を調査し、うち3軒からは炭化した木材や厚く堆積した焼土が確認され、焼失住居であることが明らかになりました。住居内からは暖をとったり、煮炊きに使われたと考えられる炉跡や柱穴などの施設も確認されています。主な出土遺物は後期と考えられる弥生土器です。そのほか、近世の胞衣皿(えなざら)なども見つかっています。
日本発掘:千葉県流山市 西平井根郷遺跡
2002年の2月18日から3月22日の間に、千葉県流山市の西平井根郷遺跡の発掘に約一ヶ月間参加させて頂きました。駒澤大学考古学研究室のほうで調査させていただいたのは、竪穴住居跡1軒、掘立柱建物跡4軒、土坑13基、礫群、ピット群です。竪穴住居からは、9世紀後半から10世紀代の土師器や須恵器などの土器、鉄製の鏃(やじり)などが出土しました。このことから、私たちの調査した竪穴住居跡は、平安時代の遺構であると考えられます。
発掘面積は約2,000㎡で、竪穴住居跡3軒、古墳1基、掘立柱建物跡5棟、それに伴うと思われるピット群、地下式坑1基、道路状遺構・溝・土坑多数が確認されました。
続く掘立柱建物跡ですが、掘立柱建物というのは地面に穴を掘り直接柱を立てる建築方式の建物です。そのため、遺跡内では竪穴住居跡のように大きな穴が見つかるのではなく、柱を立てていた小さな穴が建物の形に並んで見つかります。
今回調査した4軒の掘立柱建物跡からは、時期決定のための良好な遺物が見つからなかったので、時期を特定するに至りませんでした。
土坑からは、それぞれ縄文土器や土師器など見つかっており、時期はそれぞればらばらです。
礫群は、旧石器時代の遺構で、焼けた石などが見つかっていることから、調理に用いた焼き石などを捨てたのではないかと考えられます。
最後のピット群ですが、これは掘立柱建物跡と一緒に見つかったもので、柱の穴と考えられますが明確な建物の形を成しませんでした。