DATE:2020.01.21研究レポート
研究こぼれ話『資料取り寄せ苦労話』
経営学部 豊田 太郎 教授
- 経営学部 豊田 太郎 教授
19世紀後半のアメリカ経済史・経営史を研究しています。ロックフェラー、カーネギー、モルガンといった大企業家が活躍した時代をイメージしていただければと思います。この研究分野は歴史研究の要素も併せ持つため、良い資料(史料)を入手することがとても重要です。それにはアメリカに行って資料収集をするのが一番ですが、最近ではネットを介して資料的価値の高い「掘り出し物」を見つけ購入することも多くなりました。私もよくアメリカの古本屋から「個人輸入」するのですが、これまで様々な困難に見舞われました。
簡単に紹介します。1)USPS(郵便公社)が東京ではなくノルウェーのオスロに商品を送っていた。2)航空便が船便になっていた。3)アメリカ国内を長期間漂流した後、ようやく日本に発送された。4)「税付」という赤色シールが貼られ、関税はFreeなのに消費税を支払う羽目になった。5)包装がバリバリに切り裂かれガラクタ状態で届いた(オマケ程度に「補修しました」とのシールあり)。6)荷物が行方不明になった。
こうした諸困難ですが、こちらも大事な商品(お金)がかかっていますから、なんとか克服しよう(最悪、返金してもらおう)と躍起になります。この過程で英文メールの交渉術はかなり上達したような気がします。怪我の功名でしょうか。人間切羽詰まったら結構できるものです。なお世界的に見ればアメリカからの取り寄せはスムーズです。誤解なきよう。オスロまで行ってしまった本は、現地郵便局に掛けあった結果、何とか日本にたどり着きました。
※ 本コラムは『学園通信340号』(2020年1月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。