自分で作り上げた事業を通して日本と中国の架け橋になりたい
競天国際株式会社 代表取締役 叶 競天 さん
- 競天国際株式会社 代表取締役 叶 競天 さん
- 中国河南省・洛陽市出身。2009年に来日し、日本語学校、国際貿易の専門学校を経て2012年に駒澤大学経営学部に入学。2016年に卒業し、競天国際株式会社を設立。その後、安子株式会社、華人圏コンサルティング株式会社の共同経営にも携わる。2020年6月、本学にサージカルマスク1万枚を寄贈したのをはじめ、地方自治体、医療機関、介護施設などに合計約20万枚のマスクを寄贈している。
大学の4年間で日本が大好きになり、この国で生きていくことを決意した
故郷の中国を離れて初めて来日したころは、将来自分が日本で起業するとは思ってもみませんでした。私は現在、日本で3つの会社の経営に携わっています。最初に作ったのが、競天国際株式会社です。この会社で、私は国際健康医療コーディネーター兼カスタムツアーアドバイザーとして海外からのお客さまに日本の医療サービスを紹介するメディカルツーリズムのお手伝いをしています。自らが代表を務める会社のほかにも、免税店を運営する貿易会社や、中国と日本の民間・政府間交流のコーディネートをする会社の共同経営者として仕事をしています。最初は、大学を卒業したら中国に帰って就職するつもりでした。しかし、日本で生活し学ぶうちに、どんどん日本が好きになり、日本に根を下ろして生きていきたいと思うようになりました。いろいろなタイプの仕事に携わっていますが、一貫して変わらないのは「日中の架け橋になりたい」という目標です。駒澤大学での4年間は、そんな私の生き方に大きな影響を与えてくれました。
公私ともに支えてくれた恩師との出会いが今の自分を作っている
大学で最も印象に残っているのは、素晴らしい先生方との出会いです。魅力あふれる先生方に教えていただいた消費者行動論や流通システム論、経営組織論などの授業は、今のビジネスにも大いに役立っています。中でもゼミの担当教員だった管理会計論の猿山義広先生から教えていただいたことは決して忘れません。先生には学問的な知識だけでなく、私生活での悩みにも相談に乗っていただき、公私にわたり励ましや勇気を与えていただきました。今でも猿山先生のことを日本での父親のように思っています。
大学はただ学問を学ぶだけの場所ではありませんが、せっかく大事なお金と時間を使うのですから、1つでも多くの知識を身につけなければもったいない。私は新しいことに挑戦することが好きで、日々新たな課題が増えていきますが、それを解決するために現在も勉強の毎日です。努力は人を裏切りません。例えば学生時代に何か資格を取るのでもいい。後輩の皆さんには、将来の自分をイメージしながら、常に努力する人間であってほしいと思います。
※ 本インタビューは『学園通信344号』(2020年10月発行)に掲載しています。掲載内容は発行当時のものです。