陸上競技部

DATE:2024.11.04陸上競技部

5連覇逃すも大逆転で準優勝‐第56回全日本大学駅伝

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(撮影:大塩希美)

 第56回全日本大学駅伝対校選手権大会が11月3日、熱田神宮西門前から伊勢神宮内宮宇治橋前までの全8区間、106.8kmで行われた。
 駒大は序盤に流れを引き寄せることができず苦戦する場面もあったが、3区では伊藤蒼唯(政3)の8人抜きの快走を見せる。中盤では、三大駅伝初出走となる1、2年生が区間3位から5位の好走でつなぎ、エース区間と呼ばれる7区、8区で連続区間賞を獲得。最後は8区の山川拓馬(営3)が驚異の追い上げで前を走っていた青学大をかわして準優勝を果たした。結果は以下の通り。

結果

総合成績
1位 國學院大學
5時間09分56秒
2位 駒澤大学
5時間10分24秒
3位 青山学院大学
5時間10分41秒
4位 創価大学
5時間13分17秒
5位 早稲田大学
5時間14分24秒
6位 城西大学
5時間14分57秒
7位 立教大学
5時間16分21秒
8位 帝京大学
5時間16分24秒
個人成績
※( )は通過順位、[ ]は区間順位
1区 9.5㎞
島子公佑(営2)
28分25秒(13)[14]
2区 11.1㎞
桑田駿介(経1)
33分23秒(16)[17]
3区 11.9㎞
伊藤蒼唯(政3)
33分39秒(8)[2]
4区 11.8㎞
谷中晴(経1)
33分44秒(5)[3]
5区 12.4㎞
村上響(地2)
36分28秒(5)[5]
6区 12.8㎞
安原海晴(商2)
37分24秒(5)[3]
7区 17.6㎞
篠原倖太朗(地4)
49分57秒(3)[1]
8区 19.7㎞
山川拓馬(営3)
27分09秒(2)[1]

戦評

1区

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(撮影:橋本佳達)

1区を任されたのは島子公佑。三重県出身の島子にとって、念願の全日本出走となった。序盤から各校がけん制し合い、スローペースの展開となった1区だが、残り200メートルで試合が動く。日本体育大が前に飛び出すと、力を温存していた各大学が一気に飛び出し、区間賞争いに。集団からこぼれる大学が増える中、島子も何とか食らいつくがわずかに及ばず、1位と7秒差の13位でタスキリレー。「戦力にならなかった」と悔しさをあらわにし、箱根でのリベンジを誓った。

2区

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(撮影:藤原菜那)

当日変更で2区を任されたのは1年生の桑田駿介。先頭を行く日体大から7秒差の13位でタスキを受けるが、ペースが上がらず後退。先頭が区間新ペースでレースを展開する中、その差も徐々に広がっていく。桑田はその後も懸命に足を進めるが反撃はかなわず、順位を3つ落として16位、トップから2分33秒差でタスキを渡した。区間順位も17位と伸び悩み、桑田にとって初の全日本は苦しいレースとなった。

3区

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(撮影:野口友花)

先頭の青山学院大と2分23秒差でタスキを受けたのは3年の伊藤蒼唯。最初の5キロを突っ込み、「最初の5キロは突っ込んで入ろうと思っていた」という伊藤は、プラン通りに序盤からハイペースを刻む。2.8キロ地点までに4人を追い抜き12位まで順位を戻すと、その後も快調に飛ばし、8キロ手前で大東文化大、日体大、日本学連選抜をまとめてかわし、9位に浮上。最後に早稲田大を追い抜き、先頭青学大と1分44秒差の8位まで順位を押し上げた。8人抜きの快走でチームの流れを引き戻した伊藤は区間2位に入り、後続にタスキを託した。

4区

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(撮影:中村真子)

4区で三大駅伝デビューを果たした谷中晴は序盤から快走。2.5キロ地点で帝京大と競り合い7位に順位を上げる。その後もペースを崩さず、順調な走りを見せ、8キロ過ぎには中央大を抜き6位に浮上。終盤に差し掛かると、東京国際大を抜き、追い上げを見せ5位でタスキをつなぐ。33分34秒で三大駅伝デビュー戦ながら区間3位に入り、3人抜きの好走を見せた。

5区

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(撮影:宮田瑞希)

昨年度はメンバーに入りながらも出走することができず、悔しい思いをした村上響が5区を任された。前を走る青学大と2分25秒差の5位でタスキを受け取ると序盤からハイペースで前を追うが、なかなか前との差が縮まらない。終始単独走となり、終盤には向かい風や暑さの影響で苦しい表情を見せたが、粘りの走りで1位と2分32秒差の5位で同学年の安原海晴にタスキをつないだ。

6区

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(撮影:石田彩音)

同学年の村上からタスキを受け取りスタートしたのは、前回大会までこの区間を3年連続で走っていた安原太陽(24卒・現Kao)の弟である安原海晴。トップを走る青学大と2分32秒の大差が開いていたため、序盤から三大駅伝デビュー戦ながら攻め込んだ走りを見せた。終盤には前を走っていた城西大学を射程圏内に入れそのまま中継所へ。区間3位の好走をした安原は「楽しんで走ることができてよかった」と振り返り、箱根を期待させるレースとなった。

7区

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(撮影:横張日好)

7区を走ったのは藤田敦史監督が全幅の信頼を寄せる篠原倖太朗。出雲の敗戦を重く受け止めているという篠原は『次こそは勝たせます』と意気込み、エース区間を走り出した。篠原は出だしから快調な走りを見せ、5位で受け取ったタスキを9キロ過ぎで3位まで押し上げる。青学大と國學院大が先頭争いをする中、篠原は快走を続け、先頭との差を10秒縮める歴代3位の好記録で区間賞を獲得。最終8区にタスキを渡した。

8区

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(撮影:中村真子)

主将の篠原からタスキを受け取ったのは、昨年も8区を走り、区間賞を獲得した山川拓馬。「状態は悪くなかった」と話す山川は、序盤から歴代日本人最高記録を上回るハイペースで入る。「突っ込んで入り、そのまま一定のペースで走るレースプランだった」とペースを落とさず先頭を猛追し、中継所では2分37秒差があった青学大を残り3キロ過ぎで抜かすと、1位の国学大も射程圏内に収める。しかしわずかに及ばず1位と28秒差の2位でゴール。花尾恭輔(24卒・現トヨタ自動車九州)が持っていた従来の駒大記録を21秒塗り替え、日本人歴代2位の好タイムを記録するも、試合後「坂でペースを落としてしまったため課題が残る」と反省を口にした。

戦評:野口友花、大塩希美、安部宗太朗、横張日好、小松彩乃、宮田瑞希、橋本佳達
執筆者:野口友花

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