【陸上部夏合宿インタビュー特集】Vol.4 藤田敦史監督
昨年の出雲、全日本を制し、二冠を達成するも、箱根を準優勝で終え、三冠へのリベンジを誓う駒大陸上部。コマスポでは、来たる駅伝シーズンに向け、夏合宿中に注目選手、監督へのインタビューを行った。
4日目の今日は、監督2シーズン目を迎える藤田敦史監督(47)のインタビューを紹介する。
ーートラックシーズンを振り返って
「新チームになった春のトラックシーズンは、Sチームでやっている佐藤圭汰(経3)や篠原倖太朗(地4)などが、日本のトップレベルと戦えるような試合の中でしっかりと結果を出してくれたことは素晴らしかったと思う。関東インカレではルーキーの桑田駿介(経1)が5000mで自己ベストを出して5位入賞を果たしたり、上のクラスでやれている選手たちに関しては、しっかりと他大学に遜色ない、もしくはそれ以上の結果を出してくれたと思う。それ以外の中堅クラスの選手たちが、なかなかトラックで結果を出すことができなかったことが反省」
ーーこの夏のテーマは
「春になかなか収穫を得ることができなかったので、トラックシーズンの反省を踏まえ、どこかでそれを取り戻す期間が必要だと思う。関東インカレが終わってから一度腰を据えて、菅平での選抜合宿などでも良い練習をしてきたおかげで、7月のホクレンディスタンスや学連の記録会では何名か自己ベストを出すことができた。少し夏の合宿に向けて浮上できた部分があり、その流れを汲んで全体合宿に来た。しかし、春からの不調を取り戻せたというところまではチームとしていけていなかった部分があったので『春からの出遅れを取り戻すこと』をひとつのテーマにした。全体としてはチームの練習をAチーム、Bチーム、Cチームに分けて行うが、昨年の夏合宿の練習の消化状況があまりよくないこともあったため、今回は特に『練習の継続性』をテーマに、一人一人が春からの出遅れをしっかりと取り戻す期間にしようとスタートした。志賀高原での合宿は明日(8/27)が最後のポイント練習になるが、ここまではチームとして全体的にしっかりとした練習を積むことができていると思うので、今のところは練習の継続はできていると思う」
ーーチームの雰囲気は
「少しずつだが『駅伝に向かっていくんだ』という雰囲気がチームにで始めた。この夏合宿でそのような雰囲気が出てほしいと思っていたが、それが出てきて良かった」
ーーここまでの夏合宿で成長したと思う選手は
「個々の選手というよりは、篠原が今回チームに戻ってきてくれて、主将としてチームを引っ張ってくれている。昨年は鈴木芽吹(24年卒、現トヨタ自動車)がチームに戻ってきて、先頭を引っ張る姿があった。今年はその役割を篠原が担ってくれている。その篠原をみんなが追いかけていく姿があり、篠原に追随しているのが伊藤蒼唯(政3)や山川拓馬(営3)といった選手で、そこに下のレベルにはなるが1年生がそれを追いかけていく姿が見えている。特に今年は1年生が力あるなしに関わらず意欲的にやってくれている。この秋以降、1年生の活躍が楽しみ」
ーー監督に就任して2年目だと思うが、昨シーズンと比べて選手への向き合い方や練習内容など変化させた点は
「練習自体は大幅には変えていない。自分自身、1年間経験できたことで経験値が備わったので、昨年の反省を生かしながら、練習のスケジュールや選手への接し方など工夫できていると思う。選手たちがどのように考えているか分からないが、結構厳しめのことも言うようになったとは思う」
ーー三大駅伝への抱負
「昨年度は2年連続三冠という大きな目標があり、それの達成のために色々な強化を進めていた。そのため昨年は、ある程度の力が備わっている状態で、いかに三冠を達成できるかという部分に1番神経を使った。今年は強い世代の4年生が全て抜けたので、しっかりと育成していかなければならないシーズンになった。力が元々備わっていない状態からスタートしなければならないため、一人一人もそうだがチームにも一つ一つ自信をつけさせることが、一番大事になってくる。そのような意味から、鼻から三冠とは大きくは言えないところがあり『まずは出雲』と思っている。出雲であれば、駒大の選手でも充分優勝を狙える戦力は整っていると思う。いかにその選手たちを作り込んで、出雲に出場する際『駒澤やっぱりきたな』と思ってもらえるようなチームを作り、実際に出雲で勝つことができれば、その後の全日本、箱根に向けてもチームとしてしっかりとステップアップしていけると思う。『まずは出雲を獲りにいきたい』という思いでやりたいと思う」