【紙面連動企画】陸上部OB高林祐介氏、コーチとして歩む新たな道
今年6月、駒大OBである高林祐介氏(34)が陸上競技部のコーチに就任した。12年ぶりに母校を訪れ、コーチとしての陸上人生を歩んでいく高林氏に、就任の経緯や意気込みについて聞いた。
※インタビューは7月上旬に行いました。
プロフィール
1987年7月19日三重県伊勢市出身。上野工高(現・伊賀白鳳高)に入学し、高校2年次は全国高校駅伝に出場した。駒大へ入学すると3代駅伝に計11回の出場を果たし、そのうち区間賞を7度獲得。4年次には主将も任された。
卒業後はトヨタ自動車に入社し、1年目からニューイヤー駅伝に出場すると区間新記録を叩き出し優勝に貢献した。その後、2016年のびわ湖毎日マラソンで陸上選手を引退。
インタビュー
――陸上選手を引退後、コーチ就任へ至るまでどのように過ごしてきたか
「会社に残り、人事管理や人材育成に関わる仕事をしていた」
――大学卒業後、監督とプライベートでの親交はあったか
「愛知にいたため、全日本大学駅伝の時期に部のサポートをさせていただいており、年に1度は必ず関わりを持たせていただいていた」
――コーチ就任に至った経緯
「大八木弘明監督を始めとした色々な関係者の皆様とのご縁があり、コーチ就任となった」
――駒大陸上部のコーチに就任しようと思った理由
「大八木監督や藤田敦史ヘッドコーチの存在があったから」
――元々コーチをやりたいという思いがあったのか
「学生時代から陸上競技を通じて指導者になりたいと考えていた。選択肢を広げるため、教員免許やスポーツ指導者の資格なども取得していた」
――コーチに就任して感じること、思うこと
「まずは受け入れてくださった駒大陸上部への感謝の気持ちが大きい。そのご恩をコーチの仕事で返したいと思っている」
――大学時代の寮生活について、懐かしく感じることは
「寮母の大八木京子さんに作っていただく寮の食事。一時的に単身赴任で来ていたためご飯をいただいていましたが、懐かしい気持ちになった。改めて、選手たちに栄養のある食事を作る姿を見て、選手たちは幸せだなと感じた」
――大八木監督とともに駒大陸上部を指導することへの思い
「自分の師とする方の背中を見て学び、人間として成長できるように精進したい」
――「教える」立場になり、難しいことや気をつけていることは
「親御さんから大切なお子さまを預からせていただいていることは留意している。競技成績など、全員が良い結果を出すことができれば最高だが、競技の世界はそこまで甘くない。一人の人間として、胸を張って社会に飛び出してもらえるように、時には厳しく優しくサポートできたらと考えている」
――大八木監督の指導法は高林コーチの現役時代と比べて、変化はあるか
「根幹は変わらないが、時流に合わせてうまくアレンジされており、日々進化している印象を受けた」
――選手との距離はどのような感じか
「まだ来て1ヶ月であるため、なんとも言えない距離感(笑)。陸上の話に限らず、他愛もない話をする」
――今年の駒大陸上部をどう見ているか
「田澤廉(経4)や佐藤圭汰(経1)など、世界に飛び出す選手も出てきており、良い流れが作れていると思う」
――注目する選手は
「上級生。彼らが行動で見せることでチームの向上につながる」
――OBとして選手にかけたい言葉は
「目標を見定めて、目先のことにとらわれずに努力してほしい」
――最近ハマっていること
「毎日ランニングを始めた」
――コーチとしての目標と意気込み
「大八木監督や藤田ヘッドコーチのもと、陸上部の目標が達成できるよう、自らの役割を全うして頑張りたい」