硬式野球部

DATE:2023.10.16硬式野球部

投打噛み合い、降格後即2部優勝を果たす!

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優勝を決めた駒大(撮影・廣岡良祐)
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2安打の活躍の大森(撮影・熊木桃)

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決勝打を放ち、守備でも活躍した薩美
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試合後インタビューに答えた大森(左)と髙井(右)

東都大学野球2部秋季リーグ対拓大1回戦が10月16日、大田スタジアムにて行われた。

2回に⑦薩美進之介(法4)の適時二塁打で先制すると、続く⑧角田蓮(法3)の内野ゴロで追加点。5回には大森廉也(法4)が適時打を放ち、3点目を奪う。先発の髙井駿丞(経3)は5回裏、1死二、三塁で内野ゴロを遊撃手角田が失策し1点を失う。6回からは山川大輝(営3)、東田健臣(商3)の盤石リレーでリードを守り抜き、3対1で勝利。駒大は平成29年秋季以来の2部優勝を果たし、1部昇格に向け、入替戦への出場権を得た。

結果とメンバー(駒大のみ)は以下の通り。

チーム/回123456789
駒大 0 2 0 0 1 0 0 0 0 3
拓大 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1

◆打者成績
守備位置選手
1 (D) 渡邉 4 1 0
2 (9) 工藤 4 0 0
H9 西田 1 0 0
3 (5) 4 1 0
4 (3) 神宮 3 0 0
5 (8) 大森 3 2 1
6 (7) 三浦 4 0 0
7 (2) 薩美 3 1 1
8 (4) 角田 4 0 1
9 (6) 髙田 2 0 0

◆投手成績
投手被安自責
○髙井 5 19 5 0
山川 1 5 2 0
東田 3 13 2 0

戦評

日曜日に予定されていた試合が雨天中止となり順延されたこの試合。月曜日にも関わらず三塁側駒大スタンドは多くの部員やOBであふれた。集中応援日ということもあり応援指導部ブルーペガサスによりタオルや小旗、トートバッグが配布され、熱い応援を演出した。

マウンドに上がるのは今季8度目の先発の髙井。初回は②竹花(拓大)に安打を許すものの、薩美の好送球による盗塁阻止もあり無失点。毎回のように走者を背負うも得点を与えない。

打線は2回、1死から好調の⑤大森が中安で出塁すると、続く⑥三浦颯斗(法4)が放ったゴロで、併殺を焦った遊撃手の送球エラーにより出塁。この間に大森は三塁に到達。1死一、三塁で⑦薩美が左中間を破る適時打を放ち先制。先発の宮下(拓大)をノックアウトした。続く⑧角田の二ゴロの間に三塁走者三浦が生還し、2点を先取する。5回には先頭の①渡邉旭(現2)の中安と二者連続死球1死満塁にすると⑤大森が一二塁間をしぶとく破り追加点。リードを3点に広げる。

4回まで被安打3ながら無失点で耐えてきた髙井であったが5回に2本のヒットと暴投により1死二、三塁に。すると⑧業天(拓大)が放った内野ゴロを遊撃手髙田がファンブルし1点を失う。観戦に来ていた中畑清氏は「普通のプレーだからこそもったいない」と指摘。髙井はマウンドにうずくまるも、すぐに気持ちを切り替える。後続を三振と左飛に抑え、最小失点で切り抜けた。

6回からは5戦連続登板の山川。2本の安打で2死一、二塁のピンチを迎えるも、⑥加藤(拓大)を146キロのストレートで空振り三振に封じる。チーム最多登板の疲れを感じさせない投球であった。

グラウンド整備後の打線は5回までの活発な流れと打って変わり、拓大リリーフ陣の打たせて取る投球の前に凡打の山を積み重ねる。6回以降、三振は1つのみにも関わらず、左横手投げの内山(拓大)からは打者12人が無安打に。右上手投げの浜口(拓大)からも打者5人が無安打と完璧に抑え込まれた。

7回のマウンドには今季9登板目の東田。リーグトップの防御率を誇る左腕が拓大打線を封じる。8回には二塁打と四球で2死一、二塁の場面を招く。髙部(拓大)を150キロに迫るストレートで空振り三振に抑えると、スタンドにも響く声で大きく吼えた。
優勝がかかった9回のマウンドも東田。死球と安打で一、三塁にするも、続く打者を浅い左邪飛に。最後の打者の右飛を西田翔哉(法1)が捕球し試合終了。見事に2部優勝を勝利で決めた。

9勝1敗での優勝を収めた駒大。成績だけを見ると圧倒的な力で勝ち進んだように見えるが、主将で扇の要の岩本皓多(経4)が骨折、投手のエーアンリン(現3)、松村青(商3)はコンディション不良により離脱という苦しいチーム状況だった。しかし、大倉孝一監督の「入替戦後からは選手全員が横一戦からの競争だった」という言葉に表れるように多くの新戦力が台頭。ベンチ入りの経験が無かった4年生の三浦がスタメンの座を守り続けた。2年生の原は初安打を記録すると、終盤にはクリーンナップに定着。投手陣では仲村竜(営2)はノーゲームになったものの初先発を記録し、山川は勝ちパターンに定着、本間葉琉(法1)が初登板を果たした。新たな力が躍動した秋季リーグ。1部昇格を目指すチームの勢いと実力は十分にある。

インタビュー

◆大倉孝一監督

――2部優勝という結果を受けて
「(昨秋の)入替戦で負けた時点から秋の入替戦のためにやってきた。まだ通過点」

――この秋のチームを振り返ってみて
「ピッチャーの系統、コントロールがままならず、計算ができないという春の課題をまず修正してきた。計算しながらピッチャーをつなぐことができている。これは一番大きい。計算しながらゲームを進めることができている」

――これは入替戦(短期決戦)勝ち抜く上でも重要になるか
「短期決戦になったら何がどうなるかわからない。野球をする上では基本中の基本。短期も長期もない。ある程度野球ができるような形になったから負けなしでゲームができた」

――どういう課題を持ってこれからの時間を過ごすか
「課題というか、今までやってきたこと、バントの失敗、走塁の精度、右打ち。1ヶ月あるので調整はできないが、ピッチャーの方はフィジカル含めもう一度作り直す」

――監督から見て高井選手が1番成長した点は
「外のコントロール。出し入れができるようになったこと。そこの出し入れができないと球速のあるピッチャーじゃないので組みたたないし、イニングは持たない。2イニング、4イニングで降りているケースはあるが、外の出し入れがだいぶできるようになってきた」

――選手の意識や勝負強さは変わったか
「勝負強いというか、やらなければいけないことを積み重ねていくという目付ができてきた。ピンチでエラーするわけでもなく、チャンスで打つわけでもない。何かが強くなったわけではないが、やらなければならないプレーを遂行するという強さがついた。勝負強さとは言わないかもしれないが」

――キャプテンの岩本選手は監督から見てどういう働きをしてくれたか
「岩本がふらふらしてればチームはこんなになるだろということを言われても、多分聞いてないと思う(笑)。「はい!」って言いながら受け止められる。いい雰囲気を作る男。もう少し学習してほしいけれど(笑)」

――手を骨折しながらも岩本選手をベンチに入れているのはそれだけの信頼があるからか
「当然骨折で出さないが、いるといないとでは本気が違うし、キャプテンの仕事をしなければならない」

◆岩本皓多(経4)

――率直な感想は
「優勝は嬉しいし、目標というか1部に上がることだけをみて春からやってきたので嬉しいが、通過点として1部に上がれるようにこれから1ヶ月しっかり練習を詰めていきたい」

――春はかなりチームとして落ち込んだと思うが、どのようにして這い上がって来られたか
「春は練習でやろうとしたことが出来なかったので、みんなの意識ややることは変えずにそれを徹底的にこのリーグ戦に向けてやってきた」

――大正大戦でデッドボールを受けたと思うが
「親指の骨を骨折した」

――グラウンドに立つことは出来ないが、ベンチに入ってチームのキャプテンとしてどのようなことに気をつけて仕事をしたか
「あまりベンチから試合を見たことがなかったが、選手の出迎えなど自分のやれることを精一杯しっかりやろうと心がけた」

――(試合に)出られない難しさや悔しさは我慢しなかったか
「悔しいが、みんなが頑張っている姿を見てから、一緒に頑張って勝ちたいなという気持ちが強くなったことでやることをしっかりやってきた」

―グラウンドに立てない中でモチベーションどのように維持したか
「1部に絶対上がって後輩たちにつなげたいという気持ちだけ」

――完治はいつ頃か
「入替戦に出たいので、完治してなくてもやろうと思う」

――入替戦でどんなプレーをしたいか
「どこが来るかわからないが、自分たちのやることは変わらないので相手が誰だろうと自分たちの野球が出来ればいい」

◆大森廉也(法4)

――(試合を終えて)今の率直な気持ちは
「自分たちの代で2部に落としてしまったから、まずは入替戦に行くのが絶対だと思っていた」

――去年の春は首位打者で活躍したが、今年の春、秋は本来のバッティングではなかったと思う、この秋と比べると何が違ったか、どこが成長したのか
「一球で仕留められるかというのが全て。秋と春は一球が仕留められなかったのが原因。精神的にもメンタル的にも整理がついたので秋はなんとか」

――入替戦にどこのチームが出てくるかわからないが、好投手が大勢いる。それに対して臨む思いは
「いいピッチャーは多いが、やはり同じ4年生だからレベルは対等だと思っている。それに関しては怯まずにいきたいと思う」

――この秋は8試合先発でエースとしての役割を果たしたが、今の率直な気持ちは
「まず、8試合投げさせてもらえたことはありがたいことだと思っている。春の入替戦は自分のせいで負けてしまった。その責任を少しでも果たすことができればと思っている。また入替戦があるからしっかりそこを見て、一個でも上手くなれるようにやっていこうという気持ち」

――春に悔しい思いをしたと思うが、それに比べて自身が秋に成長したと思うところは
「一球一球集中するということをやってきた。とにかく、感情的にならないということを監督からも言われてずっと取り組んできた。それがだいぶピッチングに出てきた」

◆髙井駿丞(経3)

――今日は大事な一戦だったが、どう臨んだか
「とにかく今日の一戦で終わらせて、1日でも早く入替戦に向けてやりたいと思っていた。今日自分が絶対0で押さえてやるんだという気持ちで臨んだ」

――実際に(試合を)振り返ってみて
「5回で連打されたところもあったし、ショートの髙田さんがエラーしてしまったのも、そこに難しい当たりを打たせてしまった自分の責任。そこはもっと入替戦までに詰めて行ければと思う」

――(入替戦で好投手と投げ合うわけになるが)意気込みは
「対戦するのはそれぞれのチームだと思う。自分はいつも通り一人ひとりアウトをとって最後まで行けたらいい。それか、後ろに山川、東田がいるからそこに0でつなぐということをずっと念頭に置いてやっていた。そこはあまり意識せずに(いきたい)」

執筆者:小川裕貴

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