陸上競技部

DATE:2023.11.20陸上競技部

上尾シティハーフマラソン 選手・監督インタビュー

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(撮影:宮澤希々)

 第35回上尾シティハーフマラソンが11月19日、埼玉県上尾市内で行われた。駒大からは7名が出場。白鳥哲汰(経4)、庭瀬俊輝(法3)、植阪嶺児(経1)が自己ベストを更新した。結果は以下の通り。

◆ハーフマラソン 男子大学生の部
順位
名前
タイム
7位
白鳥哲汰
1:02:14 ★自己ベスト
8位
庭瀬俊輝
1:02:15 ★自己ベスト
11位
安原太陽(地4)
1:02:34
13位
花尾恭輔(商4)
1:02:39
22位
小山翔也(経1)
1:02:59 ※初ハーフ
64位
植阪嶺児(経1)
1:04:09 ★自己ベスト
174位
唐澤拓海(市4)
1:06:20
203位
赤津勇進(現4)
1:07:08

インタビュー

◆白鳥哲汰

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(撮影:中西真雪)

ーー今日の調子は
「良くはなかったが、練習は積めていたので比較的自信を持って臨めた」

ーー今日の目標、レースプランは
「レースプランとしては前半着いていって、後半しっかり勝負し、2番以内というのがあった。前半引っ張らされたこともあり、自分がレースを作ったという部分ではよかったが、自分の中ではあまりよくなかった」

ーー監督からレース前になにか言われていたか
「藤田監督からは『ここ(上尾ハーフ)が一つ、箱根を選ぶ上で大事な局面になってくるから、しっかりこだわっていくように』と言われていた。大八木総監督からは『ニューヨークハーフに連れて行ってくれ』と言われていた。そう言っていただいた分、自分も頑張らないとと思っていた。ニューヨークハーフというところに届かなかったので、そこはあまり(上手くいかなかった)。61分台も狙っていたので、そこもあまかった」

ーー昨年の上尾ハーフはチーム内最下位だったが、それを意識することはあったか
「昨年はまっていなかった分、レース前は少し心配な部分があった。いざスタートしてみると、動き出しが昨年と全然違った。そういった面では(練習が)継続できたところがあったかなと思う」

ーーチーム内の争いが厳しいと聞くが、ここでひとつアピールできたのではないか
「4年生として『箱根を走りたい』という気持ちが人一倍強いと思う。まだ決まったわけではないので、体調管理などに気をつけていきたい。ここで一つ走れたということは、自分で評価しながらやっていきたい」

ーー自己ベストを更新したが
「1時間1分台は出なかったが、自己ベストを出せた。春はトラックで、冬はハーフということで、2本出せたのはよかった」

ーー今後の目標は
「箱根しか駅伝は残っていない。とりあえず箱根が終わるまでは、箱根をしっかり出走するという目標に向けて、一つひとつこなしていきたい」

◆庭瀬俊輝

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ーー今日の調子は
「よかった」

ーー今日の目標、レースプランは
「ラストスパート勝負まで先頭集団について、最後に得意のスパートで前に出る。他大や駒大の選手に勝ってニューヨークシティハーフマラソンの出場権(日本人1、2位)を獲得することが目標だった」

ーー今日のレースを振り返って
「2週間前、練習中に足を捻挫してしまったり、今日のレースでも途中転倒してしまったりと走っている時の余裕度のなさというのがそのまま現れたレースだった。13km地点辺りで転倒してしまい、前の集団に追いつくことができず、ズルズルと離れていった。ラストでまくことができたが、先頭集団に追いつくことができなかったのが、かなり悔しいレースになった」

ーーチームのミーティングで藤田敦史監督から「他大のエース級の選手たちに競り負けたことが課題」という話があったが
「今年度のチーム目標が2年連続3冠を掲げる中で、篠原(倖太朗、地3)や(鈴木)芽吹(営4)さん、(佐藤)圭汰(経2)などのエース級の選手を除いた時に、自分たちその他の選手の弱さというのが出た。本当は勝たなくてはいけないレースだったのに不甲斐ない結果になった」

ーー結果としては4月から自己ベストを更新する形となったが
「1時間03分15秒が持ちタイムだった。そもそもこのタイムが余裕度を持って出したもの。タイムは出ると思っていた。レースを走っている中で途中61分台が見えたが転倒があって、なかなか上げることができずに、62分かかってしまったところが悔しい」

ーー転倒に関して具体的には
「13km地点で誰かとぶつかって、気がついたらコケていて・・・。(手のひらも足も傷だらけで)ズタボロ(笑)。『あーあ』って少し落ち込んだ」

ーー全日本は現地でサポートに当たっていたが、現地を肌で感じてどうだったか
「出雲や全日本に出走したメンバーというのは、勝ったことにすごく喜びを感じていた。しかし補欠として行くと、チームのことなのでうれしいことはうれしいが、本当に心からは喜べないというか。『自分も走りたかったな』という気持ちがその分強くなって、悔しい思いがあるので、箱根ではしっかり走って心から喜べるようにしたい」

ーー箱根の希望区間は
「自分の実力で『ここを走りたい』とかは正直なくて。ただ、ラストスパートにも自信があるし、単独走でのスタミナにも自信がある。どの区間を任せられても区間賞争いができるように頑張りたい」

◆安原太陽

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ーー今日の調子は
「全日本が2週間前にあって、かなり暑い中追い込んだのでその疲労はあった。ただ、その中でもちゃんと合わせるのが強さだと思っているので、多少の疲労はあったが最低限合わせられるようにしてきた」

ーー全日本が終わってからどのように調整してきたか
「1週間しっかり落として、次の1週間は距離走など、いつも通りの流れで練習して調整した」

ーー今日の目標やレースプランは
「例年前半ゆっくりなので、ちゃんと落ち着いていって後半上げていくというレースプランを立てていた。ことしはかなりハイペースで、後半しっかり耐えたかったが疲労がかなりあってラスト5kmで(ペースを)上げられなかった」

ーー今日の走りを振り返って
「前半はかなりいいペースで行けたが、15km以降何回か攣ってしまい、ラストも上げきれなかった」

ーー監督やコーチから何か言われていたことは
「総監督からは『ここでしっかり結果を出さないと箱根では使えない』と言われていた。藤田さんからも『ここで走れると証明しないと箱根では使えない』と言われていた」

ーーことし1年間の練習やレースを通して、どうだったか
「トラックシーズンは学生個人から始まり、かなり良い成績を収めることができて、色々な経験ができた。駅伝シーズンに入って、夏合宿で少し距離を踏めなかったが、ここまで良い状態でこなせてきたと思う」

ーー監督からはかなり厳しい言葉があったと思うが、箱根に向けての課題は
「走らないといけない立場なので、そこをしっかりと意識していきたい。今後合宿があるので、そこでしっかり距離を踏む。今回のレースで後半がだめで、疲労もあったがスタミナ不足なのが明確になった。スピードの部分では今シーズンかなり良かったが、スタミナの部分で弱さが明確になったので、残りの期間、距離走などで補っていかなければいけないと思った」

ーー箱根に向けて
「距離が長いので、自分が得意とするスピードでレースを組み立てるのではなく、距離に対応しなければいけない。今回与えられた区間の中で自分の走りを全うして、役割を果たすのを第一に、2年連続の3冠につなげていきたい」

◆花尾恭輔

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ーー今日の調子は
「調子はぼちぼち。夏に練習が積めていなかったので、その分が出たというのがあった」

ーー今日の目標、レースプランは
「特になくて。62分台を出せればいいと思っていたので、最低限のところまではいったが、まだまだ」

ーー今日のレースを振り返って
「レース自体が7か月ぶりと復帰戦だったので、ひさしぶりのレースできつかった」

ーー駒大の中では、上尾ハーフは「箱根の選考レース」と呼ばれることもある。その点を意識はしていたか
「意識していた。負けたくはなかったが、体が動かなかった」

ーー出雲、全日本とサポートメンバーとしての参加になったがどうだったか
「全日本は走れるところまで来ていたので、走りたかった。ただ、ずっと駅伝を走ってきた立場でサポートになって分かることもあるので、学びがあった駅伝だった」

ーー全日本後の藤田敦史監督からの「花尾は走らないといけない選手」というコメントを受けて
「本当に走らないといけない立場だと思う。最後、後輩に残せるものは残せるような走りをできたらいいと思う」

ーー箱根に向けて
「箱根は昨年度出られなかった悔しさと、ことし1年の苦しさをぶつけたいというのと、最後なので悔いのない走りをしたい」

◆小山翔也

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(撮影:大﨑陽凪)

ーー今日の調子は
「だいぶ状態も良く、積極的なレースでタイムを狙おうと思っていた」

ーー今日の目標やレースプランは
「先頭集団について、タイムは62分30秒、順位は駒大の先輩たちについていくことを目標としていた」

ーー初めてのハーフマラソンで62分台という好記録だが
「タイムは62分台には乗ったが、目標にしていた62分30秒が出せなかった。他大学の1年生や駒大の選手と比べたときにも、まだまだ力が足りていないので、自分としては満足できる結果ではないと思っている」

ーー今日の走りを振り返って
「10km手前で集団から離れてしまったり、13kmできつくなったりと自分の課題であるスタミナ不足をハーフを走って、改めて感じた。しっかりとスタミナを鍛えていきたいと思う」

ーー監督やコーチから何か言われていたことは
「『ハーフを走れないと箱根は見えてこない』とは言われていた。ハーフをしっかり走ってアピールする、という気持ちで臨んだ」

ーー全日本はメンバー入りを果たし現地でサポートをしていたと思うが、実際に駅伝の雰囲気を肌で感じてどうだったか
「出雲は寮に残ってテレビで観戦という形だった。全日本で現地に行って、緊張感などをすごく感じることができた。自分の力の無さや『ここで戦わないといけない』ということを感じた」

ーーことし1年間、練習などはどうだったか
「春先は練習がだいぶ積めていたが、夏場に継続して練習が積めなかった。夏合宿も思うようにできなかったが、その後からは徐々にできているので、今後も継続した練習ができるようにしていきたい」

ーー今後に向けて
「まずは箱根があるので、そこにしっかり絡みたい。課題であるスタミナもしっかりつけて、勝負できる強い選手になりたい」

◆植阪嶺児(経1)

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ーー今日の調子は
「いつもより少しよかったくらい」

ーー今日の目標、レースプランは
「最低限62分台というのが目標だった。最初の15kmくらいはそのまま落ち着いていくというのを考えていた」

ーー監督・コーチからなにか指示は
「特にない」

ーー今日の走りを振り返って
「最初入ってから前半、すでにきつくて後半は粘るだけのレースになってしまった。タイムとしても64分かかってしまい、スタミナにまだ不安がある。この走りでは箱根のメンバー入りにも絡めないし、全然だめだと思った」

ーー10月の第35回会津若松市鶴ヶ城ハーフマラソン大会(鶴ヶ城ハーフ)では1時間9分0秒という結果だった。2度目のハーフマラソンだが、スタミナに不安があるということで、苦手意識があるのか
「鶴ヶ城ハーフは練習の一環として、ペース走として出場した。その時はかなり気持ちよく走れていた。しかし今回は前半から苦しくなってしまったため、スタミナをもっとつけていきたい」

ーー次のレースに向けて
「次のレースはまだ決まっていないが、箱根のメンバーに入っていけるように、練習をしてしっかりアピールしていきたい」

◆唐澤拓海

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ーー今日の調子は
「今日はあまり良くなかった。練習があまりできていない状況で、(集団に)着くだけで精一杯のレースになってしまった」

ーー今日の目標やレースプランは
「目標は特になかった。レースプランは、できるだけ力を使わないよう集団の中で走り、ラストで前に出られたらいいなと思っていた」

ーー監督やコーチから何か言われていたことは
「何も言われていない」

ーー今日の走りを振り返って
「あまり満足いく結果ではなかった。1年間準備してきた選手に勝つのはやはり難しいと感じた。準備は大事だと学べたレースだった」

ーーことし1年間はどうだったか
「夏合宿は故障で1回もポイント練習をしていないので、あまり良い1年ではなかったという印象」

ーー今後に向けて
「今後は箱根は難しいと思うが、それでもやり遂げるのが競技として、スポーツ選手の性(さが)だと思う。しっかりやりきりたい」

◆赤津勇進

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ーー今日の調子は
「完全に準備と気合いがまずい方向に向かってしまった」

ーー今日の走りを振り返って
「目標タイムとしては、1時間2分台前半をとろうと思っていた。最初から粘って、最後あげることをプランにしていたが、序盤から腹痛がきて、完全に自分の実力の半分も出せずに終わってしまった」

ーー監督からレース前になにか言われていたか
「『記録を狙っていくように』と言われたが、応えることができなかった」

ーー全日本から2週間でのレースになったが、ここまでどのように準備をしてきたか
「疲れをとることはもちろん、今回なった腹痛にも前々から悩まされていたので、腹痛にならないように準備もしていた。その準備も虚しくなってしまった」

ーー全日本では区間賞獲得したが、藤田監督からは「またリセットして箱根メンバーを決める」という話もあった。箱根のメンバー争いについては
「安心できない」

ーー今後の目標
「終わってしまったことは仕方がない。今後の練習を外さないようにして、自分はまだ走れるということを証明していきたい」

◆藤田敦史監督(47)

ーー今回のレース全体を振り返って
「このレースは昨年度円(健介、23年卒)と赤星(雄斗、当時法3、現在4年)が日本人1、2位でニューヨークシティハーフマラソンを決めたレースで、駒大としての強さを発揮できたレースだった。今年度も風がなくて条件は良かったので、タイムは出るだろうと思っていた。そうなると大切なのは『勝負』。『他大の選手とどういう勝負ができるか』をテーマに送り出して、最後まで上位2人に絡むことができなかったのが、チームとしての反省点」

ーー箱根のメンバー選考レースと呼ばれることもあるが、今回走ったメンバーはそのような位置づけか
「このメンバーで言えば、それぞれ状態が違う。唐澤や花尾は復帰に向けて。全日本を走った赤津や安原太は疲労がある中でやっている。補欠だった白鳥、庭瀬、小山、植阪がいて。それぞれの状態というのがあった。その中でも、上位に絡む勝ち負けのレースをやって欲しかった。できればずっと先頭にいた白鳥と安原太が最後まで(勝ちきって欲しかった)。(日本人トップの)山口智規くん(早大)が非常に強かったと思っていて、及ばなかったかもしれない。しかし、その後の松永怜くん(法大)などとの争いに、加わって欲しかった。安原太に関しては疲労もあったと思うが、山口くんも同じように全日本をやってレースに出ている訳なので、言い訳にしかならない」

ーー上尾ハーフは箱根に対して、どのような位置づけなのか
「合宿に入る前の最後のところなのでハーフでどれくらい出せるかという位置づけとして出している。コースも平坦に近く、気候もいい。タイム的には昨年も円健介がタイムを出しているので、タイムがでてもおかしくない。やっぱり勝ち負け。そういうレースができるかどうかだった。駅伝になった時は速さだけではなく、強さがないと勝ちきれない。そこの部分がもうちょっと見られればよかった」

ーー世田谷246、上尾ハーフが終わったが
「タイム的には上尾の方が圧倒的に有利。ある意味、246で1年生3人が1時間3分30~40秒台で走れていて、今日も小山が2分台でいった。そのあたりの1年生がハーフの距離にだいぶ対応してきており、3年生に関しても吉本真啓(経3)、庭瀬が2分台ででてきたので、来期に向けて見通しが明るくなってきた。篠原だけでは今の3年生は引っ張っていけない。篠原を含めた3人がでてきたのは収穫。だが、今季に向けては勝たないといけない。勝ちという部分を意識した中では強さを見ることが今回の上尾では、もう一度やり直し」

ーー箱根に向けてキーポイントになるのは
「夏場の走り込みができなかった人が15km以降動いていないという印象。それは安原太や花尾、唐澤。夏場に練習ができていなかった者が後半に落ち込みが見られた。その部分を今度の白子合宿で、練習を積めるか。大事なのは今後の合宿で、箱根に向けてのポイントになる」

ーー箱根に向けて
「年度始めに(鈴木)芽吹の方から『2年連続三冠を目標にしてやりたい』という話があった。しかし私としてはあまり『三冠三冠』と言ってしまうとプレッシャーがかかるので『1つずつだぞ』と言ってきた。意外と私は三冠とは言っていなくて『昨年度のチームに対する挑戦だぞ』と言ってきた。これからは敢えて口に出して『三冠』と言っていきたい。ここまで来たらあと1つだけなので、そこを全力で取りに行かなければいけないのが、今の駒大かなと。そこに対して全力で取り組む。もちろん三冠を取るためにやるが、100年に1回のチャレンジでそこに挑戦できるのも駒大しかない。このような素晴らしいことはない。結果はどうなるか分からないが、チャレンジすることが、今後の駒大に対して非常に大きな財産になっていくと思う。そこに関しては全力で取りに行きたい」

執筆者:大塩希美

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