陸上競技部

DATE:2023.03.17陸上競技部

第99回箱根駅伝インタビュー【復路】

第99回東京箱根間往復大学駅伝競走が1月2、3日に大手町-芦ノ湖-大手町間の合計217.1kmで行われた。駒大は終始前方でレースを進め、4区で首位に立つと、そこから一度も先頭を譲ることなく、走者全員が区間5位以内という圧倒的な安定感で、総合優勝。史上5校目となる3冠を達成し、大手町は歓喜に沸いた。

前回の往路メンバーインタビューに引き続き、今回は復路を走った6区伊藤蒼唯(政1)、7区安原太陽(地3)、8区赤星雄斗(法3)、9区山野力(市4)、10区青柿響(歴3)のインタビューをお届けする。(聞き手:宮澤希々、中西真雪)
(次回は大八木監督のインタビューを掲載予定)

◆6区 伊藤蒼唯 58:22 区間1位

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(撮影:大塩希美)

――箱根当日の調子は
「かなり良かった」

――当日のレースプランは
「後ろから30秒差で来る中大が経験者ということもあり、そこにビビらず突っ込んでいくのが一番良いと思っていたので、最初から突っ込む形で走ろうと思っていた」

―当日変更での出走だったが、いつ頃決まったのか
「1~2週間ほど前のポイント練習。帰山(侑大、現1)も走れてはいたが、直前の足の状態などを考慮したうえで、自分に走るチャンスが回ってきた」

――出走が決まるまでの心境は
「ギリギリということもあり、直前までどちらが走るか分からない状況だったので、走りたい気持ちと選ばれなかった時の気持ちがどちらもあり、かなりドキドキしていた。いざ走れと言われたときは嬉しかった」

――走った中で大変だったところ
「小涌園まではかなり良かったが、宮ノ下からが一番傾斜も急で体にも負荷がかかるので、走っている中でも一番きつくて大変だった」

――自身の走りを振り返って
「前半5kmまでは上りが続くこともあり、かなりきつかった。自分の中では思っていたよりも突っ込んで入れたことで下りに入るまでにいい流れで行けた。徐々に差を離せたのでかなり良かった」

――チームで三冠を勝ち取った気持ち
「今年1年山野さんを中心に三冠の目標を立ててスタートしたチームだったので、それが実現したことはうれしかった。達成はしたがその後を続けないとあまり意味がないと思っているので、来年もまた走れるチャンスが回ってくればまた三冠をしたい」

――今後の目標
「駅伝を走ったり、トラックレースを見たりしても、同期の佐藤圭汰(経1)や山川拓馬(営1)には追い付けていない部分があるので、その二人に少しでも追いつくことを第一に考えて練習したい」

――初めてのテレビ生放送は
「ちょっと緊張して楽しくてという感じだった」

――(隣にいた山野選手に)伊藤選手は肝が据わっているタイプか
(山野)「いや、違います」
(周辺笑いに包まれる)
(山野)「大人びています」

――先輩と距離を詰めるのが上手いと聞いたが
(山野)「全然うまくないですよ(笑)結構まだ距離あります」
(伊藤)「急によそよそしいじゃないですか(笑)」

◆7区 安原太陽 1:03:18 区間5位

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(撮影:髙貫真裕)

――当日の調子は
「ずっと調子も良く、調整もできていた。万全の状態で当日を迎えられた」

――レースプランは
「監督からは『前半抑えて後半上げていく』と言われた。復路組で前日にミーティングをした際に、山野さんから『前半から突っ込んで勝負していこう』という話が出た。自分の中では前半かなり突っ込んでいって、中盤抑えて、後半上げていくレースプランで走った」

ーー自身のレースを振り返って
「前半突っ込んで入っていけたので良かったと思うが、後半3kmでペースを落としてしまった。区間順位が結果的にあまり良くなく、そこの部分が反省点」

――給水は花尾恭輔(商3)選手だったが
「給水は指定していない。ただ花尾がそこの7区の給水になっただけ」

――給水中の「ごめん、ラーメン入れてくるの忘れてた」のくだりはちゃんと聞こえていたのか
「ちゃんと聞こえてた。ばっちり。めっちゃ面白かった」

――好きなラーメンの味は
「博多の豚骨ラーメンと二郎ラーメン」

――二郎ラーメンは重くないのか
「重いけど、白鳥哲汰(経3)に最初勧められて、正直こんなの食べれないと思ったが食べられた」

――白鳥選手とよく一緒に食べに行くのか
「白鳥と(鈴木)芽吹(営3)と。二郎はその3人で、駒澤大学二郎部を作って(笑)」

――もし花尾選手が給水にラーメンを持ってくるならどっち
「花尾が持ってきてくれるのは確実に豚骨だと思う」

――監督からの声で印象に残っているものは
「15km過ぎで『今日の動きはいい。今日のお前ならいける』と言われたのが1番印象に残っている」

――お母さんや弟さんも沿道に来ていたと思うが、それは気づいていたのか
「気づいていた。前日に『ラスト1kmにいる』と言っていて、ラスト1kmぐらいでそろそろいるかなと思っていたら、ちゃんといた」

――三大駅伝全てに出走となったが、チームで三冠を勝ち取った気持ちは
「エース格として走れずにつなぎの選手として全ての駅伝を走った。箱根駅伝に関しては出れるか出れないかわからない状況だった。チームに貢献するという意味でもしっかり自分の役割を果たして、三冠につながったと思っている」

――翌日のテレビの生放送はどうだったか
「やっぱりあれは優勝しないと経験できない景色。非常にいい経験をさせてもらったと思う」

――箱根の優勝で周りの反響は
「三大駅伝の中でも特に箱根は注目度が高い。いろんな人が見てくださっていて、お祝いの言葉をくれた。地元に戻っても市役所に行くなど、色々な方に『おめでとう』と言ってもらった」

――監督の退任はいつ知ったのか
「1ヶ月ぐらい前に寮内でそういったニュアンスの噂が流れていた。実際聞いたのは会見の最後。僕としてはいい形で終われたのではないかと思った。総監督としてチームには関わってもらえるので、変わらず多少の指導はしてもらえるのかなと思っている」

――今後の目標は
「まず、ロードやトラックのレースでもう一段階上のレベルにならなければ、確実に駅伝で使ってもらえる選手になれない。その部分で自己記録の更新やタイトルをとりにいきたい。あとは、最後の三大駅伝になる。今年度は三大駅伝全てに走らせていただいて三冠できたので、そのまま来年度も全て走って三冠して、個人では六冠を目指していきたい」

◆8区 赤星雄斗 1:04:37 区間4位

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(撮影:清水呼春)

――当日の調子は
「絶好調というほどは良くなく、普通ぐらいだった」

――レースプランは
「8区は後半の遊行寺の坂からきつくなってくるので、前半落ち着いて入って後半にギアを変えるというプランを考えていた」

――自身の走りを振り返って
「落ち着いて入るとは言ったが、きつかったので途中の遊行寺の坂の前からペースを落としてしまった。そこが区間賞を取った選手との差になったと思う。まだスタミナ不足だと感じた」

――山野選手にタスキを渡す時、手こずっているように見えたが
「きつくてぐちゃぐちゃに渡してしまった」

――チームで三冠を勝ち取った気持ちは
「三冠のメンバーとして走り、貢献できたことがとても嬉しかった」

――テレビの生放送はどうだったか
「とても緊張した」

――監督退任を受けて
「びっくりはしたが、三冠といういい機会だと思う。まだ総監督として残るので、あまり変わらないと思う」

――箱根優勝で周りからの反響は
(隣には山野選手がいた状況)
(赤星)「山野さんとかはすごいと思うが」
(山野)「言え、もっと言え」
(赤星)「山野さんとかはファンが(多いので)」
(山野)「そういうこと?やっぱいい(笑)」
(赤星)「自分はそんなに。昨年度の全日本よりはすごかった」

――箱根前に山野選手から推し選手に挙げられていたが知っていたのか
(赤星)「それは知っていた」
(山野)「うそうそ。あれはうそ。ごめん」
(赤星)「キャプテンから推して頂いていたので、とても嬉しく思う」

――今後の目標
「最上級生になるので、今年も三冠を目指して引っ張っていけるように頑張っていきたい」

◆9区 山野力 1:08:26 区間3位

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(撮影:大﨑陽凪)

――当日の調子は
「全然大丈夫ではあったが、往路見終わって夕方ぐらいに少し具合が悪くなった。『うわ、やっば』と思って『補欠に変えて欲しい』とも思ったが、9区の試走も自分しかやっていなかったので、替えもいなかった。監督からは『責任は全部俺が取るからしっかりやってこい』と言われて、そのまま思いきってやった」

――レースプランは
「後ろ(中大)との差が少なかったので、早めに突っ込んで差を開けることによって、相手に気持ちの面で攻撃しようと思った」

――自身の走りを振り返って
「最初は結構いい感じで走れていた。最初速く入った分、後半結構きてしまって、中々タイムが伸びなかったので、そこは反省」

――大八木京子さんや往路の選手たちが、沿道にいたと思うが気がついたか
「横浜駅辺にいたので気がついた。その辺からいつもきつくなってくるが、今回みんながいてくれて、元気を取り戻すことができた」

――三冠を勝ち取った気持ちは
「今年度1年間三冠をとるために、全力を注ぎ込んできた。有言実行ができたのは、自分だけではなく、みんなの支えや協力があって、達成できた部分があるので、みんなすごく感謝したい」

――テレビの生放送はどうだったか
「生放送だったので、変なことはできなかった(笑)」

――テレビ番組スッキリの「大八木監督の"声かけ"実は『静かに走りたい』と思ったことがある」という質問に対して、1人だけ「YES」と答えて、取り上げられていたが
「打ち合わせなしでやられた(笑)はめられた(笑)みんなもYESだと思っていたら、1人だけだった」

――監督退任を受けて
「ここまで駒大を強くしたのは監督だと思う。箱根4連覇やオリンピック選手や世界陸上選手を出している中で、三冠を達成したことがないということだったので、最後の年に有終の美を飾って終わって欲しい、なんとしても三冠を取りたいという思いになった」

◆10区 青柿響 1:09:18 区間2位

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(撮影:宮澤希々)

――当日の調子は
「良かった方」

――いつ頃10区の出走は決まったのか
「12月29日。そもそも走れるか走れないか分からなかった」

――出走が決まるまではどのような心境だったのか
「『走れたら、頑張ろう』という感じ」

――出走が決まってすぐゴールポーズの練習は始めたということか
「そう。走るなら試走とかもしていたので、10区だとは思っていた」

――レースプランは
「色んなプランを考えていて、今回は先頭で(タスキを)もらうことや追いかける展開も考えていた。往路が終わった段階で、先頭でくるのが分かったので、自分の走りをすることを考えていた」

――レース中に16回のガッツポーズが出ていたと報じられていたが、気持ちが高揚していたのか
「16回ってほんとなのかな(笑)アンカーでプレッシャーがある中で、弱気にならないように、強気でレースに臨んでいたので、それで気持ちが高ぶったのかなと思う。強気な姿勢が出すぎて、ガッツポーズが出ていた」

――自身の走りを振り返って
「昨年度の経験もあり、自分的には上手く走れていたと思う」

――走り終わったあと、顔色が悪いように見えたが
「自分的には体調が悪いとかは、全然なかった。自分でも『なんであんなに顔白いのかな』と思った」

――同じ高校の先輩、藤本優太(政4)選手が付き添いだったが
「10区の付き添いをしてもらっていて、一応同じ高校の先輩で。一緒に走りたかったが、サポートという形で(藤本にとって)最後の箱根を一緒に戦えて良かった。ゴールでも一番最初に目が合ったのでうれしかった」

――三冠を勝ち取った気持ちは
「うれしさよりもほっとしたというのがあった」

――次の日のテレビの生放送はどうだったか
「箱根で優勝しないとテレビには出られないので、出られて嬉しかった」

――監督の退任を受けて
「今年度にやめるか、自分たちの代(来年度)でやめるかというのは大体薄々分かっていた。一応グラウンドにはいると思うので、今までとそこまで変わらないように思う」

――今後の目標
「自分は故障が多くて、練習が積めない。今年はしっかり練習を積んで、1年間通して結果を出せるようにしたい」

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