陸上競技部

DATE:2022.04.29陸上競技部

【紙面連動企画】主将・山野、日本学生記録新!第50回全日本実業団ハーフマラソン

※諸般の事情により、掲載が遅くなりまして大変申し訳ございません。記事内の学年・情報につきましては、インタビュー当時のまま記載しております。

第50回全日本実業団ハーフマラソン大会が2月13日、山口・維新みらいふスタジアムにて開催された。

香川丸亀国際ハーフマラソンが延期となった影響により、特例で学生ランナーの参加が認められた今大会。駒大からは山野力(市3)、花尾恭輔(商2)、篠原倖太朗(地1)が出場した。雨が強く降る悪天候の中でのレースとなったが、歯を食いしばりながら攻めの走りを貫いた山野がハーフマラソンの日本学生記録を更新。新主将としての意地を見せた。

3月上旬、オンライン形式で各選手にインタビューを行った。今回はその内容をお届けする。

(聞き手:清水呼春、宮澤希々、本田萌絵)

結果
4位 山野力 (市3) 1:00:40 ☆自己ベスト
16位 篠原倖太朗 (地1) 1:01:01 ◎初ハーフ
40位 花尾恭輔 (商2) 1:01:37 ◎初ハーフ

◆山野力

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――当日の調子は
「いつも通りだった」

――レースプランは
「普段は学生とレースをしているので、実業団の人と一緒に走らせていただく機会でどの位ついていけるか試したかった。できるだけ詰めて、実業団の人について行こうと思ってレースを進めていた」

――雨の中のレースとなったが、その影響は
「体が冷えて寒かった。ただ、レース中はその環境が良く、いい状態で走れた」

――20km近くでは先頭で引っ張る形となったが、余裕はあったか
「ラストのトラックに入ってからの勝負だと周りのスピードがある選手に負けてしまうと思った。勝つために長い距離から仕掛けようと思い、20kmの手前で仕掛けた」

――大混戦で競技場へ入った後、トラックに入るまではトップを走っていたが、その時の心境は
「本当は20km手前で、後ろと差がある状態で競技場にもっていきたかった。後ろが全然離れてくれなくてどうしようかと思った」

――目標タイムは達成できたか
「61分台が出れば自分の中では合格だった。終わってみて、そのタイムを切れたことに自分自身、驚いている」

――自身の走りを振り返って
「今までの試合では最後まで先頭集団でレースすることができなかったが、今回こうして最後の最後まで先頭集団にいて、仕掛けられたのは非常に自分の中でも自信となり、自分も上の人と戦えるということを感じられた。この経験を生かして、これからも積極的にレースをしていきたいと思う」

――学生記録を出した感想は
「ゴールした後は61分台を切れたことがうれしくて喜んでいたが、篠原から自分が学生記録を出したことを聞いてさらに喜びが大きくなった」

――記録について大八木監督からは
「欲を言えば1位が良かったと言われた。比較的、冷静に進められたので褒めてもらった」

――新主将として何を見せつけられたと思うか
「新チームになってから初のレースが今回の実業団ハーフだったため、なんとしても今回出場した3人で良い結果を出して、チームとしていいスタートを切りたいと思っていた。良い結果が出たのでそこは非常に良かったと思っている」

――小林歩選手(21年卒、現・NTT西日本)の「山野選手のタイムは自分のおかげなんじゃないか」というYouTubeでのコメントについて
「動画を見たが、(小林さんは)関係ないと思う(笑)。レース前の食事などは、小林さんの真似をしてレースに出た」

――実業団ハーフの印象は
「他のレースと変わらない。どんなレースでも結果を出そうと思っていたので、同じ心情でレースに挑むことができた」

――三菱重工の林田洋翔選手(20歳)が優勝したことについて
「学生記録を出したが、優勝した林田選手は一個下。大学に進学していないため学生記録と言われないだけで、自分は年下に負けている。自分が学生記録をとったが上には上がいることを自覚しながら、おごらずに今後も競技を続けたい」

――駒大のOBも多数出場していたが、話はしたか
「7、8キロあたりで腹痛が起こって、集団から離れかけていたとき中村大聖さん(20年卒、現・ヤクルト)が後ろから『今は焦る時じゃないぞ』と声をかけてくださった。そこから後ろにつかせてもらって、しっかり呼吸を整えて復活することができた。大聖さんには感謝している」

――開催地が地元の山口だったが、特別な感情はあったか
「全然なかった。コースもあまり知らなくて、競技場の周辺しか知らなかった。周りの人について行くようにしていた」

――レース後のインタビューで「駅伝だけじゃなくて、個人としても結果を残していきたい」と話していたが、これからの具体的な目標は
「今年の自分の中の目標は、全種目での自己ベスト更新。まずはしっかり自己ベストを出して、ユニバーシアードなど選考のかかったレースに出られるようにしたいと思っている」

――新入生入寮の時期だが、新入生と話したか
「まだ話せていない」

――新入生の佐藤圭汰選手は期待の選手として注目されているが、印象は
「去年テレビで見た時もスピードがあって、練習でもすぐに上のチームに入れる選手だと思った。これから一緒に高め合って、チーム一丸となって優勝を狙いにいきたいと思っている」

◆花尾恭輔

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――当日の調子は
「1週間ぐらい前から調子が悪く、なんとか調子を上げてきた中でのレースだったため、本調子ではなかった」

――レースプランは
「特に考えていなかった。しっかり結果を残せればいいという考えだった。まずまずだった」

――雨の中でのレースだったが、雨の影響などで難しい点はあったか
「雨というよりも寒さ。アップを考えなければならなかったので、そこが大変だった」

――寒いとアップの内容は変わってくるのか
「長くやったり、アップが終わってからレースまでの過ごし方が変わってくる。そこを考えなければいけないレースだった」

――最後、神戸駿介選手(21年卒、現・小森コーポレーション)が一気に追い上げてきてギリギリ競り負ける形となったが
「ギリギリまで気づかず、後ろから神戸さんが来ていて驚いた。久しぶりにOBの方々と走れて楽しかった」

――監督からは
「特に何も言われなかった。調子が悪かった中での61分台だったので、そんなに悪くなかったのかなと感じる」

――目標タイムは
「62分台、願わくは61分台を出したいと思っていたので、そこはクリアできたと思う」

――自身の走りを振り返って
「初ハーフをきつい中でしっかり走れたので、最初にしてはまずまずかなと思った」

――今回見つかった課題
「調子を上げていくということと、しっかりついていくということが大事だと思った」

――実業団ハーフの印象
「強い選手が走る大会で、レベルの高いレースだったのでその中で走れたことは感謝している」

――花尾選手は三菱重工の林田選手と同じ中学校出身。林田選手が優勝したことについては
「同じ中学だったが、当時は正直そんなに仲が良いわけではなかった(笑)。すごくバチバチした関係だったが、今回のレースで仲直りできたのでよかった」

――2人で話はしたのか
「林田選手の方から『実業団で来てくれ』というように話しかけてくれた」

――山野さんは日本学生記録を更新したが、走りを見て何か刺激は受けたか
「刺激は受けた。ほとんど大会は一緒に出ているので、すごいなと感じた。勝ちたいとも思った」

――駒大のOBも多数出場していたが、何か話はしたか
「自分が1年生の頃の先輩など、色々な方と話せたのでよかった」

――新入生とは何か話したか
「まだ何も話せていない。落ち着いてから、少しずつ話していこうかなと思っている」

――佐藤圭汰選手は期待の選手として注目されているが、どのような印象を抱いたか
「本当に強い選手ですごいなと思っている。どうやったらあんなに速く走れるのか聞きたい」

◆篠原倖太朗

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――当日の調子は
「2週間前に合宿していた時は調子が悪くて心配していたが、1週間前に調子が戻ってきた感じがした」

――レースプランは
「ハーフマラソンを走るのが初めてだったので距離への不安はあったが、とりあえずいけるところまではいこうと思っていた」

――雨の中のレースとなったが、雨の影響はあったか
「寒さがあってアップしても体が温まりきらなかったり、雨の対策で帽子をかぶったりしなくてはならなかったのでレースだけに集中することができなかった。面倒なコンディションだった」

――11km地点で先頭近くに。先頭で引っ張ったことで監督に怒られたと聞いたが、本当か
「2番手にずっといて、一番引っ張っていた実業団の方が引っ張りたくなかったためずれていった。その結果自分が引っ張る形となってしまった。最初2,3キロくらい引っ張ったが、それがなかったら国学大の山本歩夢選手にも負けていなかったと思うので、もったいないことをしたなと思っていた」

――目標タイムは
「61分台を出せればいいと思っていた」

――自身の走りを振り返って
「自分のタイムがU20の歴代2位の記録だったので、思っていたより記録は良かった。タイム自体は良かったが、同級生に負けてしまい、大学に入ってから初めて同級生に負けてしまった。駒大のエースになるためにはこういうところでは負けていけないと思うので、また一からやっていこうという気持ちになった」

――実業団ハーフの印象
「あまりきつくなく、タイムの出やすいコースだと感じた」

――三菱重工の林田選手が優勝したことについて
「中学校の時から世代の中でトップを走ってきた選手。改めて強いと思った」

――日本学生記録を更新した山野選手の走りを見て
「今年度はずっと田澤(廉・経3)さんと鈴木(芽吹・営2)さんの背中を追って練習したり試合に臨んできたが、長い距離になると山野さんも出てきて、お手本にしなくてはならない先輩がたくさんいることを感じた。その人のすごいところを一つ一つ見て盗んでいければいいなと思う」

――駒大のOBも多数出場していたが、何か話はしたか
「神戸さんは頑張れよと声をかけてくれた」

――新入生入寮の時期だが、話はしたか
「佐藤圭汰と話した。自分は彼の指導係になった」

――佐藤選手の指導係になった経緯は
「佐藤自体が力のある選手。力の差があると、指導する側としても顔が立たない。佐藤と戦える自分が行こうと思った」

――期待の選手として注目されている佐藤選手と先日のクロカンでも競り合いをしていたが、その際の印象は
「出身高校(洛南高)で厳しく育てられたことを強く感じる。礼儀挨拶もしっかりできる。これからもっと強くなる選手だと思う」

執筆者:本田萌絵・清水呼春

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