ベトナム・フエ便り NO.1古都フエで暮らす |
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平井幸弘(2012.4.13記)
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鳥愛ずる男たち まだうす暗い朝5時、ホテルより約50m離れた地区役所の鉄塔にある拡声器からの大音量の有線放送で目覚めるものの、鳥のさえずりがピークに達する6時頃、やっと起床。Tシャツ、短パンの身軽な格好で、朝食前のウオーキングに出かける。城壁を巡る堀を一周すると2.5km、約3500歩の手頃な運動である。女性年配者のグループや夫婦連れが、三々五々それなりの格好で楽しそうにおしゃべりしながら、大勢歩いている。一方堀に面する公園の一角では、男たちが7〜8人地面に腰を下ろし何やら見つめている。視線の先は一列に吊るされた鳥籠、そう小鳥の鳴き比べを楽しんでいるのです。「虫愛ずる姫」ならぬ「鳥愛ずる男たち」とも言うのでしょうか(写真1)。 |
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皆様、お元気でお過ごしのことと思います。今年度(平成24年度)、駒澤大学の公費在外研究(1年間)でベトナム中部の古都フエにあるフエ農林大学/地域資源・農業環境学部に来ている平井です。「在外研究」の先輩方にならって、研究とは少し離れますが、現地で暮らしながら見たこと感じたことなどを「フエ便り」として、お送りしたいと思います。 フエの生活時間
さて、フエに来て2週間が経ちましたが、やっとこちらの生活リズムに慣れたところです。1年間ここで過ごすのですから、なるべくここの人たちの生活習慣に逆らわないよう、一緒にフエ時間の流れを楽しもうと思います。そこで今回は、私の一日をお伝えしましょう。 |
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ベトナムの環境問題を知る 午後は、1時から授業が始まりますが、1時半頃に研究室に戻っても先生方はまだほとんどいません。授業のない先生は、ゆっくり2時頃までに出勤されるようです。1時ではまだ暑いから、仕方ないですね。私は、この大学・学部では1〜2ヶ月に1回、合同セミナーで研究発表をする以外は、自分の研究をすれば良いのですが、今は研究課題として揚げた「ベトナム中部タムジャンカウハイ・ラグーンにおける海面上昇の影響に対する沿岸域の総合的管理」について、具体的なフィールドと調査項目を計画・準備しているところです。学内では、フリーのWiFiが使えるためインターネットには簡単に接続でき、おもにネットで文献や各種情報を収集しています。ただし、扱う情報については「フリー」の意味を心得て、十分気をつけなければならないですね。 午後4時頃には、学部の事務をしている職員がベトナムの英字新聞である”Viet Nam News”を研究室に持って来てくれます。先日購読手続き(3ヶ月で約2000円)をしたのですが、この新聞社の事務所はハノイとホーチミン、そしてダナンにしかなく、フエでは一日遅れで(週末の土・日分は月曜に)読むことができます。その記事には,例えば「中部のNinh Thuan省の大規模塩田事業によって、周囲の農地や牧草地・居住地に塩水が侵入し、井戸や灌漑ため池などの塩分濃度が基準の10〜約100倍にもなって、深刻な問題となっている」など、国内各地の様々な環境問題も取り上げられており、英語の勉強も兼ねて興味深く見ています。仕事を終えて さて、夕方5時までに授業が終わると,一部の学生は構内でいろいろなスポーツ、例えばサッカーやバレーボール、卓球、バドミントンなど、十分な施設はありませんが、それぞれ楽しんでいるようです。今年はフエ農林大学設立45周年ということで、学内で各種記念行事が行われています。先週の土曜日には、学内7学部対抗バレーボール大会(各学部若手教員のそれぞれ男女,複数のチーム)の決勝戦でしたが、男子では見事私がお世話になっている地域資源・農業環境学部チームが優勝しました。
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