Q1.駒澤大学地理学科の特徴は何ですか。
戦前からの伝統のある日本有数の大きな地理学科です。歴史の面では、地理学科の起源は、昭和4(1929)年に設立された駒澤大学専門部歴史地理科にまでさかのぼります。平成17(2005)年2月には地理学科創立75周年記念祝賀会を行ない、記念誌を発行しました。
現在「地理」の名前のついた学科・専攻・コースは減りつつあり、「地理学科」のある大学は日本で数校のみです。駒澤大学の地理学科は長い歴史を持ち、人文・自然の各分野にまたがる12人もの教員スタッフがいます。専門科目の種類も豊富で、これほど科目数の多い大学は他にあまり例がありません。図書館の地理学関係図書も充実しています。地理学を本格的に学ぶには最適の場所だと思います。
Q2.地理学科で学ぶ「地理学」とは何ですか。
むずかしい質問です。地理学の本質論をここで展開するには、とてもスペースが足りませんので、とりあえず、こうお答えしておきましょう。地理学は、自然から人文までとても範囲の広い学問で、地理的な見方・扱い方をすれば、何でも地理学になると言われるほどです。過去の卒業論文のタイトルをご覧になってください。こんなテーマで卒論が書けるのかと、びっくりすることと思います(中には、「地理」と言うには無理があるタイトルもあるのですが)。ただ、ほとんどの卒論に共通するのは、ある地域を舞台にしたさまざまな現象を研究しているということです(多くの卒論に具体的な地名が入っているのに気がつくでしょう)。具体的な地域をフィールドにして、そこの文化や産業・社会・環境・自然等々を調べること、そこからその地域の特徴や他地域との違いを考えること、とりあえずそのように理解しておいてください。「地理は暗記物」という受験のイメージで、世界各地のいろいろな事柄を覚えればよいとか、地名を知っているのが偉いと思われると困ります。
Q3.4年間の勉強はどのように進んでいきますか。
1年生は教養教育科目、外国語科目などの全学共通科目が中心になりますが、専門科目も「自然地理学入門」、「人文地理学入門」、「自然地理学実習」、「人文地理学実習」の4つがあります。「実習」では、地図作成、コンピュータ操作、野外観察・測定などの技術を身につけます。
2年生になると、専門科目中心の時間割になります。「地図学」は必修です。取りきれないぐらいたくさんある選択必修科目・選択科目の中から、皆さんの関心に応じたものを受講してください。
3年生では選択必修科目として、「地域文化(環境)演習」か「地域文化(環境)調査法」のどちらかを履修しなければいけません。演習は室内作業が中心、調査法は現地調査がメインの授業ですが、いずれの科目も、毎年全国各地に出かけていって調査をし、報告書にまとめます。大変ですが、とてもためになる科目です。3年生の後期には、卒業論文の指導教員を決定します。
参考:演習・調査法・巡検の調査地域一覧
4年生では、大学で勉強したことの総まとめとして卒業論文を書きます(必修です)。卒論のテーマは自分で見つけます。「地理学演習」の授業時間に(空き時間にも)先生の指導を受けながら調査計画をたて、調査を行なって、論文にまとめます。
Q4.専門科目の内容を詳しく知りたいのですが。
次のサイトで講義内容を閲覧できます。科目名称やキーワードなど、シラバスにある用語で検索できます。
https://www.komazawa-u.ac.jp/campuslife/studies/undergraduate/registration/syllabus.html
専門教育科目名は、次のページにあります。
https://www.komazawa-u.ac.jp/gakubu/bun/geography/curriculum/2014.html
Q5.地域文化研究専攻と地域環境研究専攻は、どこが違うのでしょうか。
あまり違わないと答えたいのですが(実は、多くの専門科目は、2つの専攻の学生が同じ教室で同時に履修します)、それでは回答になりませんので、次のようにお答えします。人文・社会的な事柄が中心なのが地域文化、自然環境が中心なのが地域環境ですが、地域環境ではあまり狭い意味の自然環境に限定しているわけでもありません。
具体的には、2年生以上の選択必修科目(演習、調査法など)、卒業論文の指導教員が違ってきます。たとえば地域文化研究専攻の学生は、地域文化に所属している教員の演習、調査法を受講し、地域文化の教員の卒論指導を受けることになります(ただし、卒論指導については、条件を満たせば他専攻の先生の指導を受けることもできます)。ですから、自分の関心のあるテーマに近い専門の先生がいる専攻を選ぶとよいと思います。
Q6.地域文化研究専攻から地域環境研究専攻に、あるいは地域環境研究専攻から地域文化研究専攻にかわることはできますか。
転部・転科試験を受けて合格すれば、専攻をかわることができます。地理学科内の転専攻は、面接のみの試験です。これについては、在学生向けの「よくある質問」のページをご覧ください。
Q7.学生の男女比はどれぐらいですか。
ここ数年は、入学者の約1/3が女子で、以前に比べて女子の割合が増えています。
Q8.地理学科に入学するには、どのような入試の種類がありますか。
詳しくは、駒澤大学入試情報のページをご覧ください。代表的なものに、全学部統一日程入試、一般入試(T方式)、センター試験利用入試、自己推薦入試(総合評価型)があります。
[全学部統一日程入試]
3科目同一配点です。駒澤大学本校以外にも、全国各地の会場で受験可能です。2018年度入試は、札幌・仙台・水戸・宇都宮・高崎・東京(駒沢キャンパス)・新潟・長野・静岡・名古屋・岡山・福岡で受験できます。
・募集人員:地文12人、環境12人
・試験日:2018年2月4日(日)
・試験科目:国語、外国語、選択(世界史、日本史、地理、政経、数学からひとつ)各100点
※2016年度入試から、募集人員を各10人から各12人に増やしました。
[一般入試T方式]
従来からある3科目同一配点型の入試です。
・募集人員:地文40人、環境35人
・試験日:2018年2月6日(火)
・試験科目:国語、外国語、選択(世界史、日本史、地理、政経、数学からひとつ)各100点
※生物は、2011年度入試から選択できなくなりました。
[センター試験利用入試]
選択科目の配点は2倍して200点満点にし、3科目同一配点になります(文学部では地理学科のみの配点方法)。
・募集人員:地文5人、環境5人
・試験日:2018年1月13日(土)・14日(日)
・試験科目:国語、外国語、選択(地歴、公民、数学?@、数学?A、理科?@、理科?Aから1つ)各200点
※地理学科は前期日程のみです。出願期間:1月4日(木)〜12日(金)。
[自己推薦入試(総合評価型)]
・募集人員:地文10人、環境10人
・試験日:2017年10月22日(日)
・試験科目:小論文、面接
・出願資格:評定平均値などの条件があります。
※2017年度入試まで「一般推薦入試A方式」と呼ばれていたものです。試験日が約1か月、早くなりました。
※その他
・一般入試S方式、自己推薦入試(特性評価型)(従来の一般推薦入試B方式)は、現在、地理学科では行なっていません。
Q9、高校で「地理」を履修していないのですが、地理学科に入学して授業についていけるでしょうか。
大学で地理学を勉強するのに、高校の地理の知識があるにこしたことはないのですが、高校で地理を習っていないからといって、ついていけないわけではありません。多少のハンディはあるにせよ、しっかり勉強すれば、大学の授業を理解することができます。逆に、高校で地理を習っていても(選択科目を地理で受験しても)、大学の授業は高校の繰り返しではありませんから、勉強しなければ分からなくなります。要は、大学に入ってどれだけ一生懸命勉強できるかということです。
ちなみに、平成23年度の地理学科4年生にアンケート調査したところ、約3割の学生が高校の時に地理を履修していませんでした。また、高校で地理を履修していない学生でハンディを感じた人は半数くらいでした。
ハンディを |
地理履修で地理受験 |
地理履修で地理受験せず |
地理未履修で地理受験せず |
よく感じた |
|
0 |
3 |
時々感じた |
|
7 |
8 |
あまり感じなかった |
|
11 |
7 |
全然感じなかった |
|
4 |
3 |
無回答 |
|
4 |
0 |
合計(79名) |
32 |
26 |
21 |
Q10.高校で「地理」を履修していないと、自己推薦入試(総合評価型)で合格するのは無理ですか。
自己推薦入試(総合評価型)の合否は、小論文と面接で判断します。小論文は、確かに高校で地理を習っている人のほうが有利かもしれませんが、一般入試ほど細かい知識は問われませんので、最低限、中学校で学習する地理の基本は身につけておいてください。また、自己推薦入試では面接も重要です。面接の際に、地理学の勉強に対する意欲(これまでどんなものに関心を持ち何をしてきたのか、大学に入って何をしたいのか)を、具体的にアピールしてください。高校で地理を履修していないからという理由で不合格になることはありません。
Q11.卒業後はどこに就職していますか。
地理学に関係した仕事としては地図・測量会社、旅行業界、運輸業界があり、毎年何人かが就職していますが、多くの学生はそれ以外のさまざまな業界に就職しています。
以下は、大学案内の冊子「駒澤VOICE2015」に掲載されている過去3年間(2012〜2014年3月卒業)の主な就職先です。
JR西日本、JR東日本、JR北海道、ジェイアール東海ツアーズ、セブン&アイ・ホールディングス、ゼンリン、みずほ銀行、ヨネックス、リコージャパン、伊藤園、伊藤忠食品、京王観光、近畿日本ツーリスト、駒澤大学、交通新聞社、佐川急便、阪急交通社、三井生命保険、三越伊勢丹、三菱電機住環境システムズ、四国化成工業、自動車部品工業、小田急バス、小田急商事、小田急電鉄、西武信用金庫、西武鉄道、静岡銀行、足利銀行、第一法規、東京メトロ、内外地図、日本生命保険、日本郵政グループ、農協観光、北海道銀行、野村證券、独立行政法人労働者健康福祉機構、横浜市交通局、海上保安庁、東京消防庁、神奈川県警察本部、熊本県警察本部、鹿児島県警察本部、教員
Q12.地理学科ではどのような資格が取れますか。
両専攻とも、決められた単位を修得すれば、教員免許状(高校地歴・公民、中学社会)・学校図書館司書・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事・測量士補の資格が取れます。とくに測量士補は、地理学科の卒業生だけが取れる資格です。また、旅行業界に必要な旅行業務取扱管理者の資格試験に対応した科目(地理学特講C・D)を開講しており、毎年合格者が出ています。気象予報士の担当する科目(地理学特講E・F)や気象予報士試験の勉強会もあり、こちらも合格者がいます。
さらに、(社)日本地理学会が認定するGIS学術士(大学院修士課程ではGIS専門学術士)、地域調査士(大学院修士課程では専門地域調査士)の資格も取得することができます。
資格取得については、次のページをご覧下さい。
https://www.komazawa-u.ac.jp/campuslife/qualification/
GIS学術士・地域調査士については、次のページをご覧下さい。
http://ajg-certi.jp/
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