【学生の頃】
自分の学生時代を振り返ってみると、地形も、地質も、水も緑も、都市も建築も、交通も、歴史もどれも好きでした。それで、卒論は「都市のアメニティ資源について」。1年間就職浪人後、某官庁の地方機関に勤務しましたが、事務職と技術職の越えられない壁に悩み2年で辞職。「これはいかん、何か専門をもたねば」と再度駒澤の大学院の門を叩き、近くの東京農業大学でも勉強しながら、植生調査などフィールドワークのアルバイトで稼ぎつつ、緑の勉強(深堀り)をさせてもらいました。今思うと、将来の不安はあったけれども、楽しく充実した時間でした。
【地図の表現力と発信力】
行政や技術系コンサルタントの世界は、地理学出身者が活躍できる、食い込めるフィールドだと思います。では何を武器にすればいいのでしょう。
まちの歴史や現状、未来をわかりやすく伝えることができる、可視化できるもの。それは「地図」です。私たちにとって「地図」という空間表現が最大の武器ですよね。
私は学生時代に作図が好きでした。上手くはなかったのですが、どうしたら「上手く伝わるか、わかりやすいか」をイメージしながら「地図」を作ることが大切です。今でも様々な資料づくりをしていますが、学生時代の作図の経験が活きているようです。
【仕事に就く】
では、行政や技術系コンサルタントの世界には、どうやって入ればよいのでしょうか。地理という職種での採用はまずないので、まちづくりの「現場」に近づくためには、建築や土木、農業土木、そして造園といった技術系の職種でこの世界に入ることをお勧めします。そのためには学生時代に、総論、理論だけでなく、専門にしっかり首を突っ込んで、技術を学んで下さい。
また、必ずしも技術職にこだわらず、例えば、これから基幹産業となっていく観光産業の分野で活躍できるような資格やスキルを身につけられるようにするのもいいでしょう。着地型観光産業の発達が期待されています。これは、地域振興やまちおこしと一体です。地域を見る目を養った地理学出身者にはもってこいの仕事だと思います。行政分野に限らず、その技術を活かして活躍している先輩は全国にいます。
【思い切ってやろう】
さて、私は最近デスクワーク(内部調整業務)が多くなっていますが、地域の自然や住民と向き合う、まちづくりのリアルな現場ほど面白いものはありません。だから、時々フィールドワークが恋しくなります。そんな時はきちんとプライベートの時間をとって、地元で地域の環境を守る活動などに参加しています。http://fukaemamorukai.blog.fc2.com/
学生時代の数年間を何かにこだわって、たとえその時は失敗だったとしても大したことではありません。必ず長い人生の肥やしになります。地理が好きならこだわってみませんか。「駒澤だからこそできること」って沢山ありますよ!
|